2012年2月22日(水)
日本海の新潟県鳥首岬をスタートし、太平洋は静岡県の石廊崎を目指して歩き継ぎ、
毎年、春秋に実施している国際ウオーキングトレイル実踏は、最終の10年目となる。
昨年秋の前回のゴール、天城温泉禅ノ湯ユースホステルのある慈眼院の山門で記念撮
影をして、通算50日目となる初日は、8時38分にスタートした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/43/87eac1ff2ed5946fd20d3dbab83bbbb3.jpg)
今日の行程は、県道115号をひたすら西へ進み、大鍋越(おおなべごえ)と呼ぶ峠
を越えて、伊豆半島西岸の松崎町那賀(なか)までである。
河津七滝(ななだる)や天城(あまぎ)トンネルに通じる国道414号から県道115
号に下り、河津川の橋を渡って支流の大鍋川沿いへ。暖かい伊豆でも今年の寒さはほかと
同様、大鍋集落の梅も、まだ開花していない。
点在する大鍋の静かな民家や、行く手の山並みなどを眺めながら進む。県道だが自動車
の通行はほとんど無く、安心して歩ける。
集落の中ほど、山すそにあった子守(ねのかみ)神社に寄り小休止する。朱塗りの橋を
渡り、上がる石段の横に石積みの棚田があり、ワサビを栽培している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/b9/672138563e415dd283608b5ea80852e5.jpg)
子守神社の創立年代は不詳だが、天正12年(1584)10月の棟札が残り、毎年10
月15日には神秘的なお神楽が奉納されるという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/75/06d7445857d8b4ca7467f0e8231165b9.jpg)
神社から500mほど進んだあたりで、軽ザックを背負ったウオーキングスタイルの女性
が下って来た。声をかけると、磐田市に住み、この先に別荘を借りてご夫妻で来ていると
いうWさん。伊豆半島の各地で別荘を探して回った末、一昨年ここを出るという方を知り、
借りたとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/79/ec88a7c0927beb46d85a68a7f290f7a1.jpg)
日々、あるいは季節ごとに変わるこの地の自然が好きで、気に入っているという。家にい
る夫を紹介するからと、一緒に戻ってくれることになった。
間もなく県道は、右からの支流へのカーブ点となり、「この先約6㎞は落石や路肩崩壊の
ため通行規制」の看板が立っている。
Wさんの別荘は、支流の方に入ってすぐ近く。夫のSさんは、その支流に入って居られた
が、すぐに自宅に戻ってこられた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/69/edd664bd2a744d1764acd2cbdffa36e4.jpg)
別荘の裏手には、夫が自作されたという露天風呂があり、お湯は、河津温泉の湯をポリ
タンクに汲んで運ぶとのこと。200リットルと500リットル入る大きなポリタンクと、
キャンピングカーが横に置いてある。
アイスコーヒーを頂き失礼したが、思いがけぬ出会いだった。
支流沿いに点在する住宅が尽きたところで橋を渡る。折り返して対斜面を緩やかに上がり、
大鍋川左岸高見の林間を進む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/41/58a72e42e3c1fbd77501c96d1949afa1.jpg)
右カーブ点で東側の展望が開け、眼下に通過してきた大鍋の集落が見下ろせる。その先で
舗装が終わり、標高337m点付近には、通行規制の柵が設けられていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/25/ad72fd065cfad65489c4d1d38e79081e.jpg)
高度が上がり、行く手に大鍋越えあたりかと思われる稜線が見えてきた。最北部まで回り
込んで橋を渡る。何回か続くヘヤピンカーブのあちこちに、石積みの段に造られたワサビ畑
が現れる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/6c/22ab92fce7b775d3073aa9c5965d098a.jpg)
伊豆森林管理所の専用林道の分岐点には、くさりが貼られ通行止めの表示が立っていた。
各々の地形を生かした段々状のワサビ田が次々に現れ、静岡県が日本一のワサビの生産地
であることが実感できる。
何度も続くヘヤピンカーブが終わり、傾斜も緩んでこれまで無かったカーブミラーのある
右カーブ点に着く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/f5/48f43b828d200e2cce46848fd0d3035c.jpg)
