犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ショートステイ一日目 午後篇

2019年09月26日 | 介護ウチのバヤイ
[あらすじ] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々、ショートステイ。

お迎えの14時に向けて、私は荷造りをしていた。
午前中に買い物に出たらワインが安売りになっていて、
ほくほくと友人Vに写メして誘ってみたりして。

ふと見ると、母が着替えている。
昼ご飯の途中にエプロンをかけてあげたのだが、
それまでその後か分からないが、こぼして汚したのだろう、
どこやらをごしごし洗っている様子だった。
だから着替えるのだろう。

と、見ると、手に、オムツから外したパッドを持っている。
捨てに行くのかなとよく見ると、便がこぼれ出そうになっている。
こぼしながら気付かずに歩き回ったらだいべんだ。いや、たいへんだ。
慌てて、動かないで!と言って、パッドを渡してもらう。

本人は、動くなと言われることも、自分で処理しようとしたパッドを取られることも
気に入らない。
自立心は良いことなのだが、被害が拡大するのは困る。

そのまま立っているように念を押して、パッドを一旦置きに行った。
念を押さないと、椅子に腰かけてしまう。

トイレットペーパーやらゴミ袋やら濡れタオルやらを用意して、
お尻を拭く。
座ったまま便が出てしまったのだろう。べったりだ。

なんとかほぼ取れた頃に
「痛くなってきた」と言う。
こすって拭くと痛くなってしまうのだ。
ここから先はショートステイにお願いしよう。

と思ったら、珍しく10分早くお迎えが来た。
状況を説明する。
「わかりました。荷物だけ持って行っておきましょうか?」
いやそんなわけで荷造りも終わってなくて。

といった次第で、怒涛の送り出しであった。



初日の夕。
ああもう今日は掃除と洗濯だけで終わりにしよう。
誰が来るでもないってステキ。
好きな時間に風呂に入れるってステキ。
台所がきれいに使えるってステキ。

掃除している時、私は神経を尖らしているのだろうか、
それとも単にあっち行ったりこっち行ったりするせいだろうか、
飼い犬ジーロくん14歳が、
足元を付いて歩いて非常にお邪魔である。

夕方、私が掃除を切り上げて料理をし始めたら、安心したのか
自分の寝床で寝始めた。
すまんな、半日、落ち着かなかったな。

介護士さんも来ないから、人感センサーで玄関や洗面所に灯りが点くようにしているのも、
OFFにしとこう。

家に誰も来ないって、落ち着くわー



虫の声が聞こえるばかり。
やけに静かだな、ここは。

陽極まれば陰に転ず。
送り出しと掃除洗濯の喧噪が嘘のようだ。

平和だったんだな、世界は。



介護ベッドで寝ていたら、玄関の開く音がする。
???
ひえ?
何者?

跳ね起きて、部屋を出る。
自動の電灯も点かない真っ暗な中、
誰かの姿が闇に浮かぶ。
「こんばんは~」と女性の声。


どなた?
「〇〇です。」
ショートです。
「?」
ショートステイ中です。
「・・・
ああああっ!忘れてた!!」
先週は憶えてたのにね…。

夜勤の介護士さんが来てくれてしまったのだ。
「誰も言ってくれなかったーー」

夜道を2㎞、自転車で。
ご苦労さんでした。
すみませんです。

「起きてて良かったー」と介護士さんは言ったが、
寝ていたのだ。
もし目が覚めないくらいぐっすり眠っていたら、
介護されるところだったわ。
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