きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

満を持して・・・第31回全国車椅子マラソン参戦記・レース展開

2020-01-14 20:14:45 | 大会回顧録
で、そのレース展開。

兎に角必死だったので、頭でどうこう考える余裕がなかった。スタートは緊張気味にひたすら待つ、そのスタートはレーサー集団の後。一般用での参加は9台。スタート直後は良かったが、程なくして同じカテゴリーの一般用の方々にぐんぐん離される。特に下り坂でもなかったが、それでも最初の1キロは6分切る。スタート直後にしてはまあまあ。その上、やや下り坂だったのか、その次にいきなり4分台になり、「スイッチ」が入る。
ただ、それでも他車には離され続ける。

データはガーミンのもの。ほぼフラットなコースで、道路の真ん中をとりあえず漕ぎ続ける。風があったら、ここまでの記録が出たかどうかは怪しいそれぐらいコースコンディションはベストに近いと思われる。ここは丹波篠山マラソンか何かの公認コースで、一般道を漕ぐことができるのがとても貴重だと感じていたが、そんな呑気な感じではない。ペースはびっくりするぐらい(目を疑うぐらい)のスピード。
なのに、どんどん離される。

汗がヘルメットの先からぽとぽと落ちる。ぬぐう余裕は全くない。顔の汗が目に入る(因みに、左側しか汗が出ない本当)。

でも気持ちは不思議と切れなかった。スタート直後のハイペースで、本来の目標だった13キロの関門はもう突破するつもりになった。ということは、と切り替えて、兎に角18キロの関門を突破する、ということにした。ここを突破すれば完漕できる。ただ、今は5分半でもこの先は不透明。それに今でもギリギリ。
沿道の方々、こんなに遅いランナーにまで声援を下さる。有り難い。
また、15キロ付近で途中でランナーのじいさん(おっちゃんというよりそんな感じの方)に並走してもらう。だいたい5分半をキープし続ける。ガーミンでラップが刻めていたので、これはアイテムに助けられた。
この後の18キロ突破のための難関の坂は、車で下見をしていたときから覚悟はしていたが、ここも最小限の落ち込みでクリア。そして、ここで前の車を車を捉えた。
遠いとか長いとか、前日の下見で何となく感じていた怠さは、全く感じなかった。兎に角必死で腕を動かした。100メートルの短距離を210回繰り返した感じ。しかも休みなく。こんな漕ぎ方はラン時代も含めてなかったと思う。ペース配分とかそういう言葉はなく、小学生のマラソンみたいに、初めから全力で飛ばした。

3分ぐらい残して、最終関門を抜ける。途端に心拍数が落ちたらしい。それでもペースを維持しつつゴール。

結局9台出漕で7台完漕。表彰台は6台(一般用は通常の部とシニアの部の2つで表彰がある)。完漕した7台のうち、シニア4位の儂
だけ表彰台を逃すことに(これは後で知った)。儂が最後に捉えて抜いたのは一般の部の通常の方なのでその方は3位。シニアの方が選手層が厚いということになるが、マラソンでも似たようなことがある。

でもそれよりも、予期せぬ完漕で、本当に興奮した。

ゴール後、コーラのうまかったこと。
来年は完漕できるかどうかは分からん。風が強かったりすればまず無理だと思う。それぐらいギリギリの高いハードルを越えることができたので、表彰台云々は別として、凄く満足した「初マラソン」だった。