ナメクジ(以下Nと略)もゴキブリ(以下Gと略)も、室内でほとんど見なくなった。
※
Nは、しばしば風呂場や台所に入ってきた。
風呂場に出たのは、歯ブラシで横から掬い取るようにして、窓から弾き出した。
これは感触も分からないし、歯ブラシで取ると離れが良い。
台所に居るのを見付けたら、割り箸で摘まんで割り箸ごと窓から投げ出したりした。
しかし、割り箸で摘まむと、感触が手に伝わる。
ウニャリと軟らかくしかしどこかコリッとした身なのが箸から伝わる。
どうもあんまり気分は良くない。
大体、台所には本当にいて欲しくない。
シンクの横の、洗った食器の水切りの辺りを歩き回っているらしい。
それで食器は洗ったことになるのだろうか。知ーらない。
Nが這うのは、老母の洗った食器だ。
きれいに洗っていないからだろう。
掃除もするが、洗えていない食器は毎食積み重ねられるので、
私の作業は追い付かない。
本人もNの這った器を使っても何に感染するでもないので、かまうものか。
死ななきゃなんでもいい。
※
ゴキブリの語源はゴキカブリつまり御器かぶり、
つまり食器にかじり付くもの、という意味であり、
ナメクジはナメクジリつまり舐めて葉に穴をあけるもの、という意味だという。
我が家の場合はゴキナメか。
嗚呼、コンビ略称のようだな。
※
一昨年くらいのこと、小雨の降り出したある日の夕方、洗濯物を取り込みに急いだ。
家の北側の壁、つまり風呂場と台所の外側を見たら、
地面から一斉に数十匹のナメクジが這い上がって行くところだった。
雨じゃ雨じゃ恵の雨じゃ、登れ登れ今なら這える
窓は近いぞ、登れ登れ、
うまい食器を舐めに行こう。
いえ別に私はNの声を聞く聴能力は持っていませんけどね。
※
食器を洗えていないで置いているのは、
ナメクジを誘致しているようなものだ。
母は、ともするとその食器を食器棚に片付けたりもした。
さらに食器棚にまでいざなうつもりか。
そのNを、母の入居後はお一方もお見掛け申し上げない。
良し。
※
Gは、特に若い者に限って、2,3度見かけたか。
掃除する中で、空の卵鞘を見たことも有るので、油断はできぬ。
アシダカグモが数匹、この家に棲んでいるようなので、
餌になるものも多くいるのだろう。
※
長梅雨であった。
家の中に湿気がたまった。
あちこちにカビが生えた。
母が身の周りに置いていた物は、いち早くモコモコと生えた。
口の中に食べかすが有り、垂涎も多いので、
母の行動範囲は全て、カビのための栄養を散布しているようなものだった。
コロナ騒ぎの今、入手しにくい貴重なアルコールをスプレーし、拭く。
そうでもしないと、本当に家中がカビだらけになるのだ。
アルコールで拭く作業は、一度にそんなにたくさんはできない。
そして翌日、また別の所がモコモコしているのを発見する。
手すりの裏側だとか、部屋の隅や、棚の中、引き出しの裏、
母の行動範囲は、順次モコモコする。
汚れているのは、見えるほどでもなかったりする。
しかし、そこに盛んにカビが生えてコロニーがモコモコすると、可視化する。
「あらここはまだ拭いてないわね。」と
姑に指摘されているような気持ちになりながら、アルコールで拭く。
和室の押し入れの柱の、下から20㎝~60㎝くらいの範囲がモコモコした。
和室の入り口の段差が危険だから、母は和室に入らない約束であった。
が、時にこっそり入って、押し入れの中の物をいじっていたようだ。
犯人の手の跡が、モコモコと可視化する。
※
梅雨が明けた。
あの長梅雨を経てみると、ぐっと湿度が下がって、
暑いわりには風が気持ち良い気がする。
湿度は下がったが、気温が上がったこともカビには都合が良い。
いましばらく、闘いは続きそうだ。
※
