OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

疑問の答え (なぜビジネス書は間違うのか(フィル・ローゼンツワイグ))

2008-10-13 13:23:01 | 本と雑誌

 著者は、「エクセレント・カンパニー」「ビジョナリー・カンパニー」などの過去のベストセラーとなった有名なビジネス書の主張を具体的に示して、それらの論証に疑義を唱えています。
 論拠となったデータがハロー効果のために歪んでいたというのです。

 成功した経営者に対するインタビューは、ビジネス書には付き物です。が、こういったインタビューの答えはハロー効果だらけになると著者は指摘しています。

 
(p187より引用) この種の質問事項、つまり過去にあったことを説明させる質問から有効なデータが得られることはめったにない。自分のことをふり返るときには、業績が先入観になるのが普通だからである。

 
 著者は多くのビジネス書にみられる共通の陥穽を、次のように指摘しています。

 
(p214より引用) つぎつぎと出版されるビジネス書には、その核心に共通の虚構があるのが見えてくる。すなわち、企業は偉大になることを自由に選択できる、わずかなステップで意図したとおりに偉大になれる、成功は外的要因に影響されることなくもっぱら自分の意のままに引き寄せることができる、ということだ。

 
 世の中でもてはやされているビジネス書は、多くの経営者に対して成功への具体的要諦を示しています。
 それに対し、著者はこう断言しています。

 
(p244より引用) どうすれば成功するのかという疑問の答えは簡単だ。これさえすれば成功するというものなどない、少なくとも、どんなときにも効果があることなどない、というのが答えなのである。・・・企業の成功は相対的なものであること、競争で優位に立つには、慎重に計算したうえでリスクを負わなくてはならないことを理解するべきだ。

 
 著者が、優れた経営者として紹介しているロバート・ルービンのことばです。
 かれは、ゴールドマン・サックスに26年間勤務し、クリントン政権の財務長官でもありました。

 
(p246より引用) 「成功とは、手に入れられるあらゆる情報を勘案して何通りもの結果が生じる可能性とそれぞれの損得を割りだそうとすることで得られる。・・・」

 
 彼はこういう姿勢を「蓋然的意思決定」と呼んでいます。

 
(p249より引用) 単純にあとでふり返って判断がよかったとかまずかったと批評するのではなく、行動をその価値にもとづいては判断するのである。・・・こうした冷静な評価をすることで、ゴールドマン・サックスはこの一件から教訓を得、つぎの成果につなげられる。

 
 もうひとつ、著者が優れた企業だと紹介しているコンピュータ周辺機器メーカのロジテック(日本社名:ロジクール)の経営方針です。

 
(p262より引用) 「『壊れていないならいじるな』症候群にならないように気をつけています。つねに経営方針を変え、組織を変え、システムを変えている。成功した企業は変化に対する抵抗感が非常に強くなるものなので、あえて変化を促さなくてはならないのです

 
 このあたりは、先に紹介したトヨタの経営スタイルにも通じるところがあります。

 
 

なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想 なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-05-15
 
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い
 
TREview
 

TREviewブログランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする