(つづき)
まず、「なかたに号」で朝一本だけ運行されている築港本町経由(築港ランプ経由)の便が廃止となる。
先日の記事は、悪いほうの虫の知らせだったもよう。
また、先日「高砂」の記事で取り上げていたSWEET NAILは、今回の改正でSWEET NAILではなくなるが、これもある種の虫の知らせだったのかも。
あと、「いとうづ号」の到津の森公園前~西小倉駅前間のルートが、下到津、金田経由から歯大前、南小倉駅、大手町西、ソレイユホール経由に変更となる。
現在、福岡~北九州間の高速バスは、福岡側の停留所は天神、中洲、蔵本だけなのに対し、北九州側の停留所はとても多い。
これは、北九州側でJR駅へのアクセスが相対的に悪い場所に停車して客を集めて天神に連れていくという構図であり、小倉都心部と比較した福岡都心部の優位性を表しているともいえる(まあ、天神にJR駅がない、というのもありますが)。
小倉都心側の勢いが再び高まるようなことがあれば、福岡側でも経由地のバリエーションが増える可能性もあり(例えば、県庁・東浜ランプ経由とか香椎浜・古賀インター経由みたいな感じで。古賀インター経由は以前ありましたが)、それに少し期待したりして。
で、ここからは、今回の改正の目玉、「渡辺通幹線バス(W)」関連で思うところを書き連ねてみたい。
そもそもこの「W」の試み、どういう意図があるのかというと、「都心部~ターミナル~郊外部」を運行する路線をターミナルで切り離すことにより、都心部の幹線道路を通る路線の系統をできるだけシンプルにして、バスに不慣れな人にもわかりやすく…ということと思われ(あくまで表向きには)、その意味で統一する番号(記号)として「渡辺通り」のイニシャルである「W」を付けていると考えられる。
そして将来的には、明治通りを走るバスには「M」、昭和通りは「S」、国体道路は「K」…みたいな感じで、都心部内の行先番号体系を再構築しようとしていると見るのが自然だろう(渡辺通り~日赤通りだけ「W」という異質な番号を持ち出しておいて、それ以外は現状通り…では逆に変だし)。
ちなみに、こんな記事もありました。
--------------
【ピストンバスで渋滞緩和 西日本鉄道 通りで色分け 福岡】
2013.6.4 02:06
西日本鉄道が、福岡市中心部の大通りでピストンバス運行を計画していることが3日、明らかになった。繁華街・天神を東西に走る「明治通り」や南北に通り抜ける「渡辺通り」など、通りごとに色分けしたバスを往復させる。観光客の利便性を高めるとともに、マイカーからの乗り換えを促し、都心部の渋滞緩和を目指す。
国内有数のバス保有台数を誇る西鉄だが、福岡を訪れた観光客を中心に「どのバスに乗ればいいか分からない」と不満が出ていた。また、福岡の天神や博多地区は、マイカーに加え、数多くの路線バスが集まり、渋滞が慢性化している。
西鉄はまず天神地区のメーンストリートに色分けしたバスを導入し、路面電車のように、大通りを数分~十分間隔でピストン運行する。
本数を多く設定することで、観光客に加え通勤・通学客も利用しやすくなる。また、ピストンバスが運行する通りの両端に駐車場を整備すれば、そこでマイカーを降りてバスに乗り換える「パークアンドライド」も普及し、渋滞緩和にもつながるという。西鉄は将来的に、二酸化炭素を排出しない燃料電池バスの導入も検討している。
こうした運行には実績もある。西鉄は平成23年3月、九州新幹線全線開業に合わせて、博多と天神地区を往復する黄色のバス「天神ライナー」を導入した。新幹線で福岡に来る観光客が迷わず、博多駅から天神に行けるように配慮した。
西鉄次期社長の倉富純男取締役常務執行役員は「幹線ごとにシンボリックなバスを走らせれば、海外の観光客はじめ、福岡都市圏に住む人にも分かりやすく、都心のスムーズな移動が可能になる」と述べた。
--------------
都心部を通る路線の番号統一は、
天神→中央ふ頭の「80番」
でまず行われ、バスの行先表示のLED化の進展とともに、
