11日に碧南市藤井達吉現代美術館さんの展覧会
「リアルのゆくえー高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」に伺って参りました。
台風で7日のレセプションが中止になり、ご紹介が少し遅くなりましたが、
盛りだくさんの内容で大変楽しめました。
楽しみにしていた大塚勉、磯江毅の実作品にも出会い驚きましたが、
やはり今回は一番に、高橋由一、岸田劉生の圧倒的なエネルギーを再確認できた
気がいたします。
そして、筧忠治の作品に添えられた画家本人の言葉
「劉生を消したかった。僕の中から劉生を消したかった。自画像を描き続ければ
僕だけの作品が生まれると信じた」にはとても感動いたしました。
安井の20才の作品をこのところ毎日見ていたからでしょう。
佐橋も私も、本当は少し、写実作品を見るのが辛くなってしまった部分があります。
展覧会を拝見し
リアリズムを求めながら、その画家のほとんどが「形に支配されてはいけない」と
もがいている印象を受けました。
もしかしたらこの画家たちのもがきは、写実という手法と日本人としての美意識の葛藤から
生まれるものかもしれません。
図録をもう少しゆっくり読ませていただいてから、この宿題についても
もう少しじっくり考えてみたいと思っています。
9月18日までのおすすめの展覧会です。