今日は、JR武蔵野線沿線を歩き続けている「カタツムリ歩行」
に参加しましたが、レポートは別途とし、5年前の今日歩いた、
熊野古道の報告を続けます。
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2003年10月19日 第5日 熊野本宮大社・小雲取越え
=整備された小雲取道=
![](http://clip.alpslab.jp/bin/map?pos=33/46/59.727,135/48/35.424&scale=250000)
7時半に朝食をして、8時過ぎに旅館のマイクロバスで出発。
熊野川左岸沿いに国道168号を進んで、土産物店などの並ぶ
熊野本宮大社前で降りる。
4日連続で、荷物はYさんに運搬していただけることになった。
出発を前に、太い杉木立に囲まれた熊野本宮大社に参拝する。
熊野本宮大社は、熊野速玉大社、熊野那智大社と合わせて熊
野三山と呼ばれ、その中心で、全国3000の熊野神社の総本山。
約2千年前の崇神天皇615年の鎮座という古社である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/aa/e4a999f95ea3c9a1a37b1c57ddeac464.jpg)
寺のような山門、檜皮葺(ひわだぶき)の神殿、神殿を取り巻く
板垣などの落ち着いた彩りに、その歴史が感じられる。
熊野三山のシンボル、八咫烏(やたがらす)の大きな幟(のぼり)
も目についた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/41/ba9d566a593f620286dde44b6dd8528b.jpg)
昨日1日だけ歩いたYさんがここから帰宅するので今日は20人。
そのYさんのリードで「エイエイオー」をして記念撮影後、熊野本宮
大社の大鳥居前をスタートする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/6a/dcaff25769c07e737710f66e52f1b5af.jpg)
小雲取越え道が始まる請川までは、熊野川に沿った国道168号
を3㎞ほど進む。幅広い熊野川は水が少なく河原の方が目につく。
バスの時間待ちで、結局、Yさんも請川まで一緒に来た。
請川橋そばの和菓子屋の前でKさん手配の弁当を受け取り、少
し先の下地橋バス停横から小雲取越えの道に上がる。
茶の花などが咲く数戸の民家を過ぎると杉林。木立の間から2、
3か所で熊野川の流れが見下ろせたが、やがて展望は無くなった。
菅笠に白衣の巡礼姿の若い女性が休んでいた。Eさんが聞くと、
熊野三山を歩いて回っているという。熊野古道は、若い人も引き
つける何ものかがあるようだ。
木もれ日の差し込む道に落ち葉が積もり、やわらかな足触り。
斜面をトラバースするように進んだ道は、右側の谷への分岐を
過ぎて尾根道となる。
幅広く石畳が敷き詰められ、江戸時代、駕籠も通ったことが実
感できる。
よく枝打ちして背の高い杉木立の中、上り道が続くので、ゆっ
くりと上る。万才(ばんぜ)峠への分岐を過ぎると傾斜がきつくな
り、やがて右に回り込んで百間ぐらに着く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6d/37fe19a3c6d54b9bd9a359d8cc072ab4.jpg)
西側の展望が開け、重畳と連なる緑の山並みの大展望である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/11/54566b5ddb1dbfab4465f9033ca4a046.jpg)
加法山(609m)の西斜面、標高450m付近をトラバースしな
がら進むと、右から林道が上がってきて交差する。「皇太子殿下
行啓の地」の新しい石碑が立っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/8f/a315dff2b48dd1ae635e2f64683bb745.jpg)
数年前、皇太子殿下が、この先のコースを歩かれたとのこと。
杉木立の下の尾根道、ところどころにリンドウが一輪ずつ咲い
ている。たくさん積まれた小石の上に地蔵が立っていた。旅の
途中で亡くなった人の霊を慰めるために造られたものだという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/e5/59fd9b04797710e2032ffbb9767fb3c3.jpg)
杉木立の下に休憩舎があったので昼食とする。石堂(いしどう)
茶屋の跡で、西側の谷には水場もあるようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/c6/09d58367fa57de57ad87fccadb28702e.jpg)
案内板によれば、茶屋の名は、この辺りから砥石が出たのが
語源のようで、里人は「イシンド茶屋」と呼んだようだ。
昨日まで、古道を行き交う人はわずかだったが、今日は日曜
日なので何グループかの人と会う。食事を終わる頃、抜いてきた
10数人のグループが着き、腰を下ろした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/08/11c06ff1958c67ed258168180a16f7d7.jpg)
茶屋の先には苔がビッシリ生え、緑のじゅうたんの上を歩くよう
な感じ。しばらくは幅広い石畳の尾根道が続き、杉落ち葉が一杯
積もった丸木の階段もあった。
東側の山並みの展望が開け、やがて桜峠。すぐ先に明治の末