天神→博多ふ頭の「90番」、博多駅→中央ふ頭・博多ふ頭の「88番」「99番」、
さらに、
天神→県庁方面の「1番」、天神→明治通り→博多駅の「3番」、天神→昭和通り→博多駅の「2番」、天神→タワー方面の「305番」、天神→渡辺通り→住吉通り→博多駅の「5番」、
そして、
天神→国体道路→博多駅の「8番」
などで行われてきており(厳密には、行先番号が変わるのは天神よりも少し前)、これらは基本的に
「天神“から”○○方面“へ”」
というある種の“指向性”を持ったものだった(ただし、「1番」「2番」「3番」は逆方向にも走っており、この詰めの甘さについては過去の記事で触れました)。
これに対し今回の「W」にはこのような“指向性”がなく、渡辺通り~日赤通りを走るバスには両方向ともに「W」が付く。
この“指向性がない”ことは、かなり根本的な問題であるような気がする。
「どの通りを通るか」だけがわかっても、「天神からどこに行けるのか」がわからなければ、すなわち、目的地へのベクトルがイメージできなければ、実はあまり意味がないのではないだろうか(渡辺通りに限らず、他の通りでも同様)。
また、渡辺通り~日赤通りを通ることを意味する「W」なのに、それ以外の場所にも「W」のバスが走ることも問題点として挙げられる。
従来、「305番」「307番」が担っていた天神→福岡タワー間の統一番号の役割を、新たに「W」(西公園ランプ経由がW1、百道ランプ経由がW2)が引き継ぐため、「W」に「渡辺通り」以外の意味合いが出てくる。
また、都市高速経由との直通運行との兼ね合いで、明治通りの蓮池→天神間にも「W」が登場することになる。
「W」を名乗るのは、原則として日赤通り~渡辺通り上のみ…というルールを事前に作っておかないと、今後、「M」など他のアルファベット系統が出てきたときに混乱が起きると思われ、早くも“火種”を抱えた印象がある。
天神からタワー行きの統一番号は、現時点では従来通りにしておいて、将来的に「T」などに移行させるほうがよかったのでは?。
さらに、W1、W2などアルファベットの後に付く数字のチョイスも大丈夫なの?という気がしている。
今後、明治通り~博多駅が「M1」、明治通り~県庁が「M2」になったりして、数字の整合がとれなくなり混乱を招く…という状況も容易に予測され、これも“火種”と言えそうだ。
新たに登場する「W」の意味を、一般の利用者がごくごくシンプルなカタチで理解できなければ、やや厳しい言い方だが、導入の意味がないような気もする。
その他、
郊外向けは大橋駅まで行かなければ「W」ではなく、清水町までしか行かない「61番」「151番」などは「W」を名乗らないため、「渡辺通り~日赤通りならW」とは言えない点、
その逆方向、野間四角方面からやってきて清水町から日赤通りに合流する都心行きのバスは、「151番」などのタワー行きは「W1」「W2」となる一方で、天神から呉服町方面に向かう「61番」は番号が変わって「W4」にはならない点、
この整合を図るため、清水町から合流する路線にも「W」を適用しようとすると、福浜が「W5」、博多ふ頭が「W6」、中央ふ頭が「W7」…みたいに早くもグダグダになってしまいそうな点、
郊外行きで、大橋駅を跨いで運行されるものも完全になくなるわけではないが、大橋駅から先、片縄方面、警弥郷方面、曰佐方面、どこに行こうと大橋駅より手前の区間では「W」としてやってくる点、
…など、もう少し詰めてほしかった点がかなりあるのだが、あくまで今回はまだスタート(過渡期の始まりというか実験段階)であり、場合によっては「後戻り」もありますよ、ということなのかも。
Wの悲劇、黒歴史にならなければよいのですが…。
なお、那の津四丁目行きの番号統一の可能性及び現状の問題点は以前の記事でも触れたが、それは今回一応解決をみることになる。
また、那珂川ハイツからの「急行」が「162-1番」ではなく「162番」となり、過去の記事で指摘した“条件面での制約”が露呈してしまったカタチ。
(つづく)
まず、「なかたに号」で朝一本だけ運行されている築港本町経由(築港ランプ経由)の便が廃止となる。