今日の最高点、標高627mの大鍋越である。南西への稜線に伸びる「高峰歩道」の標柱
が倒れていた。12時半近いので、ここで昼食とする。
20分ほどで食事を済ませ出発した。右カーブしたすぐ先の、南側では林道工事中。重機
など3、4台の機械が入り、斜面が削られ林は消えている。今どき、こんな工事は珍しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/b8/8c91f80ce62db894ec384e26e26debf6.jpg)
すぐ先に、県の大鍋雨量観測所の小さい建物があり、屋根上に無線のアンテナ塔が立つ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/2c/081c15d0e737b1f78de74a920c0c934c.jpg)
松崎町に下るこちらの斜面は、展望が開けて上ってきた河津町側より斜度も幾分きつい。
カーブミラーも多く舗装も異なり、町による道路管理の相違が分かる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/63/84c5e0f1f199fa90e49b203b70aa369b.jpg)
しばらくは右左にカーブが続き、高度はどんどん下がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/f8/c0564d56ecdf097ee26e1d98d9204e0c.jpg)
パイプで通行止めとなっているカンス林道への分岐を過ぎ、再びワサビ畑が増え、収穫し
たワサビを運ぶモノレールの設けられたところも多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/7f/e6c226e670464ae5ec66c4698b62b392.jpg)
白い花の咲き出したワサビ田もあり、春の近いことを感じる。杉木立の間を右に大きく回
り込み、ヘヤピン状に戻って池代川が近づき、橋を渡った。
県道は池代川の左岸沿いとなり、ワサビ田を眺めたりせせらぎの音を聞いたりしながら下
って行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/ac/87e3ef9fe1998e078d3b95cd0dbc4b98.jpg)
杉林の中に古びた二つの小屋のあるところで右岸へ。最奥の集落池代の民家が現れ、近く
の高台にあった智泉寺に上がって休憩する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/6e/56f6d9dd45ecc0aa5b0f7e79788b716d.jpg)
本堂前に広がる庭園には、六地蔵や古い石仏などが並び、ツツジなど植え込みも多く趣あ
る寺だ。
境内からは池代の家並みが望まれ、石段下には日に5本出る松崎行きの池代バス停がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/d7/d4980b76df978f0f0de783f83a60846a.jpg)
近くに、松崎の特徴的な景観のひとつ、なまこ壁の土蔵のある民家が現れ、今日初めての
店、成沢商店の前を通過する。
日吉神社のそばから北側の持草川沿いに入る車道入口に、シャクナゲで知られる長九郎山
登山道の案内図が立っていた。
近くの人の話では、通常は5月22日頃がシャクナゲの見頃だが、今年は寒いので遅れる
だろうという。この先、大沢からの登山路は閉鎖されていることも教えてくれた。
素泊まり民宿「ししの宿」や民宿池代荘の近くを通過、五軒屋バス停の先で家並みが途切
れる。県道は池白川の右岸に回り、大沢集落が近づく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/89/641136272772c438b1e544b9e398aaa1.jpg)
白梅が見頃になっているライダーハウス「BBBRoad」の少し先、北側の急斜面に白梅が咲
きミカンの実る、ちょっとした花畑のように見える一角があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/60/b06425a3502e4631892d5b1f882af991.jpg)
真下から斜面中腹まで上がって眺めると、その下の畑で草取りをしている奥さんが居られ
た。大沢集落の「民宿こんや」のおかみさん。今日の宿が三餘荘だと言うと、よい宿だとか
奥様はどこから来られたとか話し、畑の隅にあるミカンをもいでくれた。
大沢集落の入口となるカーブ点の川向こうに、「野天風呂」のちょうちん下がる建物があ
り、自噴の露天風呂に500円で入れるという。橋のたもとのバス停の名も「野天風呂」に
なっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/d0/6b7917959b3d60704fa2535e4814b5fd.jpg)
