スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

寛仁親王牌・世界選手権記念&ヘンドリックの意図

2024-10-21 18:57:40 | 競輪
 弥彦競輪場で開催された昨日の第33回寛仁親王牌の決勝。並びは新山‐渡部の北日本,郡司‐小原の神奈川,寺崎‐脇本‐古性の近畿で佐々木と河端は単騎。
 古性がスタートを取って寺崎の前受け。4番手に郡司。その後ろが佐々木と新山の取り合いになりましたが,新山が譲って6番手に佐々木で7番手に新山。最後尾に河端で周回。残り3周のバックに入ると寺崎が誘導との車間を開け始めました。バックを出るとさらにスピードを落として後方を牽制。新山がコーナーから発進すると寺崎も突っ張りました。新山は脇本の外に併走して打鐘。その後ろは内外が入れ替わり,内に渡部で外が古性の併走に。ホームに戻って寺崎の番手は脇本が守りました。ここから郡司が発進。新山が下がった影響で小原が続けず,単騎に。しかしこの動きで脇本がインに包まれてしまい,そのまま郡司が寺崎を捲ったので古性が郡司にスイッチ。追い上げてきたのが佐々木で,それを郡司自身がブロック。このためにインが空き,そこを突いた古性が直線で先頭に立って優勝。郡司から離れたので古性マークになった小原が1車身差で2着。佐々木の動きに乗って大外を追い込んだ河端が4分の3車身差で3着。郡司の牽制を受けてから立て直した佐々木が4分の1車輪差で4着。
 優勝した大阪の古性優作選手は8月末からの富山記念以来の優勝。ビッグはオールスター競輪以来で9勝目。寛仁親王牌は昨年が完全優勝でしたので連覇となる2勝目。このレースは寺崎の先行が有力なので,脇本と古性の優勝争いとみていました。新山が叩きにいって脇本の外で併走になるというのは意外な展開でしたが,番手は守れましたので,そこまではよかったと思います。郡司が上がってきたとき脇本は発進するべきだったのですが,内に入ってしまったので不発に。もしかしたらこのようなケースでは寺崎が郡司を牽制するために外に行き,内が空くという作戦があったのかもしれませんが,そうとでも考えないと不可解ではありました。古性はそこで機敏に郡司を追ったのが優勝の要因でしょう。郡司が自身で牽制にいったのでインが空いたのはラッキーでしたが,このラッキーがなくても優勝だったのではないかと思います。レース自体はとても激しく,面白いものでした。

 設定自体が不自然ではなく,大筋のプロットに対する肉付け部分の説明が真実らしく思われないというのは,その作品が創作物であるということを強化する要素になります。しかし僕の考えでは,まさにこの点が,『レンブラントの生涯と時代The life and times of Rembrandt』が純粋な創作物であるということを疑わしくさせるのです。その理由は,これがヘンドリックHendrik Wilem van Loonの純粋な創作物であると仮定したときに,ヘンドリックがそれをどのような意図で著したのかということと関係します。
                            
 ヘンドリックはこれを,自身の先祖に当たるファン・ローンJoanis van Loonが書いたものであるとして,それを自身が翻訳したとしています。つまり,実際の著者はファン・ローンで,ヘンドリックではないという前提で,ヘンドリックはこれを発刊しています。そしてファン・ローンが書いたとされているのが,『レンブラントの生涯と時代』です。したがってその内容はファン・ローンが見聞きしたことであって,ファン・ローンが見聞きしたことである以上,それは史実であるということもまた前提されているとしなければなりません。
 このような前提でこれをヘンドリックが書いたのだとしたら,ヘンドリックはその内容をリアルなものとして書くことになるでしょう。前提がリアルな史実であるということなのですから,内容もまたそうしたものとして創作しなければなりません。もちろんこうした創作の中にはいくらかの脚色が入りますが,そうした脚色というのは作品の内容が史実であるということを失わせるようなものとなることはあり得ず,むしろそれを強化するものにならなければおかしいのです。ところが実際は,それが脚色であるとすれば,リアルな出来事であったということを失わせるような脚色が多く入り込んでいるのです。これは単にヘンドリックが作家として無能であったというか,そうでなければ実際にはそれは脚色ではなく,ヘンドリックが実際にあたった資料に,そのままではないとしてもそれに近いことが書かれていたからかのどちらかでなければなりません。しかしヘンドリックは吉田がいうように,職業作家として生きていたのですから,作家として無能であったということはできないでしょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 菊花賞&設定 | トップ | 加古川青流戦&脚色 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

競輪」カテゴリの最新記事