せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

木材の美しさと強さの関係

2011年11月09日 | a02監理_神奈川県S保育園新築工事

製材(集成材ではなく樹木そのままの材料)を使うと言うのは、とても難しいもの。

理由は、建築材料の唯一の生ものだから、と思っている。

工業製品では出るところの強度が、1本、1本の木で出たり出なかったり、ばらつきが大きい。

ばらつきが合っても、互いが支え合うような組み方が出来ればそれはそれでうまく行くのかもしれない。しかし、その計算方法はない。

根拠がないものは、設計が出来ないし、責任も持てない時代。

何をどこまでこだわり、どこまで信じるのか。

そのさじ加減が、理論であり、感覚であり。

今日は、その辺りを見極めに静岡まで出かける。

見た印象、何となく木目が荒れている、節が多い、木肌が優しくない、、、など、
それらは、やはり強度検査結果に反映する。だから目視等級といった材の格付けがあるのだろうなと、様々な製材を見て来て思う。

人は見た目が9割!?とは、一時流行った本のタイトルだが、木材もその美しさは強度に繋がると、密かに思っている。

製材の、その美しさは、過酷な風土にさらされてもなお、凛として生きてきた証であり、自分を見失わないで耐えてきた証しだと思う。

何十年、何百年、立ち続け、そして命をつないで行く。

これから現場に入ってくる予定の材いっぽんいっぽんがそれは愛しく思えてくる。

それらの材を見て感謝の気持ちと、

そして私も、生き抜いて来た樹木のように、どんなに困難でも、ものづくりという場所に立ち続けよう!と決意など抱かせてもらう。

今日は素敵なショートトリップでした。

(写真は後日UPします)