スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

名古屋大賞典&法の効果の前提

2007-03-29 20:50:37 | 地方競馬
 昨日の名古屋大賞典(動画)の回顧です。先手を奪ったのは地元のムーンバレイで,かなりゆったりとしたレースになりました。有力馬ではキクノアローが最も前で3番手,ブルーコンコルドは7・8番手,サイレントディールは10番手といったあたり。ほとんど隊列に動きがないまま2周目の3コーナーへ。まず5・6番手に位置していたアルドラゴンが進出を開始,ブルーコンコルドもこれを見るように外を進出。2頭でキクノアローまで交わして直線へ。ここからアルドラゴンがさらに伸びて優勝。ムーンバレイが2着に逃げ粘り,ブルーコンコルドは伸びを欠いて3着までと,波乱の決着になりました。優勝したアルドラゴンは今年の正月にオープン入りした6歳馬。オープンでの2戦は2桁着順に大敗していたので軽視しましたが,それはスプリント路線でのもので,むしろこうした距離の方がいいのかもしれません。ただここは有力馬の凡走に助けられた感もあります。絶妙のタイミングで仕掛けた藤田伸二騎手の好判断も光りました。同様のことは2着のムーンバレイにもいえ,こちら愛知の吉田稔騎手が絶妙のペースで逃げたということでしょう。ブルーコンコルドは追い出したときにややもたついた感があり,59キロの斤量がやや響いたと思われます。キクノアロー(4着)はもっと早く自分から動いてもよかったかもしれません。サイレントディール(10着)はここ2戦でしていた競馬ができずじまい。あるいはこの馬のウイークポイントである気性面での難しさを出してしまったでしょうか。

 スピノザの哲学における法の効果(法律に限らず,道徳や倫理も含めて)というのを具体的にいえば,ある共同体の内部において,その共同体を構成する各人の間で,ある人が自然権を行使すること,すなわちある何らかの行為が他者の自然権と衝突してしまう場合に,その行為を受動的に抑制させるということ,つまり,他者の自然権と衝突するその行為へその人を駆るような感情に対して,法から生じるような別の感情がより強力な相反する感情として作用するということにあるわけです。端的にいえばこれは,たとえばだれかを殺してやりたいという受動感情を,罰せられるのは怖い(いやだ)というような相反する受動感情によって抑制するということです。ただし,スピノザの哲学においてこれをいう場合に僕が絶対に理解しておかなければならないと考えることは,この効果は,共同体を維持することに役立つものではありますが,そのこと自体が目的とされているのではないということです。人間が共同体を構成するのは,そのことによって諸個人の自然権が拡大されるからなのです。スピノザの哲学においては共同体(現代でいえば国家)も法も,個人の自然権をより大きくするための手段のようなものであると僕は考えています。
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