16日のB級1組一斉対局をもって,今年度の順位戦が終了しました。今日はクラス別に回顧してみます。まずA級。優勝(名人挑戦)は郷田九段。日本シリーズ準優勝はあったものの,他棋戦ではそうも活躍したとはいえない1年で,うまくここに勝ち星が集まった感があります。それでもこれだけのメンバーの中で1局を残した時点で優勝を決めたのは立派の一語。名人戦でどのような時間の使い方をするのかに興味があります。降級は深浦八段と阿部八段。このうち深浦八段はA級は2期とも4勝5敗で降級。まだ下位クラスのころは9勝1敗の頭ハネ(順位の差で昇級できず)を食らった経験もあり,順位戦という棋戦にツキがない感じです。B1は木村七段と行方七段が昇級。ここはこのふたりと鈴木八段が力上位と思え,この3人での昇級争いになりましたので順当かと思います。降級は野月七段と森九段。B2は渡辺竜王と杉本七段が昇級。渡辺竜王は大本命ですし当然ですが,全勝は見事です。杉本七段も竜王戦は1組(今年も緒戦突破)ですので順当とはいえますが,先崎八段や山崎七段が早々に脱落したのは意外でした。現役最古参の加藤九段が7勝3敗と奮闘しました。C1からは松尾六段と橋本七段が昇級。両者とも実力者です。とくに橋本七段は竜王戦1組で,2年連続の昇級は見事でした。C2は昇級枠が3人で,片上五段,広瀬四段,上野四段。このクラスは人数も多く,そのために順位が大きく左右しますが,今年はこの3人だけが9勝1敗で,わりとすっきりした形に収まりました。こちらでは現役最年長の有吉九段が7勝3敗と奮戦しています。
王将戦は羽生王将が先手で,一手損角換りから後手の向飛車。かなり独創的な戦い方になったという印象です。
明日から平塚で日本選手権競輪(ダービー)が始まります。6日間の長丁場です。
スピノザが因果論だけを論理として認める背景には,目的論を排除するという意図があります。たとえば人間が汗を掻くときに,体温を調節するために汗を掻くといえばこれは目的論的説明で,暑いから汗を掻くといえばそれは因果論的説明ということになります。スピノザの考え方では,目的というのは結果が生じた後に,始めて明らかになるようなことで,そこには事物の発生は含まれないということになっています。確かに,体温を調節するために汗を掻くといっても,体温を調節する必要がなければ汗は掻かないでしょうから,そのことの中に汗を発生させる原因は含まれてはいないといえます。むしろこれは,何らかの別の要因(たとえば暑いということ)によって人間が汗を掻き,その後になって発見が可能になる事柄であるといえます。そこで,これを責任という概念の一般的な発生に関する考え方に当てはめてみると,ある何らかのシステムを維持するために個人には責任という概念が与えられるという考え方は,確かに責任の発生を含んでいるようには思えるのですが,明らかにシステムの維持という目的のために責任という概念があるといっているわけですから,スピノザが否定した目的論的な考え方であるとも考えられます。そこでもっと確かに因果論的であるといえるような仕方で責任という概念が発生するというあり方とはたとえばどのようなあり方であるのかを考えてみることにします。
王将戦は羽生王将が先手で,一手損角換りから後手の向飛車。かなり独創的な戦い方になったという印象です。
明日から平塚で日本選手権競輪(ダービー)が始まります。6日間の長丁場です。
スピノザが因果論だけを論理として認める背景には,目的論を排除するという意図があります。たとえば人間が汗を掻くときに,体温を調節するために汗を掻くといえばこれは目的論的説明で,暑いから汗を掻くといえばそれは因果論的説明ということになります。スピノザの考え方では,目的というのは結果が生じた後に,始めて明らかになるようなことで,そこには事物の発生は含まれないということになっています。確かに,体温を調節するために汗を掻くといっても,体温を調節する必要がなければ汗は掻かないでしょうから,そのことの中に汗を発生させる原因は含まれてはいないといえます。むしろこれは,何らかの別の要因(たとえば暑いということ)によって人間が汗を掻き,その後になって発見が可能になる事柄であるといえます。そこで,これを責任という概念の一般的な発生に関する考え方に当てはめてみると,ある何らかのシステムを維持するために個人には責任という概念が与えられるという考え方は,確かに責任の発生を含んでいるようには思えるのですが,明らかにシステムの維持という目的のために責任という概念があるといっているわけですから,スピノザが否定した目的論的な考え方であるとも考えられます。そこでもっと確かに因果論的であるといえるような仕方で責任という概念が発生するというあり方とはたとえばどのようなあり方であるのかを考えてみることにします。