三月九日(水)晴れ。
三、四年前から急に花粉症となり、この時期はかなり辛い。こんなに国民に花粉症が多いのに、何とかならないものだろうか。
我が家にいる金魚の「キン子」が危篤だ。キン子は上の子供が幼稚園の年長さんの時に、我が家に連れてきた。本当は、もう一匹「カン子」がいたのだが、こちらは三年ぐらいで死んでしまった。キン子は、丸十年我が家にいる。元気なときは、私の顔を見ると、スーット上がってきて、口をパクパクさせ餌を催促したものだった。キン子が弱ったのは、この二ヶ月ぐらいの事。お腹を上にして、動かなかったり、まったく餌を催促しなくなったりで、元気がなかった。
この二三日は、体が「くの字」になり、ただ浮いているだけになった。水槽をトントンと叩くと、少しは泳ぐのだが、また「くの字」になって浮いてしまう。それでも飼い主の(といっても世話をするのはほとんど私だが)上の子が、水槽を叩くと、嘘のように元気に泳いだ。昨日の事だ。
それが、精一杯のお別れだったのか、今朝(十日)は全く動かなくなった。水槽から出して、冷凍庫に入れて、両親のお墓の横に埋めに行こうと思っている。
子供達が小さい頃。旅行に行った時など、二人の子供と一緒に寝て、留守番をしている金魚の話をしてあげた。「キン子とカン子の大冒険」と言って、留守の間の大雨の日に、二匹の金魚がチョット外に出たくなって、雨の川を泳ぎ、近くの川へ遊びに行く。まあ「泳げたいやきくん」を少しパクった話である。なまずや鯉に驚きながら、そのうちに迷子になって、家に戻れなくなり、大きな魚に食べられてしまう、という他愛もない話なのだが、きまって、子供達が「キン子とカン子がかわいそう」と大泣きする。
それが面白いのだが、愚妻から、「また子供達を泣かせて」と怒られた。自宅に戻ると、子供達が真っ先に水槽を確かめに行くのもおかしかった。
本来、私は生き物を飼うのが好きではない。何か、命をもて遊んでいるような気がするからだ。金魚も、キン子が死んだら、もう飼わないと子供達に言ってある。しかし、子供達が大きくなって、一緒に寝るどころか、私の話も聞かなくなった。以前は、一階で一人で寝ている(我が家には二階にトイレがないので)私と、どちらが寝るかでケンカした娘達も、思春期を迎へ、一緒にネンネしようなどと言ようものなら、バーカと言われてしまう。さみしいものだ。
生き物を飼うのは嫌いだったが、このまま自宅で孤立するようだったら、猫でも飼ってみようかとも思っている。もちろん家族は大反対だが、このまま孤独死するのは嫌だ。
脈絡のない話ですみません。今日は自宅で鍋にしたにも関わらず、飲まなかった。