昨年の暮れから今年正月にかけて、コロナ感染症の第三波に襲われ、まさに感染爆発を思わせる状態に至った。さもなければ、最も賑やかに且つ楽しく送るはずの時期に、市民生活は瀕死の状態に置かれることになった。
幸いに、1月7日発効、向こう一ケ月間の「第二次緊急事態宣言」発出の英断により、コロナ感染の拡大は顕著に抑えられてきた。「宣言」延長は余儀なくされたが、所によっては宣言解除の声が聞こえてきている。今少しの辛抱である。
ただ、今回の結果を見て、この程度の強さの“ブレーキ”が、第三波の立ち上がりの頃(去年11月半ば頃)に発出されていたなら、一ケ月後の12月半ばには……。当時、第三波の始まりでは?との声はかなりあったが、「第三波ではない」という主張が通ったのであった。
その折に、英断が下されていたなら、暮れから今年正月にかけて、市民生活や各業界の活動には、より高い自由度が確保されていたのではなかったろうか。失したタイミングは悔やまれることである。
うン? そうだ、仮定の話にはコメントを差し控えましょう。
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<原文および読み下し文> [下平声一先韻]
辛丑孟春第二次告緊
辛丑(シンチュウ)の孟春(モウシュン) 第二次告緊(コクキン)
生民菜館共惨然, 生民 菜館(サイカン)共に惨然(サンゼン)たり,
君子小集夕化仙。 君子 小集して 夕(ユウベ)に仙と化す。
世上施事無忖度, 世上の施事(セシ)忖度(ソンタク)無し,
即把冠状可左遷。 即(スナワ)ち冠状(コロナ)を左遷すべし。
註]
孟春:初春。
告緊:緊急事態宣言、特に不要不急の外出自粛・外食産業の午後8時以後の
営業自粛等々。
生民:ひとびと。 小集:数人の集まり、小宴会。
化仙:俗界を離れて、不老不死で、飛翔できるなど神通力をもつと言われる
仙人になること。 施事:何かの動作を行う人や事物。
冠状:コロナウィルス。
左遷:低い地位におとすこと。ここでは、強力なブレーキでコロナ感染拡大を
抑えることを意味する。
<現代語訳>
令和3年初春 第二次緊急事態宣言
一般市民や飲食業界は共に苦境にあり、痛ましい限りだ、
君子は数人集まって、夜ともなれば(繁華街で)宴を開き、仙人気取りである。
(コロナばかりか君子とて)世の中の物・人には忖度など期待できないのだ、
直ちに身の周りからコロナを追っ払ってくれ。
<簡体字および読み下し文>
辛丑孟春第二次告紧
Xīn chǒu mèng chūn dì èr cì gào jǐn
生民菜馆共惨然,Shēng mín càiguǎn gòng cǎnrán,
君子小集夕化仙。jūnzǐ xiǎo jí xī huà xiān.
世上施事无忖度,Shìshàng shī shì wú cǔndù,
即把冠状可左迁。jí bǎ guānzhuàng kě zuǒqiān.
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過去の経験は、失敗・成功に関わらず、振り返り、活かしていけるよう謙虚な対応を採られるよう、指導的立場の人々にお願いする次第である。特に非生物に近い生物に対しては、念い・念力では打ち克てないことを肝に銘じて頂きたい。
ブレーキ/アクセルの踏み具合の強さ・時期等々、特に今回の“宣言“で得られた効果を念頭に、小出し方策で結果的に長引く苦境に喘ぐのではなく、科学的思考を基盤とした、メリハリの利いた対応を期待する次第である。
“With Corona”下での社会生活の断面を 昨春の「コロナ禍の春日」(閑話休題-157)から始めて、季節または年中行事などの節目に、漢詩で綴ってきました。今回5回目となります。一日も早く明るい内容になるよう願いつゝも、なおコロナ克服の道は半ばである。
幸いに、1月7日発効、向こう一ケ月間の「第二次緊急事態宣言」発出の英断により、コロナ感染の拡大は顕著に抑えられてきた。「宣言」延長は余儀なくされたが、所によっては宣言解除の声が聞こえてきている。今少しの辛抱である。
ただ、今回の結果を見て、この程度の強さの“ブレーキ”が、第三波の立ち上がりの頃(去年11月半ば頃)に発出されていたなら、一ケ月後の12月半ばには……。当時、第三波の始まりでは?との声はかなりあったが、「第三波ではない」という主張が通ったのであった。
その折に、英断が下されていたなら、暮れから今年正月にかけて、市民生活や各業界の活動には、より高い自由度が確保されていたのではなかったろうか。失したタイミングは悔やまれることである。
うン? そうだ、仮定の話にはコメントを差し控えましょう。
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<原文および読み下し文> [下平声一先韻]
辛丑孟春第二次告緊
辛丑(シンチュウ)の孟春(モウシュン) 第二次告緊(コクキン)
生民菜館共惨然, 生民 菜館(サイカン)共に惨然(サンゼン)たり,
君子小集夕化仙。 君子 小集して 夕(ユウベ)に仙と化す。
世上施事無忖度, 世上の施事(セシ)忖度(ソンタク)無し,
即把冠状可左遷。 即(スナワ)ち冠状(コロナ)を左遷すべし。
註]
孟春:初春。
告緊:緊急事態宣言、特に不要不急の外出自粛・外食産業の午後8時以後の
営業自粛等々。
生民:ひとびと。 小集:数人の集まり、小宴会。
化仙:俗界を離れて、不老不死で、飛翔できるなど神通力をもつと言われる
仙人になること。 施事:何かの動作を行う人や事物。
冠状:コロナウィルス。
左遷:低い地位におとすこと。ここでは、強力なブレーキでコロナ感染拡大を
抑えることを意味する。
<現代語訳>
令和3年初春 第二次緊急事態宣言
一般市民や飲食業界は共に苦境にあり、痛ましい限りだ、
君子は数人集まって、夜ともなれば(繁華街で)宴を開き、仙人気取りである。
(コロナばかりか君子とて)世の中の物・人には忖度など期待できないのだ、
直ちに身の周りからコロナを追っ払ってくれ。
<簡体字および読み下し文>
辛丑孟春第二次告紧
Xīn chǒu mèng chūn dì èr cì gào jǐn
生民菜馆共惨然,Shēng mín càiguǎn gòng cǎnrán,
君子小集夕化仙。jūnzǐ xiǎo jí xī huà xiān.
世上施事无忖度,Shìshàng shī shì wú cǔndù,
即把冠状可左迁。jí bǎ guānzhuàng kě zuǒqiān.
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過去の経験は、失敗・成功に関わらず、振り返り、活かしていけるよう謙虚な対応を採られるよう、指導的立場の人々にお願いする次第である。特に非生物に近い生物に対しては、念い・念力では打ち克てないことを肝に銘じて頂きたい。
ブレーキ/アクセルの踏み具合の強さ・時期等々、特に今回の“宣言“で得られた効果を念頭に、小出し方策で結果的に長引く苦境に喘ぐのではなく、科学的思考を基盤とした、メリハリの利いた対応を期待する次第である。
“With Corona”下での社会生活の断面を 昨春の「コロナ禍の春日」(閑話休題-157)から始めて、季節または年中行事などの節目に、漢詩で綴ってきました。今回5回目となります。一日も早く明るい内容になるよう願いつゝも、なおコロナ克服の道は半ばである。