3月31日に2016年度の将棋大賞が発表されました。
最優秀棋士賞は佐藤天彦名人。名人奪取,叡王戦優勝。最優秀棋士賞は初めての受賞です。
優秀棋士賞に羽生善治三冠。棋聖防衛,王位防衛,王座防衛。羽生三冠は最優秀棋士賞の常連で,優秀棋士賞は2006年度,2012年度,2013年度に続き3年ぶり4度目になります。
敢闘賞は久保利明王将。王将挑戦,奪取,A級へ再昇級。2000年度と2008年度に受賞があり,8年ぶり3度目の受賞。
新人賞は矢代弥六段。朝日杯将棋オープン優勝。将棋大賞初受賞です。
最多対局賞は千田翔太六段と佐々木勇気五段で65局。
最多勝利賞は千田翔太六段で48勝。
勝率1位賞は斎藤慎太郎七段と青嶋未来五段が.750で分け合いました。斎藤七段はこの部門で2015年度に続く連続受賞です。
連勝賞は豊島将之八段と青嶋未来五段の12連勝。青嶋五段は12連勝を2度達成しています。
最優秀女流棋士賞は里見香奈女流名人。女流王位防衛,女流王座挑戦,奪取,女流王将防衛,倉敷藤花防衛,女流名人防衛。2009年度,2010年度,2011年度,2012年度,2013年度,2015年度に続き2年連続7回目の受賞。
女流棋士賞は上田初美女流三段。女流名人挑戦,マイナビ女子オープン挑戦。2012年度以来4年ぶり2度目の受賞。
女流最多対局賞は室谷由紀女流二段の40局。2年連続2度目の受賞。
升田幸三賞は千田翔太六段。
名局賞はA級順位戦8回戦の佐藤康光九段と深浦康市九段の一戦。AbemaTVの将棋チャンネル開局当日に生中継されたA級順位戦一斉対局4局のうち一局。僕も観戦していましたがあまりにも面白くて終局の1時17分まで視聴してしまいました。深浦九段は2007年度と2010年度に受賞していて3度目,佐藤九段は2009年度に受賞があり2度目の受賞となります。
名局賞の特別賞は女流名人戦第五局。
近いうちに現役引退となるであろう加藤一二三九段が特別賞と升田幸三賞の特別賞をダブル受賞しています。
第二部定理四九証明の内容から,ふたつのことが理解できます。
ひとつは,観念ideaが存在するとき,その観念の内容を肯定したり否定したりする思惟作用が同時に存在するのですが,そうした思惟作用をスピノザは意志作用volitioというということです。つまりスピノザの哲学でいう意志voluntasとは,精神mensをして何かを希求させたり忌避させたりするような決意のことをいうのではありません。観念が観念である限りにおいて必然的に含んでいなければならないような,何事かを肯定しまた否定する力potentiaのことが意志といわれるのです。
このような思惟の様態cogitandi modiのことを意志というのは不自然と思われるかもしれませんが,僕は必ずしもそうは思わないです。たとえば本を読むという観念を肯定することと本を読むことを希求することは同じことですし,逆に本を読むという観念を否定することと本を読むことを忌避するということは同じことだと考えるからです。ただ一般にはそうした決意が行動の原因であると思われているのに対して,スピノザはそうした決意は観念そのものを異なった観点から把握したものであり,したがって決意と行動の間には因果関係は存在しないといっているだけなのです。つまり意志という思惟の様態を,それ以外の事柄との因果関係を捨象してそれだけでみるなら,その様態が有している力というのは,一般的にそうみられている力と何ら変わるところはないといえます。
もうひとつ,個々の観念と個々の意志作用が同一の思惟の様態を異なった観点から把握しただけにすぎないのであれば,一般的に知性intellectusと意志もまた同一であるいうことが帰結します。よってスピノザは第二部定理四九系としてこのことを示しているのです。これはその証明Demonstratioにもあるように,知性というのが個々の観念の集積であり,意志というのが個々の意志作用の集積であるということから明白だといえるでしょう。したがって,人間の精神mens humanaが自動機械automa spiritualeであるということと,知性と意志が同一であるということは,個別の事柄を示しているようでいながら,何ら関係を有していないというわけではないことになります。
この証明のうちにはもう少し検証を要することも含まれます。
