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ビジネス書の妄想 (なぜビジネス書は間違うのか(フィル・ローゼンツワイグ))

2008-10-11 18:11:24 | 本と雑誌

 書店の経営関係のコーナーにいくと、経営者・コンサルタント・大学教授等が執筆した多くのビジネス書が平積みされています。
 そのほとんどは、「どうすれば成功するか」をテーマにしその秘訣を説いています。

 本書もその中のひとつです。
 が、内容は、成功の秘訣をさぐるために企業や経営者の調査・研究をしたものではありません。
 多くのビジネス書で論じられている根拠・方法について、疑問の一石を投じています。

 
(p63より引用) それぞれの時代背景に照らして読めば、どの記事も不思議なところはない。すじの通った説明がなされている。だが、数年の経過をたどりながら読んでみると、はたして書き手はストーリーを正しく理解していたのかと疑問を抱かざるをえない。・・・こうした記事を並べてみると、・・・事実で過去を埋めて歴史を書き、記録を並べかえて単純なわかりやすいストーリーに仕上げているのである。現状とつじつまが合うように過去を解釈した典型的な例だ。

 
 著者が最も主張しているのは、「ハロー効果」による妄想です。

 
(p91より引用) ハロー効果とは、認知的不協和[訳注:個人にあたえられた情報に矛盾があるとき生じる不快感]を解消するために、一貫したイメージをつくり上げて維持しようとする心理的傾向なのである。・・・私たちは財務実績の数字を当然のように信じる。だからそれをもとに、もっと曖昧で客観的にとらえにくい事柄を評価してしまうのも不思議はない。

 
 成功している企業のマネジメントの秘訣を探っても、それは「ハロー効果」による歪んだ姿をすくい上げているにすぎないと言うのです。
 成功している企業の経営者は、業績が優れているという「結果」により実体以上に優れて見える、同じ経営者であっても業績が悪化すると、(たとえマネジメントスタイルが変わらなくても)評価は一変します。その場合経営者は、「企業をとりまく環境が変化しているにもかかわらずマネジメントスタイルを変えなかった」と結果論的に非難されるのです。

 
(p108より引用) ビジネスについて考えるとき、じつは数々の妄想が私たちの邪魔をしている。その一番目がハロー効果だ。経営者も記者も大学教授もコンサルタントも含めて、私たちが企業パフォーマンスを決定する要因だと思っている多くの事柄は、業績を知ってそこに理由を帰した特徴にすぎないのである。

 
 著者が妄想2としてあげているのが「相関関係と因果関係の混同」です。

 
(p123より引用) 相関関係は因果関係の仮説を立てるには使えるだろうが、科学的な証明はできない。

 
 たとえば、企業業績と従業員満足度。
 相関関係は存在していても、どちらが原因でどちらが結果なのでしょうか。
 著者が紹介しているメリーランド大学の研究結果では、「企業業績が従業員満足度に与えた影響の方が大」とのことでした。
 
 

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価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-05-15

 
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