サンスクリットを独習し始めたのが、えーと、2016年の秋頃だから、
何、7年半前か。
その後、こりゃあ手に負えねえと思って、検索しまくり、
東大仏教青年会の講座を見付けて、隔週の初級講座に通った。
その上には上級講座が有ったが、
上級講座は上級過ぎて、とても付いて行けなかった。
困った。
初級文法を終えたくらいで読めるようなテキストを探して、読んでみたりした。
文法書の尻に付録していたり、
解説や語彙集が付いている読本を手に入れてみたり。
しかし、導き無しでは険しかった。
2020年、コロナ禍の世になり、講座がオンライン化した。
それと同時に、中級コースが設けられた。
アップアップしていたところに、ゴムボートが投げられた感じだ。
ありがたい。
※
以下は、自力で見付けたり、講座で教わったりしたものの一部だ。
●図書館はここ
サンスクリット研究が盛んであった19世紀末の刊本から、
20世紀半ばの著作権切れの本などが閲覧できる。
ログインすればMy favoritesリストが作れる。
本棚を眺めることができて、楽しいったらありゃしない。
https://archive.org/
画像ではなく、データで見られるのはこちら。
https://sanskritdocuments.org/上記アーカイブのPDF画像が不鮮明だったりしたら、
こちらで探してテキストを確認したりしている。
archive.orgのテキストデータは、
おそらくAIに刊本の画像を読み取らせているようなのだが、
AIがまだまだデーヴァナーガリーの読みに関してアホ過ぎて、
使いものにならない。
●コンバータ
デーヴァナーガリーを入力したい時には、
PCにインド文字を設定することもできる。
数年前に較べたら非常に使いやすくなってきているけれど、
いまひとつなのね。
今は、こちらのサイトで変換させてコピー&ペーストしている。
https://aksharamukha.appspot.com/converter
ローマ字入力方式を、「京都ハーヴァード式」と呼んでいるのは日本だけだ
と思い知る。
世間じゃ「Harvard-Kyoto Convention」なのね。
●辞書検索サイト
ケルン大学のサイトに、各種の辞典が集められていて、引くことができる。
いやー、便利。
https://www.sanskrit-lexicon.uni-koeln.de/でも、辞書というのは、一つを引けば済むものではない。
それぞれに得意不得意が有り、一長一短なんである。
だから、一つの語について複数の辞書を引かなきゃ分からないことも多い。
そんな面倒を一気に解消するのがこちら。
https://sanskritkosha.com/about?search=
上記サイトに在る辞書を横断検索して結果が表示される。
超絶便利で鼻血ブーである。
これで、エジャトンもヴァーチャスパッティヤムも、
アプテやモニエルと同時に見られる。
ついでに、結果を表示する辞書の順序も設定できて至れり尽くせり。
でも、梵英辞典ばかりでなく、
梵梵辞典や文法辞典などの結果が目に入ることも、とても勉強になる。
AbhyankarのA Dictionary of Sanskrit Grammarや、
अमरकोशःはもちろん、शब्दकल्पद्रुमःやवाचस्पत्यम्なんか、
横断検索じゃなかったら見ていなかった。
紙の辞書を引くみたいに、周囲の情報が目に入ることって、
とても学びが広がる。
グイグイ押し広げられる。
●仏教混淆梵語
日本人でサンスクリットを学ぼうなんて思う人の多くは、
「仏典を原語で読みたい」という志を持つ人が多いのではないか。
私も少しそういう部分が有った。
そして、学び始めてしばらくしてから、
原始仏典がパーリ語だということを知ったり、
サンスクリットだとしても「Buddhist Hybrid Sanskrit」という、
言わば仏教徒訛りのサンスクリットが用いられていることを知った。
BHSで書かれた仏典は、古典サンスクリットを読むのとひと味違うので、
私にとっては結構難しく感じる。
このBHS研究の第一人者がエジャトンつう人で、
この人の書いた文法書と辞書が必携書となる。
これも上記ケルン大学のサイトや、アーカイブorg.で見られる。
『grammar』は夥しい量の細則が書かれていて、オエっとなるので、
私は寄り付かない。
古典サンスクリットと何が違うのか、
大まかなところをエジャトンが講義で話したものが、本になっていて、和訳もされている。
久留宮円秀訳『仏典のことば-仏教混淆梵語十講』
まずはこれを読むのがいいと思った。
私は今年になって入手して読んだが、もっと早く読みたかったと思った。
しかし、もっと早く読んだら理解しきれていなかったかもしれないとも思う。
エジャトンのBHS合本には撰文も付いている。
梵語仏典を読む入門になるんだろう。
https://archive.org/details/buddhisthybridsanskritgrammaranddictionaryvolume1grammarfranklinedgertonmlbd_992_/page/158/mode/2up
つづく
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