西武鉄道 所沢駅西口からすぐの、西武鉄道の旧所沢車両
工場において、「引込線」と題する美術展が開かれている。
この催しは、所沢市近郊の美術作家らが、地域に根ざした
美術展を開こうとしている計画の一環。2年に1度の開催を
目指す「所沢ビエンナーレ」の試金石としてのプレ美術展だと
いう。
西武鉄道の旧所沢車両工場は、西武鉄道の車両の製造や
修理をしていたが、2000年に閉鎖された。再開発の計画も
どうなっているのか分からず、建物は放置されたままで、塀
に囲まれていて、のぞくこともできなかった。
美術展のことを朝日新聞の地方版で知ったので、車両工場
内はどうなっていたのかという興味もあり、8月31日(日)に
出かけてみた。
広い工場敷地の東北端、所沢駅に最も近いところに入口があ
り、何棟もある大きな平屋の建物のうちの、門に近い旧機械工
作場と車体検査場の建物、約2300mを西武鉄道が提供して、
会場になっていた。
高い天井と広いスペースに、30代の若手の美術作家を中心
にした16人の作品が展示されている。
展示物は、絵画や彫刻、造形物などの分野で、国内外に活躍
している人たちの作品らしい。
これは「織物をほどく-Peel」という作品。
こちらの作品なは、「鏡胴段階説+空洞説」
タイトルの「引込線」は、車両工場とかけて、「美術にかかわ
るものの覚醒(かくせい)した意志を引き込む」との意気を込め
たという。
これは作品ではなく、旧車両工場時代の置き台と天井の様子。
こちらも車両工場らしい遺物。会場内は作品のほかに、この
ような車両工場時代の品物などもあちこちに残っている。
美術展の名前そのもの、構内の「引込線」の線路も、コンク
リートで固められてはいるが、残っていた。
もう少し、作品を見てみよう。
木を彫った作品「ミニマルパロックⅣ「双影景」」
工場のふんいきを残したままの会場に並ぶ、若手美術家
の作品群。オールドマンの私にはちょっと理解しにくいもの
が多かったが、これが現代美術というものなのか…。
この展覧会は9月12日(金)まで開催中で、入場は無料。
ちなみに「ビエンナーレ」とは、イタリア語が語源の2年に一
度開く美術展のこと。ベネチア・ビエンナーレなどが知られ、
所沢でも、来年から2年おきの開催を目指しているという。