(つづき)
地下鉄七隈線の延伸区間、天神南~博多間に建設中の新駅の名称が「櫛田神社前」に決定しました。
ちなみに、七隈線の「博多」も一応“仮称”という扱いでしたが、こちらは「博多西」とかにはならず、そのまま「博多」に。
過去の記事で、
“天神南と博多の間の新駅、どんな名前になるでしょうか。
「キャナルシティ」は特定施設の宣伝になってしまうからダメ?
キャナルの所在地は「住吉一丁目」だが、この付近が「住吉」という感じはあまりしない、
交差点の名前の「祇園町西」はかなり中途半端な感じ、
「櫛田神社前」は博多っぽすぎる?
「南新地」は教育的観点から難しい?
…などと考えていくと「渕上前」が個人的には一番しっくりきます(笑)”
と書いていましたが、「渕上前」にはならず(笑)。
位置的には「キャナルシティ博多前」なのだが、やはり公共性という観点からは厳しかったのでしょうか。
西鉄バスの福岡都心部の100円運賃は7月から150円に値上げとなっている。
天神~博多間の地下鉄運賃210円よりはまだ安いが、優位性がかなり低下する感は否めず。
天神と博多の間に立地する「キャナルシティ博多」とともに、西鉄の「100円バス」も、福岡市中心部の回遊性向上に大きな役割を果たしたことは間違いないと思う。
「櫛田神社前」駅が開業したら、「100円循環バス」の生き残りである「キャナルシティラインバス」の存続も危うそうであり、天神~キャナル~博多駅間を運行する他の路線にも大きな影響が出そうである。
今からちょうど22年前、福岡市都心部に100円運賃エリアが設定された際のニュースリリースを再掲します。
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平成11年5月24日
福岡都心部で試行的に乗合バス運賃100円エリア設定
西日本鉄道(株)では、平成11年7月1日(木)から、西鉄福岡駅とJR博多駅の間の福博都心エリア内の乗合バス運賃を試行的に100円にいたします。
福岡都心部は相次ぐ大型商業施設等の開業と高速道路をはじめとする高速交通ネットワークの整備等により、来街者数は年々増加し、平成9年の買い物レジャー目的の来街者数は1日平均で約18万人、さらに各集客施設を回遊するお客様は1日のべ約35万人にものぼっています(福岡大学経済学部斉藤研究室・(株)西鉄エージェンシー調査)。
特に西鉄福岡駅とJR博多駅を結ぶ福博都心エリア内には、百貨店や天神ソラリア、アクロス福岡、博多リバレイン、キャナルシティ博多、ホテルなどの商業・文化施設が集中し、施設間を回遊する人の数は年々増大しています。
今回、これらの施設を網羅したエリア内の乗合バス運賃を100円に設定することで、バス利用の促進と都心部における回遊性の向上を図ってまいります。
また、回遊性をより高めるため、乗合バス運賃100円エリアの設定にあわせて、エリア内の主要集客施設を結ぶ「100円循環バス」を新設いたします。
エリア内を5分間隔で運行するとともに、バスの方向幕や停留所等の表示についても、地理に不案内なお客様やマイカーでお越しのお客様も気軽にご利用できるような、わかりやすく便利なバスをつくっていきたいと考えています。
運賃が100円のバスは全国でもいくつか事例がありますが、福博都心エリアのような輸送需要の大きい都心部内の乗合バス運賃を一律100円とする事例は初めてです。
詳細は下記のとおりです。
記
乗合バス運賃100円エリア設定について
試行予定期間
平成11年7月1日(木)~平成12年3月31日(金)
適用地域
西鉄福岡駅~JR博多駅間の福博都心エリア…渡辺通り・昭和通り・大博通り・住吉通りに囲まれたエリア(規模 約1.5㎞四方)
内容
適用地域内でのバス運賃を一律100円(小人・割引運賃は50円)とし、お客様が気軽にご利用いただける環境をつくりバス利用者増を図ります。
なお、適用地域外についてはこれまで通りの運賃とします。
対象
現金、バスカード、よかネットカードのお客様 ※定期運賃については従来通りです。
期待される効果
(1) 近距離バス運賃の割高感解消によるバス利用の拡大
(2) 公共交通機関の利用を促進することにより、慢性的な交通渋滞の緩和や交通事故、違法駐車の減少
(3) マイカーを100円バスエリア付近に駐車し、バスで移動する「パークアンドバスライド」の促進
