この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『猿の惑星:創世記』、感動で涙が止まらない!!涙でスクリーンが見えない!!

2011-10-09 16:18:53 | 新作映画
 ジェームズ・フランコ主演、ルパート・ワイアット監督、『猿の惑星:創世記』、10/8、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2011年33本目。


 感動で涙が止まらない!!涙でスクリーンが見えない!!
 という映画ではありませんでした。笑。

 それにしてもどうして配給会社はこういった内容にそぐわない宣伝をしたんでしょうかねぇ。
 事情が分からない方に説明しておくと、配給会社がチラシで本作をまるで難病ものかのごとき宣伝文を書いてるんです。
 それに対して映画ファンから非難轟々。
 マイナー作品があえて内容にそぐわないタイトルをつけることで注目を浴びるという宣伝方法を取るのはまぁわからないでもないんです。
 代表的なのは主人公がバスに乗るシーンがあるというだけで当時話題だった『電車男』に引っ掛けて『バス男』という邦題をつけられた『ナポレオン・ダイナマイト』かな。
 あれは苦肉の策なのかな、と思えないこともないけど、本作はそうじゃないですからね。
 チラシを見て、本作を感動作だと思って観に行った人たちは今後チラシを一切信じなくなるんじゃないかなぁ。
 ともかく、おかげで予期せぬことにお袋も連れて行く羽目になりましたよ。笑。

 感動はしなかったけど、感心はしました。
 まず、そのスピーディな展開に。
 だいたいどんな映画であれ、このシーン、本当に必要か?とか、もっとテンポよく話が進まないものなのか?とか思うものなんですけど(最近観た映画では『ワイルド・スピード MEGA MAX』。スピードを競う男たちの映画なのに、展開が全然スピーディじゃなかった。)、本作は本当によどみなくお話が進んでいくんですよねぇ。だからといって緩急がない、っていうわけではなく。
 これは感心しましたね。観ていて気持ちがいいです。

 そして作り手に、それまでの『猿の惑星』シリーズに対するリスペクトが強く感じられて、それがまたよかったです(といってもほとんどうろ覚えですけどね。見てない奴もたぶんあります。ちなみにティム・バートン版は見てない。)。
 続編の製作を任された監督が、前作に対して敬意を抱いていない、というケースはままあるので。
 代表的な例を挙げると『ターミネーター3』ですね。
 前作に対して敬意を抱いていない監督が続編を作ると、大して必然性も意味もなく前作の設定をあっさり無視するので、見ていてイライラします。

 その点本作は、それまでのシリーズに精通していない自分でも、あぁ、これがシリーズ第一作に繋がるのだな、と思えるシーンが随所にあって、そういったシーンを見つけると思わずニンマリしてしまいました。
 『猿の惑星』シリーズのディープなファンであれば、より楽しめたことでしょう。

 涙が止まらない感動作ではありませんが、老若男女に自信を持って薦められる一級の娯楽作だと思います。

 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。 


 追記:本作の(人間側の)主役を演じたジェームズ・フランコは、この前DVDで見た『デート&ナイト』(『ナイト&デイ』に非ず)で本当にしょーもない役を演じていて、だからこそ役者としての幅の広さを感じさせました。
コメント (2)
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