白雲去来

蜷川正大の日々是口実

鰻の名店「八十八」にて昼食。

2016-11-10 10:26:16 | 日記
十一月九日(水)曇り後晴れ。

いやー起きるのが辛かった。なぜか、当然飲み過ぎだから。九時過ぎに、のんびりと風呂に入って酒を抜いた。朝っぱらから風呂などに入っていると、本当に世間様に申し訳ないと思う。風呂から出て、シャキッとしてから、身支度を整えて、出かけた。

昼に、お世話になっている人達と、昼食を頂くことになっている。場所は、伊勢佐木町近くの吉田橋商店街にある鰻の名店「八十八」である。このお店は、以前は、馬車道の裏にあった老舗だったが、一度閉店してしまい、最近再オープンした。旧店舗の方は、かつて横浜に住んでいた山本周五郎などが愛した店として有名で、私も何度か行ったことがあった。

また、山口瞳は『酔いどれ紀行』(新潮社)の中で、横浜に連泊し六日連続で八十八に通ったと書き、周五郎が好んだ「月の間」に座り「一種粛然たる思いに打たれ」ながら酒を飲むのである。『行きつけの店』(新潮文庫)でも紹介。親しみやすい題名とはやや趣が異なり、銀座「はち巻岡田」、金沢「つる幸」など全国の一流店がズラリ載っている本である。ここで山口瞳は「鰻は苦手」と告白しつつもうな丼を「貪り食うという感じになった」「鰻丼の方で美味という優しさを力一杯に提供しようとしているような感じを受けた」と書きつづっている。先輩作家との思い出がさらに味を深くしている様子が読者にも伝わってくる。(電子整理部 松本治人)より。

横浜には、もう一軒、うなぎの名店がある。それは関内駅前の「わかな」である。「八十八」とはJRの線路を挟んで丁度真向かいになる。私は、どちらかというと「八十八」の方が好きだ。両店も、注文が入ってから蒸し、焼くので、うな重が出てくるまで四十分かかるので、飲まない人は手持無沙汰になるかもしれない。

食後は、事務所にて仕事。夕方帰宅。アメリカの大統領選挙にてトランプが勝利。ニュースでは、「衝撃が走った」「世界が驚愕した」と解説していた。日本の外務省も、マスコミも、皆、クリントンで楽勝と思っていただけに、ほとんどトランプとのパイプの無い日本は、今後彼に翻弄されるかもしれない。しかし、彼が選挙中に言っていた、対日関係が本当ならば、対米自立する良いチャンスではないかと思っている。

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季節を味わう。

2016-11-10 09:52:33 | 日記
十一月八日(火)曇り。

二年ほど前だが、お世話になっている方にご招待され、十二月の二日から二泊三日の予定で、大分県の臼杵(うすき)という所に「ふぐ」を食べに行き、翌日は、博多で「クエ」のフルコースを食べると言う、豪華な旅に連れて行って貰ったことがある。九州と言うから暖かいかと思ったら、厚手のトレーナーの上にパーカーを羽織っていても寒さで身が縮んだ。折角連れて行って貰うのだから。、事前に、この町について少しは調べておけば良いものを、ふぐとクエのことしか頭になく、ただ浮かれていた。

古風な造りの酒屋の前にあったこの町の案内パンフを見たら何と、長谷川三千子先生の祖母である小説家で文化勲章を受賞している「野上弥生子文学記念館」があった。残念ながら到着が遅く、すでに閉館とのこと。後悔しても遅かった。また、この臼杵は、「荒城の月」(「こうじょうのつき」を変換したら「工場の付き」となって、一人で大笑いした)で有名な岡城のある竹田と共にカボスの産地であるそうだ。(そんなことも知らなかった)スダチは徳島の特産で、共に秋の味覚である。カボスはダイダイの一種で、スダチよりも大きく、ゆずよりも香りが高い。今年も、カボスとスダチをご近所さんからおすそ分けして頂いた。スダチやカボスを見ると、サンマや松茸が食べたくなる。そして麦焼酎の香りづけにもしたくなる。文字通り季節を味わう。

夜は、名前だけ立派な「蜷川政経懇」を弘明寺商店街にある炉端焼き「花笠」にて開催。仲良しさん八人が集合して、トランプでババ抜きか、いや栗きんとんか、などとアホ話に花が咲き、その後、紅灯の巷に転戦し、傾城と傾国に酔う。久しぶりに大破・轟沈。

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冬立つや背中合せの宮と寺

2016-11-09 18:21:31 | 日記
十一月七日(月)晴れ。立冬。

今日は、立冬、冬の始まりである。子規の句、「冬立つや背中合せの宮と寺」はあまりにも有名。この時期の季語には、立冬・冬立つ・冬に入る・冬来る・今朝の冬などがある。日本語は美しいなぁー。