運航路線数
合計64路線 3番 脇山線、80、85番 福博循環、300番 シーサイドももち線など
100円循環バス運行計画について
運行開始
平成11年7月1日(木)予定
運行区間
JR博多駅~キャナルシティ博多~天神~博多リバレイン~JR博多駅(営業キロ:5.4キロ 1周30分程度)
運行時間
天神 (月~金)8:00~20:00 (土日祝)9:30~18:30
博多駅(月~金)7:45~19:45 (土日祝)9:15~18:15
運行本数
内回り、外回りそれぞれ下記のとおり(5分間隔で運行)
(月~金)150本 (土日祝) 111本
その他
(1) 地理に不案内なお客様にも安心してご利用いただけるよう、行先表示やバス車体に循環バスであることを明示します。
(2) ルート上のバス停留所にも分かりやすい表示を施します。
(3) 女性バス運転士を重点的に配置します。
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ちなみに、地下鉄七隈線開業時の西鉄バス側のニュースリリースはこちらの記事を参照。
(つづく)
(つづき)
各種報道によると、西鉄貝塚線と福岡市営地下鉄箱崎線の直通運転化につき、「実現は困難」として“凍結”される見通しであることのこと。
整備費用の1/3以内を補助する国の支援策の活用を想定していたが、採算面からその基準を満たすことが難しく、投資に見合う効果が得られないことが理由とのこと。
「もうこれ以上検討されることはない」と言う人が居る一方で、「“凍結”だから“解凍”もある」と言う人も居て、5年後、10年後にも同じようなことが繰り返されている可能性もありそうですが(笑)。
この問題は、過去にもたくさん書いてきましたので、ぜひそちらもご参照ください。
直通運転実現にやや動き始める?(記事のコメントも参照のこと)
なお、写真はイメージです。
(つづく)
(つづき)
JR鹿児島本線の箱崎~千早間の新駅の整備が正式に決まりました。
新聞記事によると、新駅は貝塚駅の東側にJRの踏切を廃止して設置し、2025年の開業を目指すとのこと。
2009年の記事で、
“「貝塚駅」のすぐ東側にはJR鹿児島本線の線路が走っており、ここにJRの駅も造れば、地域の「核」ができて、この地域の魅力が高まるのでは?などということをたまに考える。
駅が増えすぎ!という批判は当然あるだろうが、ここが福岡じゃなくて首都圏であれば、JRの駅ができる可能性が高いのではないだろうか”
と書いたことがありました。
九大跡地の再開発も何年も前から明らかになっているわけなので、もう少し早く話を進めておけば、道路や駅前広場の整備ももっとちゃんと行えたのでは?というのが率直な感想。
踏切を廃止すると、月見町付近の陸の孤島化がさらに進みそうだが、まあ、駅ができるメリットのほうが格段に大きいのかもしれません。
新駅は、北側、東側に川があり、西側も3号線やJRの貨物線があって地域が分断され、南に行けば既に箱崎駅があって…ということで、背後人口がそこまで多いわけでもないので、鹿児島本線と箱崎線、貝塚線と鹿児島本線の、乗り換えがどれだけ行われるようになるか、というのがポイントになると思われる。
「歩行者や自転車が新駅の東西を行き来できるように自由通路を市が整備する方針」とのことなので、貝塚駅と都市高速にも自由通路をつないで、都市高速上に「高速貝塚」バス停を設置…などができれば(物理的にはかなり難しそうですが)、乗り換えの拠点性はさらに高まりそう。
国道201号から筥松四丁目地区へのアクセスが可能になれば、月見町のバス乗り場を再整備して、そこから松崎、若宮、松島、箱崎ふ頭などにバスを運行…みたいなバス目線の想像だけは膨らみます(笑)。
今回の新駅設置で、箱崎線、貝塚線、鹿児島本線のそれぞれにどれだけメリットがあるか、ということを考えていくと、箱崎線と貝塚線の相互乗り入れの実現性は大きく低下する気もするし、また、アイランドシティや新福岡空港など新たな生命線がない限り、貝塚線の存在意義自体が今以上にシビアに問われる場面もやってきそう。
新駅の名称はどうなるでしょうか。
すんなり「貝塚駅」にはならない可能性もありそうで、そうなると、「新箱崎駅」「北箱崎駅」「月見町駅」「多々良川駅」…とか??
あと、今後JRが新たに駅を造るとなると、ここは西鉄も造らないと意味がなくて調整が大変そうなので、
このへんに造ります!とか言いだしそうな気も。
(つづく)
(つづき)
新聞記事によると、
・福岡市と西鉄で協議を進めている地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線の直通運転について、本年度中に費用対効果を試算し、実現性を見極める。
・直通運転は、地下鉄と西鉄の貝塚駅を一体化する案で検討。
・姪浜方面からの地下鉄の6両編成が貝塚駅に到着後、分離した先頭の2両が西鉄貝塚線に乗り入れる。
・西鉄から地下鉄への乗り入れでは貝塚駅で2両から6両となる。
・第三セクターが駅など施設を整備を行う案。
・市は、専用車両の新造に150億、貝塚駅の改修などに85億円の初期投資を見込む。
・副市長は「初期投資費用を上回る収支採算性の確保が不可欠で、西鉄と協議を重ねて増結・分離の可能性を早期に示したい」と述べた。
とのこと。
民法でいうところの“時効の中断”的な感じでしょうか。
協議は継続していますよ、という事実を残す意味の。
この話題は、過去にも、この記事やこの記事やこの記事などで取り上げてきました。
JRが箱崎~千早間に新駅を造るかも、という話も浮上しており(構想自体は前からありましたが)、地下鉄と西鉄の直通の話が動き出す要因もないわけではないのが現状。
アイランドシティには、駅の用地はまだ確保されていますし(笑)。
この話を本当に進めようとおもったら、「JR九州が地下鉄箱崎線への乗り入れの検討を始めた」とか「箱崎線と鹿児島本線の直通化について市とJRが協議を始めた」みたいなニュースが出るのが一番なのかな、とは思います。
原町団地方式ですが。
(つづく)
(つづき)
先日の新聞記事によると、
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福岡市は、博多駅筑紫口から福岡合同庁舎方面に延びる市道を延伸し、福岡空港国際線ターミナルと直結させる方針を明らかにした。
博多駅と福岡空港国際線ターミナルの間は直線距離では2キロ程度だが、直線的にはつながっておらず、複数の幹線道路を通過する必要があるため交通渋滞が慢性化している。
外国人観光客の増加が続く中、市はさらなるアクセスの向上が必要と判断した。
将来的には、同市道の下に地下鉄七隈線を通し国際線ターミナルまで延伸し、途中の東比恵駅に空港線との乗換駅の機能を持たせることも検討するという。
市は博多駅周辺の既存ビルの建て替えを促す「博多コネクティッド」プロジェクトをスタートさせており、道路整備により、博多駅筑紫口地区の活性化にもつなげたい考えだ。
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とのこと。
たしかに、これで博多駅と空港国際線の距離は、心理的にも実際にもぐっと縮まることになる。
海・陸・空の玄関口がつながるという意味でも、ロープウェイなんかよりは効果がありそう。
あくまで、今後もインバウンドの勢いが衰えなければ、という前提ではありますが。
でも、「合同庁舎」バス停が立つ道路の下には既に地下鉄空港線が通っているので、七隈線の延長というのはなかなかたいへんそう。
筑紫通りの音羽交差点東側の、南東に向けカーブするところから直接東に延ばすというルートもアリかと思うのだが、目の前に博多駅が現れる、という意味では記事のルートのほうがいいのかもしれません。
(つづく)
(つづき)
先日の読売新聞によると、
・西鉄貝塚線と市営地下鉄箱崎線の直通運転にあたり、市は、貝塚駅で車両を連結・分離する新案を軸に検討を進めている。
・貝塚線では西鉄の2両のみ、箱崎線では地下鉄4両と連結した6両で運行することで、両線の輸送力を維持し、設備投資も抑えられる。
・市と西鉄は利便性向上を目指し1997年から、直通運転実現に向けた検討を始めたが、現在のところめどは立っていない。
…とのこと。
う~ん、どうなんでしょうか。
