設計の初期に建て主に確認しているものの一つに現在の収納の量がある。それから新居に持ち込む予定の家具や家電の大きさや重量(購入予定の物があればそれらも)。方法は建て主から事前に寸法や個数を計ったものを出してもらう場合とこちらが計測に伺う場合と有る。昨日の打合せでは前者だったのでかなり助かった。その分打合せに時間が割けるので効率がいい。
○収納等は新築なのだから新しく場所を用意すればよいこと?
○新しく買いそろえるのだから現在の様子なんて把握する必要はないのでは?
いえいえ、人間生活のスタイルがそうそう変わるという人は居ないと思っている。
(大学院時代の研究、住まい方調査やヒアリング等を通じて劇的に変わるものではないということを理解している)
住まいを新築またはリフォームしたいということは、劇的に変えるということではなくて、今の住まいの不満を解消すると同時に今の住まい方を継承するということでもあるのだ。収納、持ち物、生活の仕方などの細やかなことを確認すると共に生活者の大事にしている事柄を浮かび上がらせるきっかけとして重要なのである。そこから、住み手の個性が見えてくるし、何を不満としているのか、どこを改善してあげればもっと暮らしやすくなるのか、雑談も交えながら話すことが潜在的な課題を把握する手法なのである。
そしてこれらの細かな、収納を待つ置き場を探しているモノたちはCADの図面上にパーツとして入力され、新しい住まいでの位置が明記されて行く。そうすることで、住み始めてからの混乱を避けることが出来、暮らしの満足度アップへ貢献すると実感している。