先日の記事は、悪いほうの虫の知らせだったもよう。
また、先日「高砂」の記事で取り上げていたSWEET NAILは、今回の改正でSWEET NAILではなくなるが、これもある種の虫の知らせだったのかも。
あと、「いとうづ号」の到津の森公園前~西小倉駅前間のルートが、下到津、金田経由から歯大前、南小倉駅、大手町西、ソレイユホール経由に変更となる。
現在、福岡~北九州間の高速バスは、福岡側の停留所は天神、中洲、蔵本だけなのに対し、北九州側の停留所はとても多い。
これは、北九州側でJR駅へのアクセスが相対的に悪い場所に停車して客を集めて天神に連れていくという構図であり、小倉都心部と比較した福岡都心部の優位性を表しているともいえる(まあ、天神にJR駅がない、というのもありますが)。
小倉都心側の勢いが再び高まるようなことがあれば、福岡側でも経由地のバリエーションが増える可能性もあり(例えば、県庁・東浜ランプ経由とか香椎浜・古賀インター経由みたいな感じで。古賀インター経由は以前ありましたが)、それに少し期待したりして。
で、ここからは、今回の改正の目玉、「渡辺通幹線バス(W)」関連で思うところを書き連ねてみたい。
そもそもこの「W」の試み、どういう意図があるのかというと、「都心部~ターミナル~郊外部」を運行する路線をターミナルで切り離すことにより、都心部の幹線道路を通る路線の系統をできるだけシンプルにして、バスに不慣れな人にもわかりやすく…ということと思われ(あくまで表向きには)、その意味で統一する番号(記号)として「渡辺通り」のイニシャルである「W」を付けていると考えられる。
そして将来的には、明治通りを走るバスには「M」、昭和通りは「S」、国体道路は「K」…みたいな感じで、都心部内の行先番号体系を再構築しようとしていると見るのが自然だろう(渡辺通り~日赤通りだけ「W」という異質な番号を持ち出しておいて、それ以外は現状通り…では逆に変だし)。
ちなみに、こんな記事もありました。
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【ピストンバスで渋滞緩和 西日本鉄道 通りで色分け 福岡】
2013.6.4 02:06
西日本鉄道が、福岡市中心部の大通りでピストンバス運行を計画していることが3日、明らかになった。繁華街・天神を東西に走る「明治通り」や南北に通り抜ける「渡辺通り」など、通りごとに色分けしたバスを往復させる。観光客の利便性を高めるとともに、マイカーからの乗り換えを促し、都心部の渋滞緩和を目指す。
国内有数のバス保有台数を誇る西鉄だが、福岡を訪れた観光客を中心に「どのバスに乗ればいいか分からない」と不満が出ていた。また、福岡の天神や博多地区は、マイカーに加え、数多くの路線バスが集まり、渋滞が慢性化している。
西鉄はまず天神地区のメーンストリートに色分けしたバスを導入し、路面電車のように、大通りを数分~十分間隔でピストン運行する。
本数を多く設定することで、観光客に加え通勤・通学客も利用しやすくなる。また、ピストンバスが運行する通りの両端に駐車場を整備すれば、そこでマイカーを降りてバスに乗り換える「パークアンドライド」も普及し、渋滞緩和にもつながるという。西鉄は将来的に、二酸化炭素を排出しない燃料電池バスの導入も検討している。
こうした運行には実績もある。西鉄は平成23年3月、九州新幹線全線開業に合わせて、博多と天神地区を往復する黄色のバス「天神ライナー」を導入した。新幹線で福岡に来る観光客が迷わず、博多駅から天神に行けるように配慮した。
西鉄次期社長の倉富純男取締役常務執行役員は「幹線ごとにシンボリックなバスを走らせれば、海外の観光客はじめ、福岡都市圏に住む人にも分かりやすく、都心のスムーズな移動が可能になる」と述べた。
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都心部を通る路線の番号統一は、
天神→中央ふ頭の「80番」
