この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

映画『ガタカ』、最終考察リターンズ、その1。

2018-07-29 23:01:59 | 旧作映画
 映画『ガタカ』について語るのはこれで何度目になるでしょうか?3度目か、4度目になると思います。
 出来ればこれで最後にしたいです。笑。

 自分は『ガタカ』を最初に見たときから、ジェロームが自ら命を絶ったのは、ヴィンセントが2度と地球に生きて戻らないことを確信していたからだ、と思っていました。
 そのことを疑ったことすらありませんでした。

 またネットなどで、多くの人がなぜジェロームが命を絶ったのかわからないと言っているのを目にし、なぜこんな明白なことがわからないのだろうと不思議に思っていました。
 
 そしてあらためてヴィンセントが2度と地球に戻らないという自分の考え、それをブログに書こうとして、その時初めて自分の考えは本当に正しいだろうか、と疑問を持つに至りました。
 
 こんなことは初めてでした。
 一度完全に理解していると思った作品に対して疑問を持つなんて。
 相当自信が揺らぎました。
 自分の考えは完全に間違っているんじゃないかって思いもしました。

 そこでもう一度一から『ガタカ』に向き合い、考察し直してみることにしました。
 今から述べることは自分の、映画『ガタカ』の本当の最終考察文です。
 誰に何を言われたとしてもこの考えが揺らぐことはない(と思いたい)です。
 では始めます。

 まず、なぜジェロームはヴィンセントが宇宙に旅立ったその日、自ら命を絶ったのか?その疑問に対する答えですが、それは(繰り返しになりますが)ヴィンセントが2度と地球に生きて戻らないことを確信していたからです。
 
 ジェロームはヴィンセントを献身的にサポートしていました。ヴィンセントがジェロームのふりをするために協力を惜しみませんでした。
 もしジェロームがヴィンセントは再び生きて地球に戻ってくる、その可能性が1%でもある、そう信じていたのであれば、彼は決して自ら命を絶つことなどなかったでしょう。

 そう主張すると多くの人がこう言うのではないでしょうか。
 何を言っている、ジェロームは旅立ちの日の朝、ヴィンセントに彼が地球に戻ってからも一生困らないだけの検査サンプルを残していることを見せたではないか、あれが何よりジェロームがヴィンセントの生還を信じている証拠ではないか、と。

 そう反論したい気持ちはよくわかります。
 しかし違うんですよ。
 ジェロームがヴィンセントに一生分の検査サンプルを見せたのには別の理由があるのです。


                                          続く。
コメント (3)
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