白雲去来

蜷川正大の日々是口実

「シソ梅ソース」と「秋刀魚の歌」を知っていますか。

2012-09-11 13:19:04 | インポート

九月十日(月)晴れ。

 午前中は、歯医者へ。一時間ほどで終了し、みなとみらいのランドマークタワーの中にある書店へ行くが、探していた本がなく、またさりとて読みたい本もなかったので帰宅した。

 自宅に戻ると、古い同志で大阪在住のO氏より、珍しい(横浜では)「ヒシ梅ソース」というものが二本届いていた。先日のブログで私が「ソース党」ということを書いた物を読んで、わざわざ送って頂いた。申し訳ないし、恐縮する。そのことをフェイスブックに写真をつけてアップしたら、名古屋には「つけてみそかけてみそ」というコテコテの名前のソースがあり、名古屋ではポピュラーであると、友人のSHINGOさんが教えてくれた。

 ワインのソムリエではないが、ソースソムリエもいても良いかなと思う。各地のソースをまとめた本でもあったなら買ってみたいと思っている。

 

Dscf4918※大阪に本社がある「ヒシ梅ソース」のウースターととんかつソース。見たことありますか。近いうちに、とんかつかメンチカツでも作って、このソースで食べてみるつもり。Oさん有難うございます。

 暑いので、自宅でパソコンに向かっていると、何と、何と、お世話になっている北海道の先輩から、旬のさんまが届いた。今年はサンマが高くて、いつも横目でにらんで通り過ぎるのが常となっていたが、心置きなく食べることができる。ちょうど昼時だったので、早速塩焼きと刺身にして食べた。このように様々な方たちからご支援をして頂いている。その人たちのご厚意に何をどう報いて良いか分からないが、しっかりと我が道を歩むのみである。

「さんま」と言えば、すぐに頭に浮かぶのが佐藤春夫の「秋刀魚の歌」である。

 秋刀魚の歌 
 あはれ
 秋風よ
 情(こころ)あらば伝えてよ
 男ありて
 今日の夕餉に ひとり
 さんまを食ひて
 思いにふける と。

 さんま、さんま、
 そが上に青き蜜柑の酸をしたたらせて
 さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
 そのならひをあやしみなつかしみて女は
 いくたびか青き蜜柑をもぎ来て夕餉にむかひけむ。
 あはれ、人に捨てられんとする人妻と
 妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
 愛うすき父を持ちし女の児は
 小さき箸をあやつりなやみつつ
 父ならぬ男にさんまの腸をくれむと言ふにあらずや。

  あはれ
 秋風よ
 汝(なれ)こそは見つらめ
 世のつねならぬかの団欒(まどい)を。
 いかに
 秋風よ
 いとせめて
 証(あかし)せよ かの一ときの団欒ゆめに非ずと。

  あはれ
 秋風よ
 情(こころ)あらば伝えてよ、
 夫を失はざりし妻と
 父を失はざりし幼児とに伝えてよ
 ー 男ありて
 今日の夕餉に ひとり
 さんまを食ひて、
 涙をながす、と。

  さんま、さんま、
 さんま苦いか塩っぱいか。
 そが上に熱き涙をしたたらせて
 さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
 あはれ
 げにそは問はまほしくをかし

佐藤春夫が、谷崎潤一郎の妻に恋してままならぬ気持ちをこの詩に託したと言われているがホロッとする詩である。

夜は、恒例の「蜷川政経懇」を中学の同級生の経営する野毛の小料理屋「弥平」で開催した。美味しい三浦の魚の刺身と、今日頂いた「さんま」を五匹持って行って刺身にしてもらい、皆にふるまった。その後は、友人らと関内に転戦して帰宅。

 

 


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