スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

水都大垣杯&パンフレット

2024-12-03 19:21:17 | 競輪
 大垣記念の決勝。並びは中野に瓜生,森田‐坂井‐白岩の関東,山口‐不破の岐阜,松浦‐中本の西国。
 坂井と白岩がスタートを取りにいって森田の前受け。4番手に松浦,6番手に山口,8番手に中野で周回。残り3周のバックの出口から中野が上昇していくと,山口が合わせて出ていきました。残り2周のホームで誘導との車間を開けて待っていた森田,山口,中野の3人が併走となり,外から中野が前に出ました。内の森田は番手に飛びつきにいったので,中野の後ろは内の森田と外の瓜生で併走。その後ろが内の山口と森田マークの外の坂井で併走になって打鐘。隊列が短くなって松浦が発進。ホームで中野を叩きましたが,中野が番手に嵌り,松浦マークの中本は中野の後ろに。バックから坂井が自力で発進。すぐに松浦を捲りました。山口が坂井にスイッチしたのですが,松浦の牽制を受けて失速。このために坂井が後ろを離して優勝。立て直した山口が3車身差で2着。松浦が2車身差で3着。
 優勝した栃木の坂井洋選手は前回出走の岸和田のFⅠから連続優勝。2021年11月の四日市記念以来となる記念競輪2勝目。このレースは熊本勢がふたりいたのですが,中本は松浦,瓜生が中野の後ろを選択したので,それぞれにラインのある4分戦になりました。マーク選手よりも自力の選手の方が力量は上だったので,並びが出た時点で自力型の力勝負になると予想。坂井は自力があってかつ森田をマークできるのでチャンスはあるとみていました。森田が飛びつきを狙うレースになったので,マークを外すような形で山口の外を並走になったのですが,かえってそれが幸いしました。マークを守って山口と内と外が逆になっていたら,優勝は山口だったかもしれません。

 書簡六十七の二ステノNicola Stenoがスピノザのことを今でも疎遠ではないというとき,この今というのいうのが当然ながらステノがこの書簡を書いている時点の今であるということは明白です。この書簡は1675年にフィレンツェで書かれたものと推定されますから,その時点でもステノはスピノザを疎遠ではないと思っていたことになるでしょう。なお,この書簡にはスピノザの名前は出ておらず,宛先は新哲学の改革者となっていますし,書簡の文中ではあなたといわれていますが,それがスピノザを意味することは間違いありません。また,この書簡の冒頭に,あなたの著作であると他人がいい,ステノ自身もいろいろな理由からそのように思っている本,という表現がありますが,この本が『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』を意味することも間違いないでしょう。
                            
 ですから,ステノはオランダを離れてイタリアに移っているのですが,イタリアに移ってからも,ステノはスピノザの,またスピノザはステノの,動向といったものをある程度は知っていたと解するのが自然であると思います。なので1669年にイタリアで著した自身の本を,ステノがスピノザに贈ったということは,たぶん史実なのではないかと思います。吉田はスピノザとステノの交わりがどの程度まで親密なものであったのかは分からないとしていますが,もちろんたとえばマイエルLodewijk Meyerとかシモン・ド・フリースSimon Josten de Vriesといったような,スピノザの親友たちとの交わりに比較したならそれほど親密ではなかったといえるでしょうが,スピノザと面会したことがある人物のうちブレイエンベルフWillem van BlyenburgとかライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizと比べたら,少なくとも遜色なく,あるいはそれ以上に親密であったと考えてよいように思います。
 それから吉田は書簡六十七の二は,スピノザに宛てられた書簡であったわけではなく,公開書簡の形式で書かれた一種の宗教的パンフレットだったのではないかと推測しています。そしてそのことの根拠として,もしもこれがスピノザに宛てられて書かれたものであったとしたら,スピノザはそれを保管しておいた筈だから,それが遺稿集Opera Posthumaに掲載されなかったのは不自然であるということをあげています。これは説得力があります。

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