近くの流れの傍らに、「依田佐二平翁石像」と記された石造りの立像がある。この地出身
で第1回衆議院議員となった人で、今日の宿ゆかりの土屋三餘(さんよ)の門人らしい。
その先500mほど、那賀川となった流れの右岸に桜並木が続く。中ほどに大沢温泉ホテ
ルのりっぱな建物があり、いつのものか大きな水車も残っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/25/156887959a2ddf84ae2bfea815c82615.jpg)
民宿旅館こんやの看板の見えたあたりで県道は橋を渡るが、そのまま桜並木の遊歩道を少
し進み、朱塗りの橋を渡って道の駅「花の三聖苑」に入った。
地元産品の直売所や食堂のあるふつうの道の駅とは違う雰囲気。それもそのはず、郷土の
三聖人の業績を中心に、松崎の歴史、文化を紹介する複合施設とのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/87/7a74321fa6a4efefe05fcd625269b36e.jpg)
公園風なエリアには、明治初期の公立小学校「旧大沢学舎」↑、松崎の歴史などを紹介す
る「三聖会堂」↓、土産店や食事処のある和風の建物、日帰り温泉「かじかの湯」などが並
び、県道側入口には大きな花時計も設けられている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/50/c3c3bf004304c74d807a4f1cbd7ca0c5.jpg)
時間も経過しているので、個々の施設には入らずに通過する。県道に出て、中川小の近く
で通学用の吊り橋「しろかに橋」を渡る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/3a/e76a8be28cad443f24710cec0846e52f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/2e/94f11003445f0b17936a1813494c5903.jpg)
那賀川左岸に続く、枝張りのよいソメイヨシノの桜並木に沿って、遊歩道を2㎞近く進む。
樹下のナノハナがかなり咲いている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/97/659976d83f0c1d68529238211dc70aa3.jpg)
南郷集落が途切れるあたりで対岸の那賀(なか)集落が近づく。橋を渡り那賀集落に入り、
17時ちょうど、歴史を感じられる長屋門をくぐり、三餘荘ユースホステルに着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/31/60171a8d1888a7ecf563a9dfe72371a3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/d3/0df708fc7d102bfd6aac93cddccc3f31.jpg)
広い邸内の中心に池を巡らし、ツツジや老松を配したりっぱな日本庭園があり、ペアレン
トの土屋九彦さんは、この家の15代目当主で6月で90歳になられるとか。50年近く、
このユースを経営されていて、松崎の偉人、土屋三餘のお孫さんにあたるという。
奥様手作りの夕食をごちそうになり、土屋さんからご祖父三餘の業績などを説明していた
だいた後、奥の土蔵を活用した三餘塾資料館をご案内いただく。
耐火のため三重になっている扉を開けて土蔵に入ると、中もなまこ壁になっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/fc/8eeb520fac5a80991e4c1c04e1fc3bc9.jpg)
中には、土屋三餘ゆかりの古文書や書、写真、趣味の楽器、食器や酒器など、たくさんの
ものが展示されていて、三餘の偉大な業績の一端を垣間見ることが出来た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/22/67e19f72ccc0da92926f253a7b4f252e.jpg)
【コースタイム】天城温泉禅の湯YH8・38ー子守神社9・24~30ー標高191m付近(W
さん宅) 9・59~10・10ー大鍋川支流の橋10・20ー次の支流の橋11・00ー林道分岐点
11・18~28ー大鍋越 (昼食)12・26~45ーカンス林道分岐13・10ー343m点(橋)
13・52ー智泉寺14・30~47ーBBRoad15・37ー野天風呂BS15・55ー道の駅花の三聖苑
16・14~20ー三餘荘YH17・00
(天気 晴後曇、距離 24㎞、地図(1/2.5万) 湯ヶ野、仁科、歩行地 河津町、
下田市、松崎町、歩数 41,000、累積標高差 約2,270m)
ちなみに、土屋三餘の詳細については、松崎町のウェブサイトのこちらをご覧下さい。
