犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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剥がれやすシール

2020年12月06日 | Do it myself
[あらすじ] 明大前ハナムラ楽器で5本目のウクレレを作ってもらった。

ハナムラ楽器はよく鳴る。
アコースティックも単板一枚板ラッカー仕上げ。
エレキも単板一枚板ラッカー仕上げ。
エレキのボディ材は、店の中に山と積んである。
この中から選んで使って作ってもらうこともできる。

単板一枚板とは何か。

単板一枚板の反対は、合板集成板だ。

合板というのは、ベニヤ板つまり、薄い板が接着剤で貼り合わせてある板のことだ。
ベニヤは、木目の方向が縦横交互になるように重ねてある。
このことによって、薄くても丈夫な板になっている。
楽器として振動させるためには、このことは邪魔になる。

ベニヤは厚みについて複数の材を組み合わせているが、
集成板は面積について複数の材を組み合わせている。
ギターなどの場合は、二枚の板を真ん中で貼り合わせていることが多い。

一枚に見えても、何枚もの板を貼り合わせて作ってある楽器は多い。
上から塗装してあって木目も見えない。
この塗装も、分厚く塗ってあると板の響きを妨げる。
せっかくの材でも、ウレタンを分厚く塗ってしまったら響きを損ねる。
ツヤッツヤの楽器は鳴りが悪いのだ、残念ながら。

板に何かをくっ付けることはこれも振動を抑える。
ただし、楽器としてある一つの音高を聞かせるためには、
ある程度の倍音はカットしなければならない。
楽器が複雑な構造で、あちこちに部品が付いているのは、
実はちょうどよく倍音がカットされるようになっている。

トランペットの指掛けのフックなども、
位置や形状や材質や接着面積など様々な要素を工夫して、
好みの音色が出るようにする人もいる。
指を掛けるだけの部品ではないのだ。

ラッカーの揮発成分が人体に問題が有るとして、
ラッカーを用いずにウレタン薄塗りで仕上げる工房も有るようだ。
薄塗りだから響きに影響しないという。
水性ウレタン塗料を使っている、ということなのだろう。

揮発しちゃえば問題無いだろうから、
これは楽器オーナーのためというよりは
小さな工房で働く製作者自身のためなのだろう。

高校の時、美術の先生が言ってたな。
油絵科の連中は常にシンナー吸ってるようなもんだからみんなオカシい、と。
つまり先生もね、と思いながら聞いていた。



もとい。
単板一枚板ラッカー仕上げ
これがハナムラ楽器の基本だ。

トーンホールから中を覗いてみると、
オールラッカー
オール単板一枚板
表ーーシダー柾目単板一枚板
側ーースプルス単板一枚板
裏ーースプルス柾目単板一枚板
と書いた紙が貼ってあるのが見える。
ロゴマークも入っている。

ヘッドにもロゴマークのシールが貼ってある。

ハナムラ楽器の欠点を言うよ。
このシールが剥がれやすいんだよ。



新しく作ってもらったテナーウクレレを受け取りに行った。
いつも、ちょくちょく行って工程を見たいと思うのだけれど、
そんなに通ったためしは無い。

今回もきれいに完成していた。

が、
よく見ると、ヘッドのロゴマークが貼ってない。

よっしゃ!

実は、ハナムラ楽器のロゴマークシールに私は不満が有った。
双葉のイラストの下にHANAMURAと文字が入っているが、
これをハナさんは輪郭に沿って切り取って貼っている。

すると、双葉の先っちょの尖った部分から剥がれてきてしまうのだ。

写真は私のハナムラウクレレのヘッドである。
一番右に写っているのが新しいもの。
左3本は全て、シールの右上、双葉の先っちょがピラリと剥がれかけている。
もう1本は剥がれ過ぎたので接着剤で貼り直したほどだ。

シールというのはそういうものだ。
角が有ると、そこから剥がれる。
何かと引っ掛かって剥がれることも有るし、
些細な力が集中する一点になり得る。

ハナさん、シールは角が有るとそっから剥がれるんだよ。
だから、なるべくなら楕円形に切って貼ったらいいのよ。
「へえ、そういうもんかい。」
楽器作りに卓越していても、意外な事を知らなかったりするもんだ。
「じゃあシールあげるからさ、須山ちゃん自分で貼ってくれよ。」
わあ、やった、ありがとう!

ロゴを印刷したシールのシートを見ると、
楕円に切れないほど隙間なく印刷してある。
なるほど、印刷の発注も変えなけりゃならない。
余白を多く取るから、経費もかかる。
ううむ。



もらったシートから、なるべく角を作らないように、
なるべく曲線のRが大きくなるように切り取って、
ヘッドの隙間に貼り付けた。
ながもちするといいなあ。



自分の他の楽器のシールはまだ貼り替えていない。
というわけで、手元にハナムラ楽器のロゴシールが有る。
ハナさんの死後、テキトーな楽器にこれを貼り付けて高く転売・・・
ぐえっへっへ



書き終わって、机の上に置いたウクレレを見る。
トーンホールから、ボディの中、ネックの付け根部分が見える。
紙が貼ってある。
これは初めて気付いた。

完完全ラッカー
完全単板一枚板

しつこいなあ。
ってか漢字変換おかしいし
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