せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

お彼岸にご縁の深さを思う。

2016年03月19日 | 季節感のある暮らし

↑最近の朝焼け。まさに「春は曙」を満喫。

春分を挟んだ前後三日間、合計7日間を彼岸と呼ぶそうだ。
(暮らし歳時記より)

暦では、3月17日お彼岸の日に、ご縁のある方が亡くなった。

その日は、ご先祖の地、生まれ故郷からの来客があり、

ご先祖への想いも抱きながら、過ごした1日であったのだが、

次の日、朝早くからの連絡で、そのことを知り、

ますます、縁というものを感慨深く思ったのである。

亡くなった方は、現在の私が特に親しくしていたわけではない。

それでも、建築の道に進むきっかけを作ってくださった方であり、

その行動力、
矍鑠としたお姿、
地域への貢献度など、尊敬している方でもあった。

その方が、この世に生を受けて、

建築に関わる仕事をされていなかったら、

この地域にいらっしゃらなかったら、

私はものづくりの現場には出ていなかったかもしれないのである。

『家は買うものではなく、つくるもの。』

中学生の時、そう、目の前で住まいの現場を見て感じ取ったこと、

将来の道を決める高校生の時に
建築学科への進学を決めたのは、その原風景があったからだ。

その方のお孫さんご家族と、今は親しくさせていただいている。

縁は巡ってくるのだなぁ。
と、しみじみ思う。

仏教では、欲や迷いがある現世を「此岸」
煩悩を脱した悟りの境地を「彼岸」というそうだ。

彼岸に行かれたのだなぁ。
この日が巡る度に、きっとその方を思い出すことになるだろう。

いろいろな縁が巡り、自分というものがつくられていること。
自分の中にある核は、誰かの影響を受けて出来上がっていること。

そういったことを、一つ一つ思い出しながら、
感謝の念とともに、お焼香をあげさせてもらう。

先週、今週と、自分でも驚くほど予期せぬ出来事が続き、

学校や地域の年度末の役員引継ぎや、
総会などの合間をぬぐいながら、対応しつつも、

仕事やプロジェクトも、押せ押せとなり、
この3連休は、最低限の外出で引きこもりで業務である、笑。

それでも、こうして、気持ちの整理ができてほっとする。

古き良きご縁と、新しいご縁とが交差する春を、
じっくりと味わうことができていることに感謝して。