でまず行われ、バスの行先表示のLED化の進展とともに、
天神→博多ふ頭の「90番」、博多駅→中央ふ頭・博多ふ頭の「88番」「99番」、
さらに、
天神→県庁方面の「1番」、天神→明治通り→博多駅の「3番」、天神→昭和通り→博多駅の「2番」、天神→タワー方面の「305番」、天神→渡辺通り→住吉通り→博多駅の「5番」、
そして、
天神→国体道路→博多駅の「8番」
などで行われてきており(厳密には、行先番号が変わるのは天神よりも少し前)、これらは基本的に
「天神“から”○○方面“へ”」
というある種の“指向性”を持ったものだった(ただし、「1番」「2番」「3番」は逆方向にも走っており、この詰めの甘さについては過去の記事で触れました)。
これに対し今回の「W」にはこのような“指向性”がなく、渡辺通り~日赤通りを走るバスには両方向ともに「W」が付く。
この“指向性がない”ことは、かなり根本的な問題であるような気がする。
「どの通りを通るか」だけがわかっても、「天神からどこに行けるのか」がわからなければ、すなわち、目的地へのベクトルがイメージできなければ、実はあまり意味がないのではないだろうか(渡辺通りに限らず、他の通りでも同様)。
また、渡辺通り~日赤通りを通ることを意味する「W」なのに、それ以外の場所にも「W」のバスが走ることも問題点として挙げられる。
従来、「305番」「307番」が担っていた天神→福岡タワー間の統一番号の役割を、新たに「W」(西公園ランプ経由がW1、百道ランプ経由がW2)が引き継ぐため、「W」に「渡辺通り」以外の意味合いが出てくる。
また、都市高速経由との直通運行との兼ね合いで、明治通りの蓮池→天神間にも「W」が登場することになる。
「W」を名乗るのは、原則として日赤通り~渡辺通り上のみ…というルールを事前に作っておかないと、今後、「M」など他のアルファベット系統が出てきたときに混乱が起きると思われ、早くも“火種”を抱えた印象がある。
天神からタワー行きの統一番号は、現時点では従来通りにしておいて、将来的に「T」などに移行させるほうがよかったのでは?。
さらに、W1、W2などアルファベットの後に付く数字のチョイスも大丈夫なの?という気がしている。
今後、明治通り~博多駅が「M1」、明治通り~県庁が「M2」になったりして、数字の整合がとれなくなり混乱を招く…という状況も容易に予測され、これも“火種”と言えそうだ。
新たに登場する「W」の意味を、一般の利用者がごくごくシンプルなカタチで理解できなければ、やや厳しい言い方だが、導入の意味がないような気もする。
その他、
郊外向けは大橋駅まで行かなければ「W」ではなく、清水町までしか行かない「61番」「151番」などは「W」を名乗らないため、「渡辺通り~日赤通りならW」とは言えない点、
その逆方向、野間四角方面からやってきて清水町から日赤通りに合流する都心行きのバスは、「151番」などのタワー行きは「W1」「W2」となる一方で、天神から呉服町方面に向かう「61番」は番号が変わって「W4」にはならない点、
この整合を図るため、清水町から合流する路線にも「W」を適用しようとすると、福浜が「W5」、博多ふ頭が「W6」、中央ふ頭が「W7」…みたいに早くもグダグダになってしまいそうな点、
郊外行きで、大橋駅を跨いで運行されるものも完全になくなるわけではないが、大橋駅から先、片縄方面、警弥郷方面、曰佐方面、どこに行こうと大橋駅より手前の区間では「W」としてやってくる点、
…など、もう少し詰めてほしかった点がかなりあるのだが、あくまで今回はまだスタート(過渡期の始まりというか実験段階)であり、場合によっては「後戻り」もありますよ、ということなのかも。
Wの悲劇、黒歴史にならなければよいのですが…。
なお、那の津四丁目行きの番号統一の可能性及び現状の問題点は以前の記事でも触れたが、それは今回一応解決をみることになる。
また、那珂川ハイツからの「急行」が「162-1番」ではなく「162番」となり、過去の記事で指摘した“条件面での制約”が露呈してしまったカタチ。
(つづく)