菊地信子さんといえば、
ものすごい更紗コレクション、
集めるだけではなく、
それをきものや帯に仕立て、
身にまとっている方として知られています。
この人のきもの姿を始めて見たのは、
「アジア・アフリカの古布」(別冊太陽)
というムック本でした。
まだきものに興味のない頃で
「すごいきものを着ている人がいるなあ」
と思ったものでした。
大正14年(1926年)生まれ.
「別冊太陽」は2000年刊ですから、
このとき74歳!
鎌倉にお住まい。
きものを着て外出すると
「歩く美術館」と言われていたとか。
伝統的なきものとは違い、
インドネシアのトラジャの絞り、
インドのターバンを帯に仕立てたもの
とあっては、
多くの人が驚くのも無理はありません。
きものに興味を持つようになって、
雑誌クロワッサンで再会(?)
「大人の飾り襟」
で、この方のコレクションを集めた
写真集を見つけました。
「着物で遊ぶー菊地信子さんの場合」
(青幻舎・伊藤佐智子企画)という本です。
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着物で遊ぶ―菊地信子さんの場合 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2005-02 |
ここに紹介されたコレクションがまた圧巻。
たとえば下の写真は同じトラジャですが、
上の写真のものとは、裾辺りの模様が違います。
上の写真はグレー・黄色・オレンジの三色の絞り。
下のものは五色ともっと凝ったものです。
ターバンで作ったという帯。
これは「太陽」掲載の作品です。
どんな小さな生地もとっておき、
それを古い生地に切りばめしたり、
半襟・帯揚げに使ったりするそうです。
半襟使いはこちら、
お手本にできそうです。
写真集には菊地さんのお写真が一枚だけ。
写真集は2005年ですからこのとき79歳。
渋い結城紬のアンサンブルに、
色は羽織紐の珊瑚色とわずかに見せた帯揚げ、
お好きな更紗は半襟だけというストイックさ。
普通の人なら野暮になるところなのに、
オーラと同時に可愛さ!も感じます。
「桜の樹の下には~~」ではないけれど、
このシンプルさの奥には、
何百枚という更紗がひしめいているんですね。
長年一つのことを追及してきた方は、
やはり違います。
前に紹介したクロワッサンのきものもそうですが、
最終的には日本のきものに戻られたのでしょか。
その上で半襟や帯揚げ、飾り襟など、
わずかに見せるおしゃれを
楽しまれるようになったのかしらん。
これもまた行き着いた人が
見せるおしゃれなのかもしれません。
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