2013年3月9日(土)
五月並みの暖かさとなったこの日、関東百駅巡礼歩行の第93番が開催された。
集合は東武伊勢崎線の堀切駅。この駅は上り改札口と下り改札口が別。下り改札口前に
集合して記念撮影後、11時ちょうどに出発する。
駅の東側は荒川右岸堤防、荒川をまたぐ首都高の新荒川橋が隅田川左岸に向かう道路下
に沿って少しで、隅田五丁目の狭い路地へ。
古い民家も幾つか残っていて、民家の庭先にあるサクランボの実るという桜が、このと
ころの暖かさで見頃になっていた。
南に抜けたところにカネボウ公園という小公園があり、「鐘淵紡績株式会社 発祥の地」
碑と、溶岩で積み上げた上に震災記念観世音像が祭られていた。
碑文によると、この地は古くから沈鐘の伝説があり、江戸時代は徳川家専用の野菜畑だ
ったこと、明治20(1888)年に鐘紡の前身、東京綿商社が建設され、製品は欧米各
国に輸出されたこと、関東大震災で社員50余人が殉職したことなどが記されていた。
鐘紡の工場跡だったグランドの横から細い路地を入り、隅田川七福神の毘沙門天を祭る
多門寺に行く。本尊の毘沙門天は、弘法大師の作と伝えられるとのこと。
かやぶき屋根の山門は、江戸中期の享和3(1803)年までには再建されたもので、墨
田区最古の建造物だという。
広い境内にはよく手入れされた松など庭木が多く、白梅の古木が見ごろ。
山門を入ったところには、太平洋戦争中の1945年4月13日の空襲で焼かれた木と、
3月10日の大空襲で被災した浅草国際劇場の鉄骨↓が展示されていた。
境内にはほかに、江戸時代前期製作の六地蔵や、近年に造られた円筒形の永代供養塔、
常楽塔や映画人の碑などもあった。
寺に隣接した香取神社の横から、隅田五丁目を南に進む。通りには商店やそば屋など、
昭和年代を思わせる建物が残っている。
東武伊勢崎線の鐘ヶ淵駅に向かう通りに面した円徳寺に寄る。
境内に、阿弥陀像や三猿を刻み、寛文12(1671)年11月銘で、墨田区内でも
大きなものという、りっぱな庚申塔が立っていた。
隅田二郵便局前を抜けて墨堤通りへ出た。通りの西側には、防災用に造られた13階
建ての建物が続いている。
その間を抜けて都立東白髭(ひがししらひげ)公園に入り、ナノハナの咲く畑近くの
木陰で昼食をする。
食事を終えて公園の南端に向かう。正面に東京スカイツリーが望まれるが、春霞かそ
れとも黄砂の到来なのか霞んでいる。
公園のジンチョウゲがこのところの暖かさで開花し、芳香を漂わせていた。
公園を出て白髭橋東詰交差点から都道306号・明治通りを少し進み、国指定名勝・
史跡になっている向島百花園に入園する。
江戸の町人文化が花開いた文化、文政期(1804~30)に、花の咲く草花鑑賞を
中心とした花園として開園されたもの。
園内の中心付近には紅梅、白梅が多く、ちょうど見ごろとなり、たくさんの観光客も
見える。
ほかに、サンシュユ、ボケ、キブシなども花開き、ヒカンザクラではメジロが蜜を吸
っていた。下草のスイセンも見頃である。
百花園の南側から東へ、東武伊勢崎線の東向島駅横を通過する。高架の駅下は東武博
物館になっていて、建物外には東武日光軌道線の市街電車などが展示されていた。
国道6号・水戸街道や曳舟川通り、高架工事中の京成押上線を横断し、京成線の東側
に平行する通りを北へ、八広五丁目から六丁目を抜けて荒川右岸に出た。
広々とした河川敷や、荒川の流れに浮かぶ遊覧船、上流側の京成押上線の鉄橋などを
眺めながら木根川(きねがわ)橋↑を渡る。
荒川左岸に平行して綾瀬川が流れているが渡らず、荒川右岸堤内(堤防の流れ側)に
設けら非常災害用道路を上流に向かう。川向こうには、逆行で霞む東京スカイツリーが
望まれる。
水戸街道の四つ木橋下を過ぎると河川敷に野球場があり、少年野球の練習場になって
いた。
木根川橋から1.5㎞余り進んで、中川の逆流防止と綾瀬川の排水のための堀切菖蒲
水門際を渡り、綾瀬川左岸を下って堀切菖蒲園に入る。
この地に花菖蒲が伝来したのは、一説には室町時代初めといわれ、江戸末期から明治
には五つの菖蒲園が開園して「江戸百景」に数えられ、鈴木春信や安藤広重などの浮世
絵にも描かれ、全盛期は明治中期から大正末頃だったという。
堀切菖蒲園は、ただ一つ残った当時の堀切園の一部を都が入手して昭和35(1960)
年に都立公園として開園し、その後葛飾区に移管されたとのこと。
菖蒲田には花菖蒲約200種、6千株があるようだが、今はご覧の通りで入園料も無
料。ほかに開花した紅梅や古木のフジなどがあるが、季節外れで閑散としていた。
堀切二丁目の曲がりくねった道路を北に進み、十二支の干支(えと)の石像の並ぶと
ころを通過し、15時5分に京成本線の堀切菖蒲園駅にゴールした。
(参加 12人、天気 快晴、距離 9㎞、地図(1/2.5万) 東京首部、歩行地
足立区、墨田区、葛飾区、歩数 16,200)
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五月並みの暖かさとなったこの日、関東百駅巡礼歩行の第93番が開催された。