これをやったとしても結局、「ホームの特定の位置で待たないといけないから面倒!」「車両内を移動しないといけないのが面倒!」「連結・分離の時間がかかって時間の無駄!」とか言われてしまいそうな気も。
貝塚線と箱崎線の直通運行については、このブログでもこれまで度々書いていて、個人的にはちょうど12年前に提案したこの案を推している(ちょうど8年前のこちらの記事へみなさんからいただいたコメントも参照のこと)。
ただこれも、七隈線が、開業後に「博多駅に行かないから不便だ!」と言われてしまう福岡市の現状を見ていると、結局、「天神まで行かないから不便だ!」という話になってしまうのかなという気もしている(笑)。
あと、国道3号博多バイパスの全線開通は、3月17日とのこと。
この件についても、過去に度々書いてきたのだが、もし貝塚線と箱崎線の直通運行が実現すれば、下原以東の国道3号沿線からバイパス経由で千早駅への路線なんかも考えられるかもしれない。
なお、当初の計画では東区下原の、国道3号の現道とバイパスの合流部は立体交差になる予定だったのだが、現状を見ていると、平面交差になるもよう(用地は確保されているようなので、将来的には立体交差にするつもりなのかもしれませんが)。
渋滞解消が期待ほど進まないかも?と、やや懸念しているのですがいかがでしょうか。
(つづく)
(つづき)
路線バスのネットワーク崩壊防止に一筋の光??
西日本新聞によると、
・コミュニティバスの利便性向上を目指し、県は来年度、隣り合う市町村間の直通運行やスムーズな乗り継ぎに配慮した新路線を設け、市町村を助成する方針を固めた。
・コミュニティバスは複数の市町村をまたぐ路線が少なく、高齢者などから広域運行を求める声が上がっている。
・直通の試験運行を実施するのは以下の5路線を想定。
嘉麻市(稲築地区)~桂川町(JR桂川駅)
宮若市(福丸バス停)~宗像市(JR赤間駅)
久山町(久山町役場)~新宮町(JR新宮中央駅)
うきは市(市街地)~朝倉市(高速バス停)
須恵町(JR須恵中央駅)~志免町(厚生施設)
・上記のほか、「大野城市~春日市」や「遠賀町~岡垣町」では、乗り継ぎポイントを設定し、ダイヤ見直しやバス停近接化により円滑な乗り継ぎを促進。
・試験運行を3年間行い、利用状況を検証のうえ、本格導入を探る。財源は地方創生推進交付金を活用する方向。
とのこと。
自治体を跨ぐコミュニティバスの可能性については、
“各自治体の中をきめ細かいルートで結んで住民のニーズに応えること自体は決して間違いではなく、それが功を奏している例も多いと思う。
ただ、それによって、自治体を跨ぐ移動が困難になっていくことに対しては、もう少し目を向けてほしい気がする。
「となり町の大型商業施設や病院に行きたいけど、バスがない」ということはよくあることであり、「住民サービス」という観点からも、広域的な移動手段という視点も忘れないでいてほしい”
“今後、西鉄バスが生きていくための選択肢のひとつとして、もっと積極的に検討していく余地があるのではないだろうか”
“「国境は人間が勝手にひいたものであって、実際の地球の上には線なんてない」というような内容は、メッセージソングなどにありがちなテーマだが、バスについても同じようなことが言えそうである”
と、過去にも書いてきたが、今回、西鉄ではなく県の主導で行われることに。
3年間という結構長い試行期間であり、ぜひ定着を期待したいところ。
(つづく)
(つづき)
連節バスのクリスマス。
北九州市でも、2019年度からの運行開始を目指し、連節バスの試走調査を開始するとのこと。
試走ルートは、もともと構想があった小倉~黒崎に、小倉~戸畑駅、小倉~門司港を加えた3区間とのことで、都心部限定の福岡市とは異なり(営業所~都心の出入庫を除く)、かなり広域的な展開。
3区間とも営業運転となれば、路面電車のネットワーク復活ともいえそうだが、小倉~戸畑駅は、バス専用道路や中原経由ではなく、一枝経由を想定しているのかもしれません。
北九州もイエローでいくんですかね?