最優秀棋士賞は佐藤天彦名人。名人奪取,叡王戦優勝。最優秀棋士賞は初めての受賞です。
優秀棋士賞に羽生善治三冠。棋聖防衛,王位防衛,王座防衛。羽生三冠は最優秀棋士賞の常連で,優秀棋士賞は2006年度,2012年度,2013年度に続き3年ぶり4度目になります。
敢闘賞は久保利明王将。王将挑戦,奪取,A級へ再昇級。2000年度と2008年度に受賞があり,8年ぶり3度目の受賞。
新人賞は矢代弥六段。朝日杯将棋オープン優勝。将棋大賞初受賞です。
最多対局賞は千田翔太六段と佐々木勇気五段で65局。
最多勝利賞は千田翔太六段で48勝。
勝率1位賞は斎藤慎太郎七段と青嶋未来五段が.750で分け合いました。斎藤七段はこの部門で2015年度に続く連続受賞です。
連勝賞は豊島将之八段と青嶋未来五段の12連勝。青嶋五段は12連勝を2度達成しています。
最優秀女流棋士賞は里見香奈女流名人。女流王位防衛,女流王座挑戦,奪取,女流王将防衛,倉敷藤花防衛,女流名人防衛。2009年度,2010年度,2011年度,2012年度,2013年度,2015年度に続き2年連続7回目の受賞。
女流棋士賞は上田初美女流三段。女流名人挑戦,マイナビ女子オープン挑戦。2012年度以来4年ぶり2度目の受賞。
女流最多対局賞は室谷由紀女流二段の40局。2年連続2度目の受賞。
升田幸三賞は千田翔太六段。
名局賞はA級順位戦8回戦の佐藤康光九段と深浦康市九段の一戦。AbemaTVの将棋チャンネル開局当日に生中継されたA級順位戦一斉対局4局のうち一局。僕も観戦していましたがあまりにも面白くて終局の1時17分まで視聴してしまいました。深浦九段は2007年度と2010年度に受賞していて3度目,佐藤九段は2009年度に受賞があり2度目の受賞となります。
名局賞の特別賞は女流名人戦第五局。
近いうちに現役引退となるであろう加藤一二三九段が特別賞と升田幸三賞の特別賞をダブル受賞しています。
第二部定理四九証明の内容から,ふたつのことが理解できます。
ひとつは,観念ideaが存在するとき,その観念の内容を肯定したり否定したりする思惟作用が同時に存在するのですが,そうした思惟作用をスピノザは意志作用volitioというということです。つまりスピノザの哲学でいう意志voluntasとは,精神mensをして何かを希求させたり忌避させたりするような決意のことをいうのではありません。観念が観念である限りにおいて必然的に含んでいなければならないような,何事かを肯定しまた否定する力potentiaのことが意志といわれるのです。
このような思惟の様態cogitandi modiのことを意志というのは不自然と思われるかもしれませんが,僕は必ずしもそうは思わないです。たとえば本を読むという観念を肯定することと本を読むことを希求することは同じことですし,逆に本を読むという観念を否定することと本を読むことを忌避するということは同じことだと考えるからです。ただ一般にはそうした決意が行動の原因であると思われているのに対して,スピノザはそうした決意は観念そのものを異なった観点から把握したものであり,したがって決意と行動の間には因果関係は存在しないといっているだけなのです。つまり意志という思惟の様態を,それ以外の事柄との因果関係を捨象してそれだけでみるなら,その様態が有している力というのは,一般的にそうみられている力と何ら変わるところはないといえます。
もうひとつ,個々の観念と個々の意志作用が同一の思惟の様態を異なった観点から把握しただけにすぎないのであれば,一般的に知性intellectusと意志もまた同一であるいうことが帰結します。よってスピノザは第二部定理四九系としてこのことを示しているのです。これはその証明Demonstratioにもあるように,知性というのが個々の観念の集積であり,意志というのが個々の意志作用の集積であるということから明白だといえるでしょう。したがって,人間の精神mens humanaが自動機械automa spiritualeであるということと,知性と意志が同一であるということは,個別の事柄を示しているようでいながら,何ら関係を有していないというわけではないことになります。
この証明のうちにはもう少し検証を要することも含まれます。