犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

みぢかなおさべつ

2019年07月23日 | 椰子の実の中
[あらすじ] 女友達とおしゃべりしていると、「母と娘の関係」や「親の介護」の話題が多いよ。


「母」というものは、「家族の中の女性代表」として、強くジェンダーに囚われてきている。
「娘」はその「母」を「補佐」するジェンダー、のような観念が有ったと思う。
ただ、娘の世代になると、そういった性別役割の観念が、前世代よりは弱まっている。
"娘がちゃんと家庭の中の役割を果たさない"と見えるのには、
「母」が親だからという単純な理由と、「母」が一つ前の世代だからという格差が関わっていると思う。

そういう、ちょいと古いジェンダー認識を持つ世代の人を
比較的新しいジェンダー認識を持つ我々が、介護するわけである。
そりゃあ、ご期待に沿えない部分も多々出てくると思う。



近年、介護に関しては状況がかなり変わった。
高齢者の人口割合が増え、家族だけで介護するものではないという意識も広がってきた。
実際のところ、家の中だけでは間に合わないのである。

そういう中でも、まだまだ「家族」の中で特に女性の負担は大きいように見える。



私が生まれた時、当時としては”マルコー“つまり高齢出産だった。
今では36歳で出産など珍しくもないだろうが、
当時はそんなハンコがつかれたのだ。
同世代の中で私は親が高齢のほうだ。

ただ、齢を取って介護というのと、病気を持って自宅療養というのと、
家の中ではあれこれ同時に起こるものだ。
私の親より若い親たちでも、病みついたり認知症になったりしている。



親世代の世話を見ることで、接触が多くなる。
別々に暮らしていても、会いに行く頻度が高くなったり、
離れて暮らしていても、電話が多くなったり、
同居なら同居で付き添う時間が増えたり。

会話が増える。
あれこれの話をする。
その中で、親の価値観に触れることになる。



私も先日ここで、母が板前と結婚した知人を珍しいと言った話を書いた。
職業に何かしらの格差をもって見ているのだ。
イヤなことだと思っていたが、どうも、
友達と話していると、底の泥からボコボコとガスが湧き出て来る。
いろんな友達の、いろんな親が、あの手この手で人を見下げる。

「公務員じゃないとダメ」と言うとか、
逆に「公務員をバカにしている」とか、
「サラリーマンを見下している」とか、
逆に「自営業じゃ気楽だな」と言うとか、
「大学も出ていないのか」と言うとか、
逆に「教師は学校しか見ていなくて社会を知らない」と言うとか、
出るわ出るわ。

職業、学歴、貧富、出身、
どこに住んでいるか、政治思想は、宗教は、
なんならその人の親の職業までさかのぼって人を見る。

何十年と生きている中で、たくさんの経験あるいはほんのいくつかの経験で
印象付けられたのであろう偏った見方を、
自分の子どもには気を許してしゃべってしまうのだろうか。
いやいや、多くの子どもが自分の親の偏見をひどく不快に思っている。



そのくせ何かの折に「差別はいけない」などと言ったりするから
こちらは自分の鼓膜がどうかしたかと思う。



何かとこじつけて人を見下すことをする人を
尊敬するのは難しい。

そして、友達が口を揃えて言うのが、
「自分もあんなになるのかと思うと怖いわ。」

そりゃもう、自分次第。
反面教師にしっかり習うか、影響されてしまうのか、どうか。

「なるのかと思う」のは怖い。
ここは、「なるまい。」と言い切って、生きよう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 気のおけない | トップ | ただ聞く愉しさ »

コメントを投稿

椰子の実の中」カテゴリの最新記事