(つづく)
(つづき)
3月25日に運行を開始した「大橋駅~福岡空港線」、利用状況は正直なところ芳しくない感じです。
今年の夏に、大橋駅に特急が停車するようになれば、「国際線→(バス)→大橋→(電車)→柳川」のような利用パターンを打ち出したりすることもできると思うのだが、はたしてそれまで持つだろうか、という感じも。
近いうちに、ルートや停車停留所を手直しするテコ入れが行われることもあるかもしれないが、くれぐれも「迷走」にはならないでいただきたいものだ。
減便して「30分に一本のパターンダイヤ」が崩れてしまうと、利用しにくさが際立ってしまうことになるし、減便を検討するくらいなら廃止…ということも覚悟しないといけないのかもしれないが、15年前から待ち望んでいた路線でもあり、このまま儚く散ってしまったら個人的にはとても悲しい。
「減便」といえば、少し前の西日本新聞に以下のような記事が出ていました。
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福岡都市圏バス減便、古賀市議会反発 高齢者の足 確保に模索
西鉄が4月1日のダイヤ改正で古賀市内を走る路線バスを減便させたことに対し、これまで路線の改善や増便を求めていた市議会が不満を募らせている。
3月定例会では西鉄への運行補助費約4千万円を計上した2017年度一般会計当初予算案を可決したものの、減便について「市民の利便性が損なわれ、利用者減になる」と反発の声が上がった。
地域の高齢化が進む中、特に交通弱者の高齢者の足をどう守るのか、市は模索を続ける。
バス路線の赤字補填(ほてん)を理由に古賀市が05年度から始めた西鉄への運行補助費は年々拡大。
西鉄から路線廃止を通告された09年度は約2400万円だったが、一昨年度は3733万円。
17年度予算にはさらに上乗せした額を計上した。
今回のダイヤ改正は路線を6系統から5系統に統合。
利用者数が少ない路線から多い路線に便数を振り分けた結果、全体では平日98便が91便に、土日70便が68便になった。
西鉄広報課は今回の減便について、取材に「利用状況に応じたため」と説明している。
一方、市によると西鉄側は、市内路線バスが待機する西鉄バス宗像新宮支社を西鉄本体に組織統合した結果、運転手の労働協約が改善され、休憩時間を多く確保する必要があり、減便になったという説明もしているという。
「路線の改善、便数増を求める市民の切実な声を受け止めるべきだ」「利便性が低下し、利用者が減る」「労務管理も大切だが企業努力が十分ではないのでは」。
市議会3月定例会の最終本会議では予算案に賛成した市議からも西鉄への不満が相次いだ。
市議会は昨春以降、議長を除く市議18人でつくる政策推進会議で公共交通について調査。
8月の1週間、朝、昼、夕にバスに乗車し、利用実態を調べ、利用者の声を聞いた。
買い物、通院、通勤通学で日常的な利用客が8割を占め、特に高齢者の利用が多く、JRや国道3号を走るバスとの接続、路線の改善や増便を求める声が多かったという。
市議会は「利用者離れにつながり、悪循環を招きかねない減便については慎重な取り扱いを求める」とくぎを刺した最終報告をまとめ、今年3月に中村隆象市長に「利用者の声を反映させ、路線の見直しや便数増など改善するべきだ」と提言したばかりだった。
古賀市と隣接する新宮町はバス路線の一部廃止を受け、03年度からコミュニティーバスの運行費用として年間約5千万円を支出する。
古賀市は新宮町の約2倍の面積。
