スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サウジカップデー&感情の原因

2025-02-23 14:53:06 | 海外競馬
 日本時間で昨日の夜から今日の未明にかけてサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で開催されたサウジカップデー。18頭の日本馬が遠征しましたので,結果だけ簡略化して紹介します。
 サウジダービーGⅢダート1600m。逃げたシンフォーエバーが残り100mまで先頭という見せ場を作って2着。3番手から進めたミストレスが4着。2番手につけたミリアッドラヴは7着。
 リヤドダートスプリントGⅡダート1200m。勝った内の馬と並ぶように逃げる形になったジャスパークローネが9着。残る4頭は後方からのレースとなり,追い込んだガビーズシスターが3着。リメイクは7着でチカッパが10着。立ち上がるような発馬になったイグナイターは11着。
 ネオムターフカップGⅡ芝2100m。逃げたシンエンペラーが逃げ切って優勝。3番手の外にいたキラーアビリティは10着。
 優勝したシンエンペラーはラジオNIKKEI杯2歳ステークス以来の勝利で重賞2勝目。日本馬による海外重賞制覇はコリアカップ以来。サウジアラビアでは昨年のリヤドダートスプリント以来。ネオムターフカップは2022年以来。騎乗した坂井瑠星騎手は昨年のUAEダービー以来の海外重賞5勝目。ネオムターフカップは初勝利。管理している矢作芳人調教師は昨年のUAEダービー以来の海外重賞15勝目。ネオムターフカップは初勝利。
 1351ターフスプリントGⅡ芝1351m。ウインマーベルが逃げ,2列目から進めて内を回ったアスコリピチェーノが直線の入口で2番手に上がると2頭の優勝争い。僅かに差し切ったアスコリピチェーノが優勝でウインマーベルが2着。後方の位置取りだったテンハッピーローズは7着。
 優勝したアスコリピチェーノは京成杯オータムハンデキャップ以来の重賞4勝目。父はダイワメジャー。母のひとつ下の半妹に2015年のローズステークスを勝ったタッチングスピーチ。Ascoli Picenoはイタリアの都市。日本馬による1351ターフスプリントの勝利は2023年以来。騎乗したクリストフ・ルメール騎手は一昨年のドバイシーマクラシック以来の日本馬に騎乗しての海外重賞11勝目。管理している黒岩陽一調教師は海外重賞初制覇。
 レッドシーターフハンデキャップGⅡ芝3000m。最後尾から進めたビザンチンドリームは漸進。直線で外にもち出すとあっという間に先頭に立ち,そのまま優勝。
 優勝したビザンチンドリームはきさらぎ賞以来の重賞2勝目。父はエピファネイア。母の父はジャングルポケット。4代母がラスティックベルで3代母が1999年のシンザン記念と桜花賞トライアルの4歳牝馬特別,2000年のダービー卿チャレンジトロフィーとマーメイドステークスを勝ったフサイチエアデール。日本馬によるレッドシーターフハンデキャップの勝利は2023年以来。騎乗したイギリスのオイシン・マーフィー騎手は2021年のブリーダーズカップディスタフ以来の日本馬に騎乗しての海外重賞3勝目。管理している坂口智康調教師は海外重賞初勝利。
 サウジカップGⅠダート1800m。フォーエバーヤングが先行集団,ラムジェットが好位集団,ウィルソンテソーロが中団でウシュバテソーロは最後尾から。最終コーナーで外から5頭目を進んだ香港のロマンチックウォリアーが捲り切って直線入口では先頭。ふつうは先行馬総崩れで圧勝となるところでしたが,フォーエバーヤングだけはそれほど離されずにまた差を詰めていき,残り50mを過ぎてから差して優勝。ウシュバテソーロが前の2頭からは10馬身以上離されましたが3着でウィルソンテソーロが4着。ラムジェットは6着。
                       
 優勝したフォーエバーヤング東京大賞典からの連勝で大レース4勝目。父はリアルスティール。ひとつ下の半妹が昨年のアルテミスステークスを勝っている現役のブラウンラチェットで3代母がローミンレイチェル。日本馬による海外GⅠ制覇は一昨年のドバイワールドカップ以来。日本馬によるサウジカップ制覇は2023年以来。騎乗した坂井瑠星騎手は東京大賞典以来の大レース14勝目。海外重賞6勝目で海外GⅠは初勝利。管理している矢作芳人調教師は東京大賞典以来の大レース28勝目。海外GⅠは一昨年のサウジカップ以来の9勝目でサウジカップは2年ぶりの2勝目。

 不安metusという訳に関連することはここまでにして,感情の模倣imitatio affectuumに関する探究を始めます。
 第一部公理三でいわれていることは,全自然に共通です。感情affectusは第三部定義三でいわれているように,人間の身体humanum corpusのある状態とその状態の観念ideaの両方を意味する,スピノザの哲学においては特殊な語です。それが身体の状態であるなら延長の属性Extensionis attributumの下で考えられる事象ですが,その観念ということになれば思惟の属性Cogitationis attributumの下で考えられる事象であることになるからです。しかし第一部公理三が全自然に共通といわれるとき,それは延長の属性の下でのみ成立するということではなく,思惟の属性の下でも成立するということを意味します。スピノザは自然Naturaということで延長の属性に属するもののことだけを意味させようとする場合もあるのですが,僕がこのブログで自然というときは,必ず思惟の属性に属するもののことも含めているのです。
 したがって,感情というのは延長の様態modusとしてみられようと思惟の様態cogitandi modiとしてみられようと,何らかの原因causaが与えられて僕たちのうちに生じるということは変わりありません。そこでもしも,僕たちがあるものを表象するimaginariことによって何らかの喜びlaetitiaを感じるということがあったとしたら,僕たちの喜びの原因はそのものを表象したというそのこと自体にあるということになり,その表象像imagoという観念の対象ideatumとなっているものは僕たちに喜びを齎す外部の原因として認識されることになり,僕たちはそれに愛amorという感情を有するようになることになります。これは第三部諸感情の定義六を参照してください。
 しかしこの説明は,僕たちのうちにある感情が発生するということを原理的に説明するためのものです。もちろんこういう説明のされ方によって僕たちのうちに喜びや愛といった諸々の感情が発生するということがないというわけではありませんが,それはごく一部なのです。むしろ僕たちの感情の原因というのは,この原理的な説明にあるような,単一の単純なものであるということは稀なのであって,ほとんどの感情の原因というのはもっと複雑なものであって,そうした複雑な諸々の要素が同時的に原因を構成し,僕たちの感情が発生します。
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