最近読んだ本を
覚え書きとしてアップしておきます。
図書館の新刊コーナーにあったので
持って帰ったのは、
小野不由美「ゴーストハント」
角川文庫
「魔性の子」など安定した筆致が
苦手なホラーでも安心して読めます。
ある高校で起きる怪奇現象。
ロッカーから血が流れてきたり、
放送室から不気味な声が聞こえたり~~。
それをゴーストハントの面々が
解決していく。
ワタクシの本命は、
「犯罪」「刑罰」
創元社
フェルナンド・フォン・シーラッハ)
「罪悪」という作品で、
その簡潔な文章と感情を挟まない
ハードさに惹かれて以来、ファンに。
元弁護士、
祖父はナチス青少年最高指導者だそう。
それを経歴に載せるあたり、
人の心の闇に
興味を持ったんだろうな想像する。
正義が正義のままに通らない不条理。
怖い~~。
たとえば、
集団で暴行しながら
罪に問われない男たち
人身売買の首謀者を
弁護するすることになった弁護士。
気分転換に、
残ってる抹茶でクッキーを作りました。
バターは使わず植物オイルであっさり。
食しながら本を読むシアワセ。
捏ねるだけ。
夫を憎むようになった妻が
ベランダの手すりに足を乗せた夫を
何気に押したり。
ダッチ人形(ダッチワイフ)を
凌辱された男が、
その男に暴力を揮う~、
しかし、それは正当防衛になるのか?
正義と悪が分かれているというより、
誰しもが持つ
最初は小さな悪意や嫌悪が
犯罪を引き起こしたり、
人を狂気に追いやっていったりする。
人のなかに潜む悪や狂気を
淡々と感情を挟まず述べていく。
ワタシはホラー映画は怖くて
見ていられないのですが、
活字は、自分のペースで怖さを
加減できる上、恐怖の質が違う。
「ゴーストハント」小野不由美。
これも学校の規則を憎む生徒たちの
一種の空気が
ゴーストを呼び起こすというもの。
最近は「空気」というものが
人を追いやったりする作品が多い。
「かがみの孤城」とか。
ワタシが興味を持っているのかも。
こういうことって
結構あるような気がする。
戦争を望む戦前の日本とか
ヒットラー台頭前のドイツとか、
多くの人の願望が時代を支配していく、
それは正義とは限らず~、
正義よりも経済~。
むしろ、
トランプなんかもそうでしょうか。
シーラッハは平穏な日常が
どんなに壊れやすいモノかを
言葉を変え、物語を変え
淡々と語っていきます。
本を置いたあとには、
これまで、そして今、
いろいろあったとはいえ、
生きていられることが
奇跡に思えます。
クッキーも美味しいし~~。
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