Nは、しばしば風呂場や台所に入ってきた。
風呂場に出たのは、歯ブラシで横から掬い取るようにして、窓から弾き出した。
これは感触も分からないし、歯ブラシで取ると離れが良い。
台所に居るのを見付けたら、割り箸で摘まんで割り箸ごと窓から投げ出したりした。
しかし、割り箸で摘まむと、感触が手に伝わる。
ウニャリと軟らかくしかしどこかコリッとした身なのが箸から伝わる。
どうもあんまり気分は良くない。
大体、台所には本当にいて欲しくない。
シンクの横の、洗った食器の水切りの辺りを歩き回っているらしい。
それで食器は洗ったことになるのだろうか。知ーらない。
Nが這うのは、老母の洗った食器だ。
きれいに洗っていないからだろう。
掃除もするが、洗えていない食器は毎食積み重ねられるので、
私の作業は追い付かない。
本人もNの這った器を使っても何に感染するでもないので、かまうものか。
死ななきゃなんでもいい。
※
ゴキブリの語源はゴキカブリつまり御器かぶり、
つまり食器にかじり付くもの、という意味であり、
ナメクジはナメクジリつまり舐めて葉に穴をあけるもの、という意味だという。
我が家の場合はゴキナメか。
嗚呼、コンビ略称のようだな。
※
一昨年くらいのこと、小雨の降り出したある日の夕方、洗濯物を取り込みに急いだ。
家の北側の壁、つまり風呂場と台所の外側を見たら、
地面から一斉に数十匹のナメクジが這い上がって行くところだった。
雨じゃ雨じゃ恵の雨じゃ、登れ登れ今なら這える
窓は近いぞ、登れ登れ、
うまい食器を舐めに行こう。
いえ別に私はNの声を聞く聴能力は持っていませんけどね。
※
食器を洗えていないで置いているのは、
ナメクジを誘致しているようなものだ。
母は、ともするとその食器を食器棚に片付けたりもした。
さらに食器棚にまでいざなうつもりか。
そのNを、母の入居後はお一方もお見掛け申し上げない。
良し。
※
Gは、特に若い者に限って、2,3度見かけたか。
掃除する中で、空の卵鞘を見たことも有るので、油断はできぬ。
アシダカグモが数匹、この家に棲んでいるようなので、
餌になるものも多くいるのだろう。
※
長梅雨であった。
家の中に湿気がたまった。
あちこちにカビが生えた。
母が身の周りに置いていた物は、いち早くモコモコと生えた。
口の中に食べかすが有り、垂涎も多いので、
母の行動範囲は全て、カビのための栄養を散布しているようなものだった。
コロナ騒ぎの今、入手しにくい貴重なアルコールをスプレーし、拭く。
そうでもしないと、本当に家中がカビだらけになるのだ。
アルコールで拭く作業は、一度にそんなにたくさんはできない。
そして翌日、また別の所がモコモコしているのを発見する。
手すりの裏側だとか、部屋の隅や、棚の中、引き出しの裏、
母の行動範囲は、順次モコモコする。
汚れているのは、見えるほどでもなかったりする。
しかし、そこに盛んにカビが生えてコロニーがモコモコすると、可視化する。
「あらここはまだ拭いてないわね。」と
姑に指摘されているような気持ちになりながら、アルコールで拭く。
和室の押し入れの柱の、下から20㎝~60㎝くらいの範囲がモコモコした。
和室の入り口の段差が危険だから、母は和室に入らない約束であった。
が、時にこっそり入って、押し入れの中の物をいじっていたようだ。
犯人の手の跡が、モコモコと可視化する。
※
梅雨が明けた。
あの長梅雨を経てみると、ぐっと湿度が下がって、
暑いわりには風が気持ち良い気がする。
湿度は下がったが、気温が上がったこともカビには都合が良い。
いましばらく、闘いは続きそうだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます