スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

桜花賞&自然権

2007-03-22 21:50:16 | 地方競馬
 昨日の第53回桜花賞の回顧です。
 僕が期待したタガタメが大きく出遅れ。逃げ馬ですので鞍上の山口竜一騎手がいうようにこの時点でレースを終えてしまいました。それでも6着まできたのは力の証明でしょう。
 好発はマルノマンハッタンで,正面では逃げるかの態勢でしたが,外からパチョリ,さらにエアショセットが行ったので,内内を5・6番手まで下げました。向正面では行った2頭が後続をやや離す展開に。前半の800メートルが49秒2で,出走した馬のレベルを考えれば極度のハイペースだったと思います。競り合いは3コーナーまで続きましたが,エアショセットが後退。ここを再びインからマルノマンハッタンが追い上げてきて,4コーナーではパチョリの外に体を併せて抜け出しました。マルノマンハッタンが追い上げたのと同じコースを後ろから追ってきたのがアグネスターフで,こちらは直線ではパチョリの内へ。この2頭が後続を離しての競り合いになりましたが,マルノマンハッタンが半馬身凌いで優勝。アグネスターフが2着で,5馬身差の3着にはパチョリが粘りました。浦和の1600メートルはコース形態から内枠が断然有利ですが,ここはその3頭での決着。
 優勝したマルノマンハッタンはデビュー勝ちの後,中央の芝のレースは大敗でしたが南関東に戻って連勝。それ以降は調子を崩したか3連敗でしたが,前走のトライアルではカネショウバナナの2着になっていて,復調していたようです。ただこのレースはこの馬には初騎乗となった石崎隆之騎手の手腕が大きかったようにも思います。
 なお,ブラックムーンは競走中止でしたが,高橋華代子さんのレポートでは厩舎には戻ったようですので,最悪の事態には至らなかったものと思います。

 明日は棋王戦五番勝負の第四局。4連続でタイトル挑戦に失敗した佐藤棋聖に残るのはこれだけとなりました。

 これは目的論的な説明なのですが,責任の発生についての一般論のうちには,スピノザが自然権jus naturaeについて考える場合に類似した観点が含まれていると僕は感じています。もっとも,自然権という概念notioは,どちらかといえば政治学の文脈で用いられますので,『エチカ』で詳しく考察されているというわけではありません。ただ,第四部定理三七の備考二で「人はみな最高の自然権によって存在し,したがってまた各人は自己の本性の必然性から生ずることを最高の自然権によってなすのである」とスピノザがいっている部分は,わりに印象的です。
 僕はこの中には,まずスピノザの自然権という概念に対する基本的な考え方が含まれていると思います。一般に自然権を代表とするような権利というものは,ある名目的なものとして,諸個人に平等に与えられているものと考えられています。しかしこれでみればスピノザはむしろ,自然権とは諸個人が存在し,そしてあることをなすということそのもの,すなわち実在的なものであると考えているように思います。そして,人間がなすという事柄が自然権そのものだということになれば,もしも諸個人の必然性necessitasから生じることに差異がある場合には,諸個人に与えられている自然権もまたそれに応じて異なるということになるのではないかと思うのです。
コメント (2)
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