先日、建築士会の仲間からお誘い頂いて、防蟻剤(シロアリ対策)の勉強会に参加する。
防蟻剤・・・木造を考えるとき
いや、木材を使う全ての建物において何を使うか、これはとても課題が大きい。
以前M社から、良いものを扱うようになったので、ぜひ検討して欲しいと連絡をいただきながら、その時は、ちょっとお腹一杯になっていたので、カタログだけ送ってもらった。
ずっと気になりつつ、いたところ、その防蟻剤の大元のメーカーの話しとあり、これはタイムリーなお誘いと出かける。
(こういう波には乗らないとですよ!)
やはり、得た情報は大きかった。
1)まず、業界情報。
国の基準と、健康被害の矛盾。ここの理由がやっと分かった。
当事務所の「ものづくりの心得の2」にあるのだが、「常に問題意識を持ち考える」(疑ってみる、物事の本質を捉える)ことが出来たと思う。
2)対策はないと言われていた「アメリカカンザイシロアリ」への防御策
この被害が恐ろしい程に広がっている現状を聞く。
木造だけではない、家具、内装、下地、全てにおいて同じこと。
3)ユーザーへの開示
建築に関わるプロのあるべき姿、
木のことを考えるとき、防蟻対策について、ユーザーへきちんと情報開示し、選択出来るようにして行くべき。
せっかくなので、勉強会で得たユーザーへの情報提供を。
●2012年3月1日より
「ホウ酸」(目薬などに使われている天然鉱物)も長期優良住宅の基準に使えるようになったこと。これは良かった。
(国への働きかけが実に14年と聞いて、粘りは大事と共感する)
●農薬系に頼っている我が国の基準だが、米国では合成殺虫剤は禁止されている。
●イエシロアリ(世界最強と言われている)の分布が温暖化に伴い北上している。
もちろん、何をどこまで使うか、費用対効果は見極めていかないとならない。
ホウ酸と言えども、仕組みは「シロアリの代謝をストップさせる」こと。表しの木には使わない方が良いですね。
*最後に、
話して下さった方が、シロアリも益虫(セルロースを分解してくれるのは、他に居ない)という視点で語られたのが良かった。
何といったら言いでしょうか。
排除ではなく、自然界の流れの中で考えていく。
そういう発想がこれからの社会でより求められると思うからです。
実務で多いに活かしていきたいですね。
開催してくれた仲間と、講師の方に感謝して。
ありがとう。