市幹部は「餅は餅屋。4千万円で運転手の人件費、車両調達などを市が行うのは難しい」と話し、運行補助費の支出に理解を求める。
市内のバス路線の利用者数は年間約26万人。
ここ10年近くは減少傾向が続いており、市は「家計や環境に優しい」「健康増進にも役立つ」とバス利用を呼び掛けている。
本年度はJR古賀駅のバス停に到着時間を知らせる電光掲示板の設置や、利用者への商店街のサービス券提供など利用促進策を進める。
古賀駅バス停に新しい時刻表を見に来た女性(80)は3年前に自主的に車の運転をやめた。
今は週2回ほど実家や病院に行くためにバスを利用する。
「高齢者は車をやめるとバスしかない。もう少し便利になれば待ち時間も短く、みんな利用するのでは」
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4月1日の古賀市内線のダイヤ改正についてはこちらの記事も参照。
市議からの西鉄への不満の声とか、「餅は餅屋。4千万円で運転手の人件費、車両調達などを市が行うのは難しい」という市幹部の話とか、いろいろとずれているが、ずれていることを承知のうえでずれた回答をしないといけない事情もあるのかもしれない。
記者は、ずれているとわかって記事にしているのか、それとも、ずれていることがわかっていないのか、どっちなのでしょうか。
古賀市のバス路線は、大正時代から基本的なルートは変わっておらず、近年は、バス路線を維持する(実質的な)主体が市なのか西鉄なのかを、敢えて曖昧にしたまま時間だけが経過している印象。
こんなこととか、こんなこととか、こんなこととか、まだまだいろいろと知恵は出せると思うのですが。
(つづく)
先日の西日本新聞の記事に、連節バスの今後について市が行った検討について出ていた。
・福岡市は、連節バスを活用した都心循環型のバス高速輸送システム(BRT)について、定時性を高めるための専用走行空間のあり方に関する検討結果をまとめた。
・連節バスだけの独立型走行レーンの設置は当面見送り、新年度以降は時間帯を定めた専用・優先レーンの拡充や、路面塗装などで走行位置を明示化する方向で対応する。
・検討は、独立型走行レーンを中央分離帯側、歩道側に設置するか、時間帯を定めた専用・優先レーンを設けるか、の3パターンについて行った。
・独立型走行レーンは、時間通りにバスが走れる一方、ほかの一般車両が走れる車線が減るため、車両の流入を抑える施策がない現時点で導入すると「交通混雑が悪化する」と評価。
・また、独立型走行レーンは、車道の横断や、タクシー、自転車に影響が出るため、時間帯を定めた専用・優先レーンの検討を進めることとする。
・市は併せて、自動車の流入量削減につながる都心部の交通対策に取り組む。
・今後は、概ね20分間隔で走らせ、利用者ニーズを把握する方針。
とのこと。
今回の検討結果である、
“独立型走行レーンは、時間通りにバスが走れる一方、ほかの一般車両が走れる車線が減るため、車両の流入を抑える施策がない現時点で導入すると「交通混雑が悪化する」と評価”
というのは真面目に言っているのでしょうか。
これって、試行運行を始める前からわかっているというか、わかっていなければいけないことなのでは?。
連節バス導入が明らかになった当時の記事で、
“「連節バスが走る専用レーンも検討する」とのこと。
「100円循環バス」が2台続けて来る現状を見ていると、専用のレーンがあるのに越したことはなと思う。
