この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『世界侵略:ロサンゼルス決戦』、SF映画としては落第点だけれど…。

2011-09-19 23:49:29 | 新作映画
 ジョナサン・リーベスマン監督、アーロン・エッカート主演、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』、9/19、TOHOシネマズトリアス久山にて鑑賞。2011年28本目。


 旅行から帰ってきた次の日、へとへとに疲れ切っていたにもかかわらず映画を観に行きました。しかも二本も。
 完全なオフにして、一日休養に当てようかとも思わないでもなかったのですが、前売り券を購入していたこともあって、疲れた体に鞭を打って遠くTOHOシネマズトリアス久山まで行ってきました。

 なぜ近場のワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野やTジョイ久留米ではなく、車で一時間近くかかるTOHOシネマズトリアス久山に行ったのかというと、前売り券を購入していた『世界侵略:ロサンゼルス決戦』と『アジョシ』の両作品を上映していたのがここしかなかったのです(九州ではどちらかというと『アジョシ』を上映しているところが少ない)。

 体調が万全な状態だったら、この二作品に加え、『探偵はBarにいる』も観たかったんですが、さすがにそれは無理でした。っていうか起きれなかった。笑。


 さて、前置きはそれぐらいにして。

 『スカイライン 侵略』のレビュー記事でも述べましたが、数多あるSFの中でも異星人の侵略ものほど荒唐無稽なジャンルはないと思っています。
 一番近い惑星である火星にすら未だ有人飛行が為し得ない人類が、遠く外宇宙から侵略目的でやってきた異星人に勝てるわけがない。
 どれぐらい勝てるわけがないかというと、大相撲の横綱にガチンコ勝負では小学生力士が決して勝てないのと同じぐらい、もしくは将棋を覚えたての初心者が平手では決して名人には勝てないのと同じぐらい、もしくは免許取りたてのペーパードライバーがF1レーサーにF1レースでは決して勝てないのと同じぐらい、もしくは(略)決して勝てないのと同じぐらい勝てるはずがない。

 しかしながら二時間近く付き合わせておいて、最後の最後に人類は宇宙人に滅ぼされてしまいましたとか、人類は宇宙人の奴隷になっちゃいましたとかいうオチではカタルシスも何もあったもんじゃない。
 なので、異星人の侵略ものは、最後に人類が勝利するか、もしくは何かしら希望が残る結末でなければいけないのです。

 とはいえ、そこは絶対的に勝てるはずがない相手ですから、人類が勝利するのも並大抵のことじゃありません。それこそ荒唐無稽といってよいでしょう。
 荒唐無稽なお話に説得力を持たせる、それが作り手の工夫であり、演出の妙なのだと自分は思います。

 『スカイライン 侵略』のラストは「え?」と思わせるようなものでした。
 あまりに唐突で、伏線もないので、自分は正直好きではないのですが、それでも作り手はこういうものを作りたかったのか、と納得できるものではありました。

 一方『世界侵略:ロサンゼルス決戦』はというと、これがビックリ。
 努力と気合と根性で人類が異星人に(局地戦とはいえ)勝っちゃうんです。
 それはつまり、小学生力士が一生懸命相撲を取ったから、横綱にガチンコ勝負で勝っちゃった、みたいなもんですよ。もしくは(略)。
 ないよね。絶対にありえない。荒唐無稽にもほどがある。工夫がなさすぎます。

 などと、厳しい評価になっちゃいますが、これはあくまで作品をSFとして観たからで(SFですけどね)、視点を変えて戦争映画として観れば、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』、それなりによく出来ているといえるのかもしれません。
 ひたすらドンパチが好き、って人は観に行っても損はないと思います。


 お気に入り度は★★、お薦め度は★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (2)
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