ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

貧しさの質「夜が明ける」西加奈子と「深夜特急」沢木と「もの食う人びと」

2022-09-19 11:22:50 | きものの本&本
本日、
日の光強い、家の中にいても眩しい。
と思ったらいきなりの豪雨。

昨日は雷は鳴るわ、豪雨で
すごい一日だった。
気圧低いと体調崩していたのが、
今はそれはなくなったのは幸い~~。

西加奈子の「夜が明ける」(新潮社)を
読みました。

「貧困格差」がテーマ、
というけど、
これは読むのも辛かった。
少し前に読み終わっていたのですが、
アップする気力もなく~~。



普通ならアップするために、
再度ページを開くのですが、
それさえ辛い。
すごい貧困のなかに育ち、
一方は奨学金をもらい進学、
テレビの下請け会社に勤め、
それでも
「いつかは撮りたいものを撮る」との
志を持ってーー、
食べるものも食べずに働く~~。

この描写が凄まじい、と思える。
特にロクに食事もせず、
コンビニ弁当が腐っていく箇所や
繁華街の朝の
もうあまりにリアル?な描写に
本を置いてしまいました。

もう一人は、
学校にも行かず、これは
映画「ジョーカー」を思わせる。

希望がない~~、
一人はラストに
撮りたいものを撮るとの兆し、
もう一人は死の前に穏やかな
一時期を過ごせる、けど。

同じころに
別に買ってあった、
沢木耕太郎「深夜特急」や
辺見庸「もの食う人々」



「深夜特急」はもう50年くらい前の作品、
著者が24.5歳の頃に、
思い立って
鉄道とバスでパリまで横断したときの記録。

若い頃に読んだ記憶があるけど、
やはり、当時の東南アジアの
凄まじい貧しさに圧倒された。

今、再読すると、
著者の視線、彼らと同じ位置に立っての
視線に圧倒される。
生半可な同情もなく、
たとえば、幼い子どもの物乞いにも、
「一度渡すと限りなくついてくる」と
無視、それでいて、
自分の気持ちと相手の観察を忘れない。
私なら10円くらいあげればいいのにと
思ってしまうけど、
これはまた別の問題なのね。

この人、若い頃からすごい。

いきなりですが、


朝の自家製ヨーグルト、
豆乳ヨーグルトに牛乳で作ると
こんな風にすごい粘りが出て、美味しい。

こんな朝ごはんを摂れるシアワセ。

もう一冊の
「ものを食う人びと」(角川)
こちらも1994年刊だから、
30年も前。
こちらも再読。

共同通信の記者で芥川賞作家の著者が
「飽食の日本に嫌気がさし、
我が胃袋をイジメたくなった」と
世界の食を食べて回る。

もちろん、それはグルメなんかではなく、
バングラデッシュ、インド、ベトナム、
ウガンダ~~など。
こちらも凄まじいけど、
「記者」としての視点が
読み手にも距離感をもたせて
まだ救いがある、

「深夜特急」も「もの食う人びと」も
古さを感じない、
それは世界中に、
未だにこんな人々が
いるせい、ですね。

「夜が明ける」は、
日本のリアルを描いている
のだけど、それがゆえに
読むのが辛い~~。
距離感がつかめない、
ただオロオロする。




でも、
三冊を続けて読んで、
三食、きちんとご飯を食べられるとは
それだけで恵まれているとつくづく
感じました。

貧しさだけではなく、
忙しさのあまり、
お金がどんなにあっても、
きちんとご飯を食べない、
食べられないことも、人もいる。

かつての私もそんな時期があった。
その結果、身体を壊し。

お金のあるなしに関係なく、
つつましい食事だろうが、
日々ちゃんとしたご飯を食べる、
食べられる、
それが「豊か」ということだと、
つくづく思い至りました。

最後まで
ありがとうございました。
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