ちなみに、今年の一の酉は十一日。この一の酉が、立冬の前に来た年は、三の酉まである。三の酉まである年は「火事が多い」などと言われたものだ。子供の頃は、酉の市に行く時は、オーバーにマフラーと完全防備だったものだ。今では、温暖化のせいなのか、そんなに寒くなくなった。衣替えも済んで、木枯よ、いつでも来いと、迎撃体制は整っている。

旧家などでは、この立冬を境に食器も変えたと言う。夏の食器は、外に開いている物を使い、熱さが外に逃げるような物。反対に冬の食器は、内側に向いていて、湯気が立つような物にしたとか。我が家がもう少し広くて、大きな食器棚があったなら、夏と冬用の食器を揃えたのに。決して高価な物を揃えるのではなく、旅先で買い求めた器が、かなりある。料理も、器によって見栄えが良くなり、食欲をそそる。

「そごう」の「デパ地下」に、カツオを探しに行った。あった、あった。ちょっと高かったが、買って、電光石火で帰った。風呂に入ってから、ネギを沢山刻んで、生姜、ニンニクを添えて食べる。左手には、「黒霧島」のほぼロック。ふふふと頬が緩む。そうか、大根も買った、子規ではないが、「風呂吹にすべく大根の大いなる」か。

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幕末では鶏は人気がなかった。

2016-11-09 17:09:38 | 日記
十一月六日(日)晴れ。

寒くなると、鍋を囲む機会が多くなるが、私は、様々な具材の入った「寄せ鍋」があまり好きではない。我が家の鍋は、肉は、鶏肉とつみれだけ。後は豆腐に油揚げくらいしか入れない。野菜は、白菜ではなくキャベツが主流。豚肉の鍋をする時も一緒で、肉以外には、豆腐と油揚げにキャベツ。簡単な方が食べやすいから好きなのである。

現在読んでいるのが『下級武士の食日記-幕末単身赴任』(青木直己著・筑摩文庫)と言う本。これが結構面白い。紀州和歌山藩から江戸屋敷に単身赴任してきた下級武士の日記を元にして、当時の人たちがどんな食生活をしていたかを、書いたものだ。現代の、食材が満ち溢れた食生活とは、比べ物にならないが、幕末の人たちの食事の好みや工夫が分かって、勉強になる。

例えば、現在の日本人のポピュラーな食材となっている鶏だが、幕末ではあまり人気がなかったそうだ。本によれば、「日本で最初に印刷された料理書『料理物語』(一六四三年刊)では、十八種の鳥の名をあげており、鶴、白鳥、雁(がん)、鴨、雉子(キジ)、山鳥、鸞(ばん)、けり、鷺(さぎ)、五位鷺(ごいさぎ)、鶉(うずら)、雲雀(ひばり)、鳩、鴫(しぎ)、水鶏(くいな)、桃花鳥(つぐみ)、雀(すずめ)、鶏(にわとり)の順番でした。現在、もっとも一般的な鳥料理の素材である鶏が最下位の十八番目です。日本では古くから鶏を食用とする習慣があまりなかったのですが、徐々に広まって江戸時代の料理害にも登場するようになりました。それでも鶏の肉が嫌いな人も多かったとあり、食べ物に対する人々の好き嫌いは江戸時代も今も変わりありません」とある。また江戸時代一番格式の高い鶴は特に珍重され、大名をはじめとする人達の正式な食事の際に出されたそうだ。

今日は、あっさりと湯豆腐にでもするかな。

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三河の隣の遠江国。

2016-11-07 18:23:06 | 日記
十一月五日(土)晴れ。

朝から大忙しだった。遅れている機関誌の編集を行ったり、忘年会の案内状を作ったり、群青忌の写真の整理をしたり、とてんてこ舞い。これに加えて、ビルトインコンロのセールスの人が来て、説明を聞いた。また約束していた、「町の電気屋さん」に来てもらい、テレビや照明の相談に乗って頂いた。とりあえず、用事が一段落したのが、四時過ぎ。

慌てて着替えて、出かけた。今日は、カメ&アコちゃんたちとの食事会がある。場所は、カメちゃんのお勧めの「玄品ふぐ」の野毛店。今秋二度目の「ふぐ」である。場所は違うが、やはり初回も「玄品ふぐ」であった。

いやー寒くなると鍋、それも「ふぐ」はいいねぇー。しかし値段が高いのが、行くのを躊躇させる。ふぐ屋に行けば、先付として出てくるのが、「ふぐの皮」の「湯引き」。これを「とおとうみ」という。なぜか、それは「身皮の裏」、すなわち三河の裏の遠江国(とおとうみ)とシャレていうのである。関西の人は分からないかもしれない。ふぐは別名「てっぽう」とか「てっさ」とかいう。ふぐも鉄砲も当たったら必ず死ぬことから来ているそうだ。まあそんなことはどうでも良く、「ヒレ酒」を飲んで綺麗に盛られた「フグの刺し身」を食べる。至福の時である。カメちゃんにすっかりご馳走になって、申し訳なし。その後、サリーの店に転戦。あらら仲良しさんばかりで大盛り上がり。良い一日だった。

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