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日本海の新潟県鳥首岬をスタートし、太平洋は静岡県の石廊崎を目指して歩き継ぎ、
毎年、春秋に実施している国際ウオーキングトレイル実踏は、最終の10年目となる。
昨年秋の前回のゴール、天城温泉禅ノ湯ユースホステルのある慈眼院の山門で記念撮
影をして、通算50日目となる初日は、8時38分にスタートした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/43/87eac1ff2ed5946fd20d3dbab83bbbb3.jpg)
今日の行程は、県道115号をひたすら西へ進み、大鍋越(おおなべごえ)と呼ぶ峠
を越えて、伊豆半島西岸の松崎町那賀(なか)までである。
河津七滝(ななだる)や天城(あまぎ)トンネルに通じる国道414号から県道115
号に下り、河津川の橋を渡って支流の大鍋川沿いへ。暖かい伊豆でも今年の寒さはほかと
同様、大鍋集落の梅も、まだ開花していない。
点在する大鍋の静かな民家や、行く手の山並みなどを眺めながら進む。県道だが自動車
の通行はほとんど無く、安心して歩ける。
集落の中ほど、山すそにあった子守(ねのかみ)神社に寄り小休止する。朱塗りの橋を
渡り、上がる石段の横に石積みの棚田があり、ワサビを栽培している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/b9/672138563e415dd283608b5ea80852e5.jpg)
子守神社の創立年代は不詳だが、天正12年(1584)10月の棟札が残り、毎年10
月15日には神秘的なお神楽が奉納されるという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/75/06d7445857d8b4ca7467f0e8231165b9.jpg)
神社から500mほど進んだあたりで、軽ザックを背負ったウオーキングスタイルの女性
が下って来た。声をかけると、磐田市に住み、この先に別荘を借りてご夫妻で来ていると
いうWさん。伊豆半島の各地で別荘を探して回った末、一昨年ここを出るという方を知り、
借りたとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/79/ec88a7c0927beb46d85a68a7f290f7a1.jpg)
日々、あるいは季節ごとに変わるこの地の自然が好きで、気に入っているという。家にい
る夫を紹介するからと、一緒に戻ってくれることになった。
間もなく県道は、右からの支流へのカーブ点となり、「この先約6㎞は落石や路肩崩壊の
ため通行規制」の看板が立っている。
Wさんの別荘は、支流の方に入ってすぐ近く。夫のSさんは、その支流に入って居られた
が、すぐに自宅に戻ってこられた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/69/edd664bd2a744d1764acd2cbdffa36e4.jpg)
別荘の裏手には、夫が自作されたという露天風呂があり、お湯は、河津温泉の湯をポリ
タンクに汲んで運ぶとのこと。200リットルと500リットル入る大きなポリタンクと、
キャンピングカーが横に置いてある。
アイスコーヒーを頂き失礼したが、思いがけぬ出会いだった。
支流沿いに点在する住宅が尽きたところで橋を渡る。折り返して対斜面を緩やかに上がり、
大鍋川左岸高見の林間を進む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/41/58a72e42e3c1fbd77501c96d1949afa1.jpg)
右カーブ点で東側の展望が開け、眼下に通過してきた大鍋の集落が見下ろせる。その先で
舗装が終わり、標高337m点付近には、通行規制の柵が設けられていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/25/ad72fd065cfad65489c4d1d38e79081e.jpg)
高度が上がり、行く手に大鍋越えあたりかと思われる稜線が見えてきた。最北部まで回り
込んで橋を渡る。何回か続くヘヤピンカーブのあちこちに、石積みの段に造られたワサビ畑
が現れる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/6c/22ab92fce7b775d3073aa9c5965d098a.jpg)
伊豆森林管理所の専用林道の分岐点には、くさりが貼られ通行止めの表示が立っていた。
各々の地形を生かした段々状のワサビ田が次々に現れ、静岡県が日本一のワサビの生産地
であることが実感できる。
何度も続くヘヤピンカーブが終わり、傾斜も緩んでこれまで無かったカーブミラーのある