ただ、連接バスルートの現状が片側3車線ずつの6車線が標準だとすると、その上下1本ずつを「専用レーン」にした場合、単純に考えても、一般車両や路線バスが走れるスペースは現在の3分の2になってしまうわけで、一般車両と路線バスを現行から3割以上減らすことが求められることになる。
“周辺のバス路線の再編を進め、マイカー用駐車場を整備することで、連節バスの運行をスムーズにし…”と言うのは簡単だが、これを実現するのが難しいのではないだろうか(お金をかければ駐車場は整備できるとしても、「都心の周辺部に車を停めて、連接バスに乗り換えて…」という行動を定着させるのは容易ではなさそう)。
既存の都心部の路線バスも、大がかりな再編や合理化が求められることになるわけだが、「W」や「2←→22」で、都心周辺部でバス路線を分断しておいて、さらに都心の内部でも分断…ということが果たして受け入れられるだろうか、という懸念もある(この春、天神地区の停車バス停が大きく変わったのは、一つの布石だったのかもしれません)。”
と書いた。
別の記事でも、連節バス導入には、都心部に入るバスを削減する覚悟、専用レーンや駐車場を設ける覚悟、違法駐車を一掃する覚悟、乗り換えを嫌がらない覚悟、車で都心に行きにくくなるのを受容する覚悟…などなど、いろんな人がいろんな覚悟を持たないといけない、と書いたのだが、そういう検討が何も進んでいない中で、連節バスを導入し、さらに台数を増やすことも既に決まっている状況というのは明らかにおかしいです。
(つづく)
西日本新聞の記事によると、
・市は高宮駅の東口ロータリーを再整備し、路線バス乗り入れを可能にする方向で西鉄や県警と協議中。
・2018年春の供用開始を目指す。
・野間四角からの乗り継ぎが不便との声が市民から上がっていた。
・駅東口乗り入れ便は、天神・博多駅方面に向かわず折り返す予定で、都心部の渋滞緩和の狙いも。
・乗り入れ便は1日10便程度で開始し、本数増を検討する。
・乗り継ぎ割引の導入も検討する。
とのこと。
約2年前の記事で、
“「長丘~高宮循環バス」も本格運行に移行したことだし、今後は、駅舎の反対側からも新たな路線展開が考えてみては…?”
と書いていたのだが、今回計画されているのは「新たな路線展開」ではなく、既存の“郊外~野間四角~都心”の路線の一部を“郊外~高宮駅東口”にする、ということのよう。
博多駅行きを高宮駅終点にしたら利便性低下が著しいので、高宮駅東口乗り入れ路線は、天神方面行きの「51番」「52番」「61番」の一部ということになるだろうか。
なお、現時点でも「51番」と「52番」には朝数本だけ「高宮駅構内行き」があり(東口ではなく、西口の「長丘~高宮循環バス」の乗り場が終点)。
「当初は1日10便程度」というのも控えめというか及び腰というか…。
バス→電車の乗り継ぎはいいとしても、1日10便だと、電車→バスの乗り継ぎには厳しい気がする(「どこで乗れるのか」と「どこで降ろされるか」の問題も参照)。
あと、駅から郊外に向かうことを考えると、「51番」と「52番」は、高宮通り上のバス停と乗り場が分散してしまうことになってこれも厳しいため、こう考えていくと、東口乗り入れは「61番」が現実的なのかも。
「別府駅」や「野芥駅」が「乗り継ぎ拠点」として有望なのでは?ということを以前書いたのだが、「高宮駅」も、将来的に「大橋駅」や「藤崎」のような「乗り継ぎ拠点」として育っていくでしょうか。
冒頭の画像は、西鉄高宮駅の東口ではなく、同じく現状ではバスが乗り入れていない西鉄大橋駅の「西口」。
少し前に提案したこんな路線などがここに走る日は来るでしょうか。
(つづく)