犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ヘヴン

2019年08月12日 | よみものみもの
[あらすじ] 『凪のお暇』を観ては親子関係というものにウンザリし、
『警視庁0係』を観ては空気を読まない清々しさを感じる。

漫画原作のテレビドラマが多いことに驚く。
子ども向けのものやコメディや時代劇ならとうの昔から有った。
そういうのはむしろ「実写化」と呼んでいた。
そうではなく、ドラマ性の有るストーリー漫画をテレビドラマ化するというのが
パターンとして今は有る。

今期の『凪の』もそうだし、
以前ここでコメントした『きのう何食べた?』や『フルーツ宅配便』もそうだ。
むしろストーリー漫画のほうが多いようにも見えるが、
これは漫画業界の側の傾向なのかもしれない。



そんな中、私がお気楽に観ているのが、『Heaven? ご苦楽レストラン』だ。

原作は『動物のお医者さん』で人気を博した佐々木倫子の同名漫画である。
佐々木倫子の『おたんこナース』から『チャンネルはそのまま!』に至る
「仕事できない、おっちょこちょい、言ってしまえばパー」なキャラクターづくりは
すばらしい。

パー以外にも、「わがまま」「不遜」「面倒見が良い」「自信が無い」「抜け目ない」など
登場人物の性格で話を作ることが得意な作家だと思う。

ただ、パーが出色なのである。
パーキャラクターの失敗を「やっぱり…」と安心して観ていられる。
「今回もやってくれる」という信頼感が湧く。

舞台は、どの駅からも遠く、墓地を抜けた先に開店した、
フレンチ・レストランLoin d'ici(ロワン・ディシ:この世の果て)。

毎晩、客席で食事する「わがまま」なオーナーを演じる石原さとみさん、
「便利に使われる」シェフドラン役の福士蒼汰さんをはじめ、
キャスティングが見ものだ。
コメディであることも手伝って、これはドラマ化というより実写化と言いたくなるが、
それだけ見事なのも、俳優陣の演技力有ってのものなので、やはりドラマ化と言うべきか。

中でも「パー」役が志尊淳さんなのがぴったりと言ったら失礼なのか。
まったく仕事が身に付かない給料泥棒のコミドラン、皿は割るカーテンは破くグラスの脚は折る。
でもなんだかとっても楽しそうに仕事をしていて憎めないのだ。

原作は1999年から2003年の連載なので、15年以上経ってからのドラマ化である。
なぜこんなに遅かったのだろう。
なぜ今になってドラマ化されたのだろう。
それは、志尊淳という俳優さんが、このパーを演じられるようになるまでの年月であったのだ。
と言いたくなるほどのぴったりぶりだ。



繰り返し観られるテレビドラマというのはなかなか無いが、これはイケる。楽しい。
原作を引っぱり出して、久々に読むとするか。
ね?伊賀くん

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