年まで桜茶屋があり、庭先に桜の大木があったとか。いまは斎藤
茂吉の歌碑が立つ。そういえば皇太子行啓碑以降、ところどころ
に歌碑が立っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/79/2ff68f19d66f12b5ff88499f079f4e99.jpg)
茶屋跡から赤木へ下る道を分け、尾根道は赤木川に向かって
下り始める。一輪ずつ咲くリンドウや、随所に立つ歌碑、句碑を
横目に、ピッチが上がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f8/e6b025db9824c14ee3a662af32397f47.jpg)
杉林が途切れて展望が利くようになり、谷筋を大きく蛇行する
赤木川や、小和瀬の集落が眼下に迫ってきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/db/eef1ed3e5b05540e4ada691d274eb54d.jpg)
石畳が終わり、いわゆる膝が笑うような急斜面が続くので、転
ばぬよう注意して下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/a2/d83d3dc87851f84d69e7e44a0ef7d195.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/ac/5b4454befe39c5613077876cadde0954.jpg)
石の祠(ほこら)に納まった足切地蔵を通過して間もなく、赤木川
左岸の小集落、小和瀬に下りた。川を渡ったところにトイレがあっ
たので最後の休憩をする。
赤木川右岸の車道を進み、支流、小口川の中の島にある小口
自然の家に15時前に着いた。よく伸びた庭の芝生で靴を脱ぎ、
ストレッチ体操をして宿に入る。
自然の家は、小学校の跡に建てられた木造平屋建て。学校の
ような板張りの長い廊下に沿って部屋が並んでいる。
夕食は食堂のテーブルで、地元の産物中心の家庭料理を美味
しくいただいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/68/7de02e64e9df324c64cc54169ab0c75b.jpg)
〈コースタイム〉熊野本宮大社8・55~9・19ー請川(弁当受領)
10・00~10ー小雲取上り口10・14ー南側の谷への分岐10・42ー
万才峠への分岐11・12ー休憩11・15~25ー百間ぐら11・45~53
ー林道交差地点12・05ー石堂茶屋跡(昼食)12・19~13・05ー
桜茶屋跡13・37~45ー足切地蔵14・25ー赤木川橋際の休憩所
(WC)14・31~45ー小口自然の家14・55
(天気 晴、距離 17㎞、地図 伏拝(ふしおがみ)、本宮、歩行
地 和歌山県本宮町、熊野川町)
に参加しましたが、レポートは別途とし、5年前の今日歩いた、
熊野古道の報告を続けます。
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2003年10月19日 第5日 熊野本宮大社・小雲取越え
=整備された小雲取道=
7時半に朝食をして、8時過ぎに旅館のマイクロバスで出発。
熊野川左岸沿いに国道168号を進んで、土産物店などの並ぶ
熊野本宮大社前で降りる。
4日連続で、荷物はYさんに運搬していただけることになった。
出発を前に、太い杉木立に囲まれた熊野本宮大社に参拝する。
熊野本宮大社は、熊野速玉大社、熊野那智大社と合わせて熊
野三山と呼ばれ、その中心で、全国3000の熊野神社の総本山。
約2千年前の崇神天皇615年の鎮座という古社である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/aa/e4a999f95ea3c9a1a37b1c57ddeac464.jpg)
寺のような山門、檜皮葺(ひわだぶき)の神殿、神殿を取り巻く
板垣などの落ち着いた彩りに、その歴史が感じられる。
熊野三山のシンボル、八咫烏(やたがらす)の大きな幟(のぼり)
も目についた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/41/ba9d566a593f620286dde44b6dd8528b.jpg)
昨日1日だけ歩いたYさんがここから帰宅するので今日は20人。
そのYさんのリードで「エイエイオー」をして記念撮影後、熊野本宮
大社の大鳥居前をスタートする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/6a/dcaff25769c07e737710f66e52f1b5af.jpg)
小雲取越え道が始まる請川までは、熊野川に沿った国道168号
を3㎞ほど進む。幅広い熊野川は水が少なく河原の方が目につく。
バスの時間待ちで、結局、Yさんも請川まで一緒に来た。
請川橋そばの和菓子屋の前でKさん手配の弁当を受け取り、少
し先の下地橋バス停横から小雲取越えの道に上がる。
茶の花などが咲く数戸の民家を過ぎると杉林。木立の間から2、
3か所で熊野川の流れが見下ろせたが、やがて展望は無くなった。
菅笠に白衣の巡礼姿の若い女性が休んでいた。Eさんが聞くと、
熊野三山を歩いて回っているという。熊野古道は、若い人も引き
つける何ものかがあるようだ。
木もれ日の差し込む道に落ち葉が積もり、やわらかな足触り。
斜面をトラバースするように進んだ道は、右側の谷への分岐を
過ぎて尾根道となる。
