あるきメデス

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上越国境 三国峠から谷川岳への縦走(群馬・新潟)[44年前](前半)

2016-08-12 18:06:06 | ハイキング
 2016年8月11日(木)

 今日は、今年から制定された新しい休日「山の日」なので、山にちなんだ話題を考えた
のですが、最近は平地のウオーキングばかりで山行の機会がありません。

 そこで古い資料と写真を探したところ、ちょうど44年前の8月11日に出かけた山行
記録とセピア色に変わってしまった写真があったので、写真はリカバリーソフトで色の再
現を試みました。

 もとの色になったとは思われませんがかなり色がついたので、アップすることにしまし
た。山行記録がかなり細かいのに比べて写真はわずかなので、いつものブログとは違いま
すが、興味のある方はご覧下さい。

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 昭和47年(1972)8月11日(金) 曇一時雨、晴

 5時起床、白馬三山以来1年ぶりの山行と、連日の仕事疲れや長女の育児の相手などで
睡眠不足気味のところで準備十分とは言いがたいが、やっと3日の休みをとったので出か
ける。

 八高線で行こうか上野へ出ようかと迷ったが、高崎、後閑での乗り継ぎ時間の安全を見
て池袋へ出ることにして、西武池袋線 狭山ヶ丘駅発5時44分で行く。池袋駅6時34分
着だが、上野6時58分発には少し危ないので赤羽駅で待つ。

 赤羽駅7時05分発は旧盆が近いのでかなり一杯の乗客。前から2両目入口そばの網棚
に空き見つけてザックを上げ、昨夜作ってもらった握り飯を立ち食い。すぐ反対側に座っ
ている娘さんが酔ってゲブしていたので食べていても気持ちよくない。水も無いのでのど
の通りも悪し。

 今回は8ミリカメラは持たず、ペンタックスのみなので荷は軽い。新前橋で長野原方面
行きは切り離しとなり、後の水上行きに移る。こちらは空いていて座れた。空はほとんど
見えず、雨に会わねばと気兼ねする天候である。

 9時04分後閑(ごかん)駅着、9時25分発三国峠行き東武バスは、次の9時23分
着普通列車が7分遅れで待ち、9時35分に発車した。湯宿、猿ヶ京で降りる人がいて、
三国峠で降りた登山者はほかに一人。この人は、宿も一緒の所沢のIさん。

 三国大橋と三国トンネルの間の道を右へ、樹林帯の上りとなる。賑やかな小鳥の合唱を
聞きながら緩い山道をたどる。高度が上がるにつれ、今バスで上がってきた国道17号が
見え隠れする。


 右から旧三国街道を合すると数分で三国峠。ここには赤い鳥居の三国権現がある。猿ヶ
京温泉の客であろうか、数人の家族連れが居た。

 三国権現の横から急な上り道となり、草原状の見晴らしの良いところを上がると、群馬
側国道の見通しがだんだん良くなる。雲行きが怪しくなり、降り出してきたのでボンチョ
を被る。20分ほどの小雨で止んだが、三国山頂への道に入ったら道が見えぬササヤブ。
キャラバンシューズが濡れて水が入り込み、靴の中で踊ってくる。

 三国山を下り大源太への鞍部で昼食をとり、雨に濡れた靴下を絞り水を出す。まだ天気
は危ないので、ゆっくり休む間もなく出発し、先に行った例の男性を抜く。聞くと、やは
り平標(たいらっぴょう)山の家泊まりという。

 大源太山を過ぎた頃からまた雨になり、ガスの間に山の家が見えたので再びポンチョを
被り、小屋へ急ぐ。やがて雨も止み、14時に小屋へ入ったときには上がってしまった。


 平標山の家の小屋は、平標山の下、笹穴沢の源頭に近く、オオシラビソの林と草原状の
のどかな位置。西に、谷を隔てて苗場スキー場となる筍山、その北に横に長い苗場山、東
は明日たどる仙ノ倉やエビス大黒の頭などが望まれる。


 ガッシリした小屋には、下の法師温泉の山口さんと本多さんの2人が居り、4月から
11月初めまで登山者の世話をしてくれる。2人とも気さくなおじさんで、冗談を言って
は笑わせてくれる。

 1番バスで昼頃には小屋に着いたという、茂原から来た単独行の女性Hさんが、おじさ
んに頼まれて布団やズボンの修理をするという気さくな小屋。すぐあとに、例の単独行の
所沢のIさんも着く。

 お茶を2杯飲んでのどを潤す。コース中に水場は無く、汗はあまりかかなかったとはい
え水筒に水を入れずに来て、途中でジュースを飲んだだけだったのでうまかった。半袖に
半ズボンで上がってきたが、休んでいるとうす寒い。本多さんは、9月の陽気だと行って
いたが、そうかもしれない。雨も上がり時間もあり、カメラを下げて近くをブラつく。


      エビス大黒の頭                  東俣の頭


                 笹穴沢源流


 次のバスで、群馬県の男性4人のパーティ、その後、上から来た新潟・白根市の男性3
人パーティも来て合計10人になる。千葉・茂原の女性、私ともう一人の所沢市の単独行
男性2名が食事付きで、後着の2パーティは自炊である。

 16時頃にはもう食事の支度を始め、17時には夕食となる。単独行3人が一つの台で、
ややフニャけたご飯と、小屋の前に栽培している大根の葉の味噌汁、おかずの中身は忘れ
た。

 1坪くらいのこの野菜畑には夜、兎が来るそうで、兎除けの風鈴(といっても実は1升
ビンの下を割ってぶら下げたもの)が風に涼しい音。小屋のそばには遭難予防に鳴らす鐘
もある。



 16時40分頃、長大な苗場山を背に美しい夕焼けとなる。ランプも無く、小屋の2人
は焼酎をチビチビしながら夕食。新潟組は19時頃には寝込んだので私も寝る。

 広い方の場所に9人が布団を敷くとほぼ一杯。ストーブの反対側は狭く女性用、そちら
の卓で小屋の2人が飲んでいたが、そのうちに地元群馬のパーティが酒を持ち込んで一緒
に雑談を始め、20時頃まで話し声が賑やか。

 毛布3枚を掛けて長ズボンで寝たせいかか、その後も寝付かれずウトウト。ロウソクの
灯で話していた人達も寝込む。ひと眠りして夜半、外へ小便に起きてみたら、久しぶりの
天の川が一杯の星を回りに見せて流れ、谷の向こうに苗場スキー場の明かりがポツンと点
っていた。

[コースタイム]
 三国大橋10:30-三国峠10:55~11:03-三国山頂11:45-三国山と
 大源太の鞍部(昼食)12:05~35-北の入沢道13:10~23-平標小屋
 14:00

[距離 6㎞、標高差 553m、累積標高 +833m、-282m]   (続く)




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