白雲去来

蜷川正大の日々是口実

孤独の「特のりタル弁当」。

2016-04-06 17:05:03 | 日記
四月五日(火)雨。

花の雨 けむる祖国のさみしさよ とは野村先生の『銀河蒼茫』の春の句である。目が覚めたのは、十時に近かった。汗水流して働いている労働者階級の皆さんに、スマン、スマン、オスマントルコと心で詫びて、朝食を作るのが面倒なので、ほっともっとの「特のりタル弁当」四五〇円で済ませた。

外は、花散らしの雨が降っている事に加えて、いい歳をした男が一人、朝からホカ弁をボソボソ食べている姿というものは、哀れさと虚しさにサンドイッチされたような感じである。そこで思い出したのが、幕末の志士、平野国臣が生野(兵庫)の挙兵に敗れて捕縛された時の作と言われている「菰(こも)着てもむしろに寝ても大丈夫(ますらお)の大和魂なにけがるべき」の歌。

そうだ、そうだ朝からホカ弁を食べたからと言って「大丈夫の大和魂なにけがるべき」。頑張って事務所に行き仕事をしよう。歩いて行こうと思ったが、花の雨が降っているので、と自分に言い訳をして車で行き、夕方までテープ起こしに精を出した。

そう言えば、アメリカのケリー国務長官やオバマ大統領までが広島を訪問すると言う話が持ち上がっているらしい。嫌だなぁー。原爆の慰霊碑に行くのだろうが、そこには、自虐的な「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」との慰霊碑がある。ご丁寧にも、英語の訳に加えて、広島市は、フランス語、ドイツ語、ロシア語、イタリア語、中国語(簡体字)、ハングルを追加)での新たな説明板を設置した。それを読んだ、ケリー国務長官やオバマは、「ほら見ろ。やっぱりアメリカは悪くない。日本人自らが『過ちは繰返しませぬから』といっているじゃないか」。「戦争を早く終わらせるために原爆を投下したというアメリカの行為は正しかった」と思うのに違いあるまい。大統領が、その碑文を読むことによって、アメリカにお墨付きを与えるようなものだ。嫌だなぁー。

家の鍵を閉め忘れて強盗に入られ、金銭どころか家にいた家族まで殺された人の遺族が、いくら鍵を閉め忘れたとはいえ、お墓の前に「過ちは繰返しませぬから」などという慰霊碑を建てるのだろうか。亡くなられた人たちが可哀そうと思うのは、私だけだろうか。

夜は、魚屋で良い鰹を見つけたので、我が酔狂亭で独酌。

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花は半開を診(み)、酒は微酔(びすい)に飲む。

2016-04-06 16:05:33 | 日記
四月四日(月)花曇り。

他に先駆けて開いた花は、散るのもまた早いのが道理。だから桜を見るのも、満開の時よりも五分咲きの頃が良い。酒を飲むならば、ほろ酔い加減ぐらいが丁度良い。花は半開を診、酒は微酔に飲む。とか。

そう言えば、何年も花見の宴と言うものを行っていない。その理由は、場所取りが面倒なのと、段取りが大変なことに加えて、予定していた日の天気の予想が付きにくいからである。夏のBBQならば、あまり天気の心配をすることもないし、場所も「桜の木の下」という限定もない。まあ最近は、もっぱら私の車一台分の駐車場での、ガレージBBQばかりである。段取りも片付けも、何と言ってもトイレの心配がいらない。

そんな話を友人にした所、では桜の下ではないが、「姥桜を相手の花見をしましょう」ということになった。某所、某店で遠来の友人を交えての観桜会。同席したのは、姥桜どころか、宛轉(えんてん)たる蛾眉(がび)の君が、 眸をめぐらせて微笑めば百の媚態が生まれ、銀座の美女の化粧顔も色あせて見えるほど。とはチト大げさですな。

久しぶりに、狭斜の巷で春の宵を堪能しました。

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