幅広く石畳が敷き詰められ、江戸時代、駕籠も通ったことが実
感できる。
よく枝打ちして背の高い杉木立の中、上り道が続くので、ゆっ
くりと上る。万才(ばんぜ)峠への分岐を過ぎると傾斜がきつくな
り、やがて右に回り込んで百間ぐらに着く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6d/37fe19a3c6d54b9bd9a359d8cc072ab4.jpg)
西側の展望が開け、重畳と連なる緑の山並みの大展望である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/11/54566b5ddb1dbfab4465f9033ca4a046.jpg)
加法山(609m)の西斜面、標高450m付近をトラバースしな
がら進むと、右から林道が上がってきて交差する。「皇太子殿下
行啓の地」の新しい石碑が立っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/8f/a315dff2b48dd1ae635e2f64683bb745.jpg)
数年前、皇太子殿下が、この先のコースを歩かれたとのこと。
杉木立の下の尾根道、ところどころにリンドウが一輪ずつ咲い
ている。たくさん積まれた小石の上に地蔵が立っていた。旅の
途中で亡くなった人の霊を慰めるために造られたものだという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/e5/59fd9b04797710e2032ffbb9767fb3c3.jpg)
杉木立の下に休憩舎があったので昼食とする。石堂(いしどう)
茶屋の跡で、西側の谷には水場もあるようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/c6/09d58367fa57de57ad87fccadb28702e.jpg)
案内板によれば、茶屋の名は、この辺りから砥石が出たのが
語源のようで、里人は「イシンド茶屋」と呼んだようだ。
昨日まで、古道を行き交う人はわずかだったが、今日は日曜
日なので何グループかの人と会う。食事を終わる頃、抜いてきた
10数人のグループが着き、腰を下ろした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/08/11c06ff1958c67ed258168180a16f7d7.jpg)
茶屋の先には苔がビッシリ生え、緑のじゅうたんの上を歩くよう
な感じ。しばらくは幅広い石畳の尾根道が続き、杉落ち葉が一杯
積もった丸木の階段もあった。
東側の山並みの展望が開け、やがて桜峠。すぐ先に明治の末
年まで桜茶屋があり、庭先に桜の大木があったとか。いまは斎藤
茂吉の歌碑が立つ。そういえば皇太子行啓碑以降、ところどころ
に歌碑が立っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/79/2ff68f19d66f12b5ff88499f079f4e99.jpg)
茶屋跡から赤木へ下る道を分け、尾根道は赤木川に向かって
下り始める。一輪ずつ咲くリンドウや、随所に立つ歌碑、句碑を
横目に、ピッチが上がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f8/e6b025db9824c14ee3a662af32397f47.jpg)
杉林が途切れて展望が利くようになり、谷筋を大きく蛇行する
赤木川や、小和瀬の集落が眼下に迫ってきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/db/eef1ed3e5b05540e4ada691d274eb54d.jpg)
石畳が終わり、いわゆる膝が笑うような急斜面が続くので、転
ばぬよう注意して下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/a2/d83d3dc87851f84d69e7e44a0ef7d195.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/ac/5b4454befe39c5613077876cadde0954.jpg)
石の祠(ほこら)に納まった足切地蔵を通過して間もなく、赤木川
左岸の小集落、小和瀬に下りた。川を渡ったところにトイレがあっ
たので最後の休憩をする。
赤木川右岸の車道を進み、支流、小口川の中の島にある小口
自然の家に15時前に着いた。よく伸びた庭の芝生で靴を脱ぎ、
ストレッチ体操をして宿に入る。
自然の家は、小学校の跡に建てられた木造平屋建て。学校の
ような板張りの長い廊下に沿って部屋が並んでいる。
夕食は食堂のテーブルで、地元の産物中心の家庭料理を美味
しくいただいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/68/7de02e64e9df324c64cc54169ab0c75b.jpg)
〈コースタイム〉熊野本宮大社8・55~9・19ー請川(弁当受領)
10・00~10ー小雲取上り口10・14ー南側の谷への分岐10・42ー
万才峠への分岐11・12ー休憩11・15~25ー百間ぐら11・45~53
ー林道交差地点12・05ー石堂茶屋跡(昼食)12・19~13・05ー
桜茶屋跡13・37~45ー足切地蔵14・25ー赤木川橋際の休憩所
(WC)14・31~45ー小口自然の家14・55
(天気 晴、距離 17㎞、地図 伏拝(ふしおがみ)、本宮、歩行
地 和歌山県本宮町、熊野川町)