集合は東武伊勢崎線の堀切駅。この駅は上り改札口と下り改札口が別。下り改札口前に
集合して記念撮影後、11時ちょうどに出発する。
駅の東側は荒川右岸堤防、荒川をまたぐ首都高の新荒川橋が隅田川左岸に向かう道路下
に沿って少しで、隅田五丁目の狭い路地へ。
古い民家も幾つか残っていて、民家の庭先にあるサクランボの実るという桜が、このと
ころの暖かさで見頃になっていた。
南に抜けたところにカネボウ公園という小公園があり、「鐘淵紡績株式会社 発祥の地」
碑と、溶岩で積み上げた上に震災記念観世音像が祭られていた。
碑文によると、この地は古くから沈鐘の伝説があり、江戸時代は徳川家専用の野菜畑だ
ったこと、明治20(1888)年に鐘紡の前身、東京綿商社が建設され、製品は欧米各
国に輸出されたこと、関東大震災で社員50余人が殉職したことなどが記されていた。
鐘紡の工場跡だったグランドの横から細い路地を入り、隅田川七福神の毘沙門天を祭る
多門寺に行く。本尊の毘沙門天は、弘法大師の作と伝えられるとのこと。
かやぶき屋根の山門は、江戸中期の享和3(1803)年までには再建されたもので、墨
田区最古の建造物だという。
広い境内にはよく手入れされた松など庭木が多く、白梅の古木が見ごろ。
山門を入ったところには、太平洋戦争中の1945年4月13日の空襲で焼かれた木と、
3月10日の大空襲で被災した浅草国際劇場の鉄骨↓が展示されていた。
境内にはほかに、江戸時代前期製作の六地蔵や、近年に造られた円筒形の永代供養塔、
常楽塔や映画人の碑などもあった。
寺に隣接した香取神社の横から、隅田五丁目を南に進む。通りには商店やそば屋など、
昭和年代を思わせる建物が残っている。
東武伊勢崎線の鐘ヶ淵駅に向かう通りに面した円徳寺に寄る。
境内に、阿弥陀像や三猿を刻み、寛文12(1671)年11月銘で、墨田区内でも
大きなものという、りっぱな庚申塔が立っていた。
隅田二郵便局前を抜けて墨堤通りへ出た。通りの西側には、防災用に造られた13階
建ての建物が続いている。
その間を抜けて都立東白髭(ひがししらひげ)公園に入り、ナノハナの咲く畑近くの
木陰で昼食をする。
食事を終えて公園の南端に向かう。正面に東京スカイツリーが望まれるが、春霞かそ
れとも黄砂の到来なのか霞んでいる。
公園のジンチョウゲがこのところの暖かさで開花し、芳香を漂わせていた。
公園を出て白髭橋東詰交差点から都道306号・明治通りを少し進み、国指定名勝・
史跡になっている向島百花園に入園する。
江戸の町人文化が花開いた文化、文政期(1804~30)に、花の咲く草花鑑賞を
中心とした花園として開園されたもの。
園内の中心付近には紅梅、白梅が多く、ちょうど見ごろとなり、たくさんの観光客も
見える。
ほかに、サンシュユ、ボケ、キブシなども花開き、ヒカンザクラではメジロが蜜を吸
っていた。下草のスイセンも見頃である。
百花園の南側から東へ、東武伊勢崎線の東向島駅横を通過する。高架の駅下は東武博
物館になっていて、建物外には東武日光軌道線の市街電車などが展示されていた。
国道6号・水戸街道や曳舟川通り、高架工事中の京成押上線を横断し、京成線の東側
に平行する通りを北へ、八広五丁目から六丁目を抜けて荒川右岸に出た。
広々とした河川敷や、荒川の流れに浮かぶ遊覧船、上流側の京成押上線の鉄橋などを
眺めながら木根川(きねがわ)橋↑を渡る。
荒川左岸に平行して綾瀬川が流れているが渡らず、荒川右岸堤内(堤防の流れ側)に
設けら非常災害用道路を上流に向かう。川向こうには、逆行で霞む東京スカイツリーが
望まれる。
水戸街道の四つ木橋下を過ぎると河川敷に野球場があり、少年野球の練習場になって
いた。
木根川橋から1.5㎞余り進んで、中川の逆流防止と綾瀬川の排水のための堀切菖蒲
水門際を渡り、綾瀬川左岸を下って堀切菖蒲園に入る。
この地に花菖蒲が伝来したのは、一説には室町時代初めといわれ、江戸末期から明治
には五つの菖蒲園が開園して「江戸百景」に数えられ、鈴木春信や安藤広重などの浮世
絵にも描かれ、全盛期は明治中期から大正末頃だったという。
堀切菖蒲園は、ただ一つ残った当時の堀切園の一部を都が入手して昭和35(1960)
年に都立公園として開園し、その後葛飾区に移管されたとのこと。
菖蒲田には花菖蒲約200種、6千株があるようだが、今はご覧の通りで入園料も無
料。ほかに開花した紅梅や古木のフジなどがあるが、季節外れで閑散としていた。
堀切二丁目の曲がりくねった道路を北に進み、十二支の干支(えと)の石像の並ぶと
ころを通過し、15時5分に京成本線の堀切菖蒲園駅にゴールした。
(参加 12人、天気 快晴、距離 9㎞、地図(1/2.5万) 東京首部、歩行地
足立区、墨田区、葛飾区、歩数 16,200)
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