限界集落とかポツンと一軒家とかこの頃よく聞く。
先日里山の中腹まで登る途中で、幾つもの廃屋を見た。
家も無くなってしまい、かつての庭の面影だけを残す場所もあった。
(灯籠?)
巨大な石が幾つかあって、小振りの灯籠が乗せられている空間があった。
(門の跡?)
暫く歩くと巨石の石垣と、門だったらしい跡が残されていた。
出入り口付近の雑草がないので、誰かの管理下にあることが窺えた。
(金木犀)
誰も居ない無人の旧居に、金木犀だけが異様に強く香っていた。
(麓の集落を見下ろすバラ)
立派なピンクのバラが1本、麓の集落や遠くの町や田んぼを見下ろしていた。
こんな山の中腹にバラが自生するわけもないので、残されてしまったバラなのだろう。
以前、相方と二人で隣の里山「飯田山」に登ったことがある。
少し帰りが遅くなって、中腹にある集落の道を下る頃は夕闇が迫っていた。
すると眼下に、道路の照明や走る車のライトそれに遠くの町灯りが一杯に広がった。
その夜景にしばし見とれたことを思い出した。
「住む場所を景色だけで決めるならここもいいね」と話したことも・・。
幸いその場所は、若い人も多く暮していて新しい家も目立っていた。
同じように下界を見下ろすこの山のバラの場所は、廃墟ばかり。
風景は同じように見えるのに・・・。
「置き去りにしてきた過去がこんにちは」・・・しろ猫