右カーブ点に着く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/f5/48f43b828d200e2cce46848fd0d3035c.jpg)
今日の最高点、標高627mの大鍋越である。南西への稜線に伸びる「高峰歩道」の標柱
が倒れていた。12時半近いので、ここで昼食とする。
20分ほどで食事を済ませ出発した。右カーブしたすぐ先の、南側では林道工事中。重機
など3、4台の機械が入り、斜面が削られ林は消えている。今どき、こんな工事は珍しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/b8/8c91f80ce62db894ec384e26e26debf6.jpg)
すぐ先に、県の大鍋雨量観測所の小さい建物があり、屋根上に無線のアンテナ塔が立つ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/2c/081c15d0e737b1f78de74a920c0c934c.jpg)
松崎町に下るこちらの斜面は、展望が開けて上ってきた河津町側より斜度も幾分きつい。
カーブミラーも多く舗装も異なり、町による道路管理の相違が分かる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/63/84c5e0f1f199fa90e49b203b70aa369b.jpg)
しばらくは右左にカーブが続き、高度はどんどん下がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/f8/c0564d56ecdf097ee26e1d98d9204e0c.jpg)
パイプで通行止めとなっているカンス林道への分岐を過ぎ、再びワサビ畑が増え、収穫し
たワサビを運ぶモノレールの設けられたところも多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/7f/e6c226e670464ae5ec66c4698b62b392.jpg)
白い花の咲き出したワサビ田もあり、春の近いことを感じる。杉木立の間を右に大きく回
り込み、ヘヤピン状に戻って池代川が近づき、橋を渡った。
県道は池代川の左岸沿いとなり、ワサビ田を眺めたりせせらぎの音を聞いたりしながら下
って行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/ac/87e3ef9fe1998e078d3b95cd0dbc4b98.jpg)
杉林の中に古びた二つの小屋のあるところで右岸へ。最奥の集落池代の民家が現れ、近く
の高台にあった智泉寺に上がって休憩する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/6e/56f6d9dd45ecc0aa5b0f7e79788b716d.jpg)
本堂前に広がる庭園には、六地蔵や古い石仏などが並び、ツツジなど植え込みも多く趣あ
る寺だ。
境内からは池代の家並みが望まれ、石段下には日に5本出る松崎行きの池代バス停がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/d7/d4980b76df978f0f0de783f83a60846a.jpg)
近くに、松崎の特徴的な景観のひとつ、なまこ壁の土蔵のある民家が現れ、今日初めての
店、成沢商店の前を通過する。
日吉神社のそばから北側の持草川沿いに入る車道入口に、シャクナゲで知られる長九郎山
登山道の案内図が立っていた。
近くの人の話では、通常は5月22日頃がシャクナゲの見頃だが、今年は寒いので遅れる
だろうという。この先、大沢からの登山路は閉鎖されていることも教えてくれた。
素泊まり民宿「ししの宿」や民宿池代荘の近くを通過、五軒屋バス停の先で家並みが途切
れる。県道は池白川の右岸に回り、大沢集落が近づく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/89/641136272772c438b1e544b9e398aaa1.jpg)
白梅が見頃になっているライダーハウス「BBBRoad」の少し先、北側の急斜面に白梅が咲
きミカンの実る、ちょっとした花畑のように見える一角があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/60/b06425a3502e4631892d5b1f882af991.jpg)
真下から斜面中腹まで上がって眺めると、その下の畑で草取りをしている奥さんが居られ
た。大沢集落の「民宿こんや」のおかみさん。今日の宿が三餘荘だと言うと、よい宿だとか
奥様はどこから来られたとか話し、畑の隅にあるミカンをもいでくれた。
大沢集落の入口となるカーブ点の川向こうに、「野天風呂」のちょうちん下がる建物があ
り、自噴の露天風呂に500円で入れるという。橋のたもとのバス停の名も「野天風呂」に
なっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/d0/6b7917959b3d60704fa2535e4814b5fd.jpg)
近くの流れの傍らに、「依田佐二平翁石像」と記された石造りの立像がある。この地出身
で第1回衆議院議員となった人で、今日の宿ゆかりの土屋三餘(さんよ)の門人らしい。
その先500mほど、那賀川となった流れの右岸に桜並木が続く。中ほどに大沢温泉ホテ
ルのりっぱな建物があり、いつのものか大きな水車も残っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/25/156887959a2ddf84ae2bfea815c82615.jpg)
民宿旅館こんやの看板の見えたあたりで県道は橋を渡るが、そのまま桜並木の遊歩道を少
し進み、朱塗りの橋を渡って道の駅「花の三聖苑」に入った。
地元産品の直売所や食堂のあるふつうの道の駅とは違う雰囲気。それもそのはず、郷土の
三聖人の業績を中心に、松崎の歴史、文化を紹介する複合施設とのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/87/7a74321fa6a4efefe05fcd625269b36e.jpg)
公園風なエリアには、明治初期の公立小学校「旧大沢学舎」↑、松崎の歴史などを紹介す
る「三聖会堂」↓、土産店や食事処のある和風の建物、日帰り温泉「かじかの湯」などが並
び、県道側入口には大きな花時計も設けられている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/50/c3c3bf004304c74d807a4f1cbd7ca0c5.jpg)
時間も経過しているので、個々の施設には入らずに通過する。県道に出て、中川小の近く
で通学用の吊り橋「しろかに橋」を渡る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/3a/e76a8be28cad443f24710cec0846e52f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/2e/94f11003445f0b17936a1813494c5903.jpg)
那賀川左岸に続く、枝張りのよいソメイヨシノの桜並木に沿って、遊歩道を2㎞近く進む。
樹下のナノハナがかなり咲いている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/97/659976d83f0c1d68529238211dc70aa3.jpg)
南郷集落が途切れるあたりで対岸の那賀(なか)集落が近づく。橋を渡り那賀集落に入り、
17時ちょうど、歴史を感じられる長屋門をくぐり、三餘荘ユースホステルに着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/31/60171a8d1888a7ecf563a9dfe72371a3.jpg)
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広い邸内の中心に池を巡らし、ツツジや老松を配したりっぱな日本庭園があり、ペアレン
トの土屋九彦さんは、この家の15代目当主で6月で90歳になられるとか。50年近く、
このユースを経営されていて、松崎の偉人、土屋三餘のお孫さんにあたるという。
奥様手作りの夕食をごちそうになり、土屋さんからご祖父三餘の業績などを説明していた
だいた後、奥の土蔵を活用した三餘塾資料館をご案内いただく。
耐火のため三重になっている扉を開けて土蔵に入ると、中もなまこ壁になっている。
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中には、土屋三餘ゆかりの古文書や書、写真、趣味の楽器、食器や酒器など、たくさんの
ものが展示されていて、三餘の偉大な業績の一端を垣間見ることが出来た。
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【コースタイム】天城温泉禅の湯YH8・38ー子守神社9・24~30ー標高191m付近(W
さん宅) 9・59~10・10ー大鍋川支流の橋10・20ー次の支流の橋11・00ー林道分岐点
11・18~28ー大鍋越 (昼食)12・26~45ーカンス林道分岐13・10ー343m点(橋)
13・52ー智泉寺14・30~47ーBBRoad15・37ー野天風呂BS15・55ー道の駅花の三聖苑
16・14~20ー三餘荘YH17・00
(天気 晴後曇、距離 24㎞、地図(1/2.5万) 湯ヶ野、仁科、歩行地 河津町、
下田市、松崎町、歩数 41,000、累積標高差 約2,270m)
ちなみに、土屋三餘の詳細については、松崎町のウェブサイトのこちらをご覧下さい。
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