ソファを買った。
もう何ヶ月も前のことだ。
近所のリサイクルショップで買った。
大型チェーン店の一つである。
ダラけながら本を読むために、
自分一人がゴロゴロできる程度のソファを求めていた。
店頭に、ちょうど良さげな物が出ていた。
充分に大きく、邪魔になるほどどっしりしてはいない。
本当にこれでいいのか。
2回は店に足を運んで、何度もそのソファに試しに腰かけてみた。
いいや座ったくらいじゃ分からねえ、実際に使うようにしてみなきゃ
ってんで、寝転がってみたりもした。
そうして、自分の体格に合うし、
やたらに柔らか過ぎないし、
角度も適当に調節できることを確認した。
そうして7000円足らずの中古ソファを買うことを
やっと決断した。
※
車に積んで自宅に持ち帰り、部屋に運び込んだ。
新しいものはとりあえずなんでも怖がる
飼い犬ウーゴくんが、オロオロしている。
想定内である。
まあ、ゆっくり慣れてもらおう。
ほくほく。
ゆっくりと腰を下ろし、身を沈める。
む。
むむ。
むううう~ん。
オエエエエ。
におう!
におう!!
芳香剤のおケミカルなかをりが私の嗅脳を撃ち貫いてくる。
※
私はこの手の’良い香り’が非常に苦手なのだ。
「くさい」
のではない。
吐き気がしたり、頭痛がしてくるのだ。
良いにおいか悪いにおいかという、快不快の問題ではないのである。
スーパーやドラッグストアなどでも、
洗剤のコーナーは気持ち悪いので寄り付かない。
ホームセンターの自動車用品コーナーも
芳香剤のニオイがひどい。
デパートの一階、化粧品フロアなんかもってのほかである。
道ですれ違う人のリンスのニオイや
柔軟剤の’香り’で吐き気がすることもしばしばである。
※
大体、こんな作りものの刺激臭を「芳香」と呼ぶ気も知れない。
なんとかしてこのニオイを消したい。
※
店頭で座ったり寝転がったりしてみた時に、なぜ気付かなかったのだろう。
そう思うくらい、においは強い。
町や店の中は様々なにおいで満ちている。
今さらソファだけのにおいを気にするでもないくらい、
さすがの私の鼻も感覚を鈍らせていたのだろう。
※
アルコールをスプレーしてみた。
消えない。
クエン酸か?重曹か?
試してみた。
なんたって紫外線でしょ。
日向に置いた。
途中で、カバーが外せることに気付いた。
カバーを洗濯した。
マシになった…か。
本体に仮にかぶせて横になってみたが、
落ち着くにはほど遠いほどにおう。
※
インターネットで検索してみると、
芳香剤のニオイを消したい人は沢山いるようだ。
芳香剤がどのような仕組みで’香り長もち’させているのか、
そのカプセルを壊してニオイを放散させて消すためにはどうすれば良いか、
情報は有った。
ご推奨の洗剤を買って、洗濯してみた。
夕方、乾いたカバーを物干し竿から取りながら、
もう大丈夫なのが分かった。
すごいわ。
ソファ本体にかぶせて寝転がってみた。
おや?
まだにおう。
うええ。
まだにおう。
仕方ない。
もう一度、洗濯してみよう。
※
といったところで、気付いた。
カバーではない。
本体だ。
本体のウレタンからにおっているのだ。
本体は洗えない。
仕方ないので、アルコールをスプレーしたり、
天日に晒したりした。
何日も日向に置いていて、
これでは芳香が消えるのが先か、ウレタンが劣化するのが先か
分かりゃしないわい。
と思った頃に、
ほぼにおわなくなった。
※
ほっとしたが、
寝転がってみると、なんとなくカビくさい。
このカビ臭さをごまかすための芳香剤だったのではないか。
毒をもって毒を制すだなあ。
いや、隣の部屋からのカビ臭だろうか。
もうなんだか分からない。
※
それから数ヶ月。
気付けばカビ臭さも無くなった。
平和である。
むしろ、私の後頭部からの加齢臭が浸み付かないように…
もう何ヶ月も前のことだ。
近所のリサイクルショップで買った。
大型チェーン店の一つである。
ダラけながら本を読むために、
自分一人がゴロゴロできる程度のソファを求めていた。
店頭に、ちょうど良さげな物が出ていた。
充分に大きく、邪魔になるほどどっしりしてはいない。
本当にこれでいいのか。
2回は店に足を運んで、何度もそのソファに試しに腰かけてみた。
いいや座ったくらいじゃ分からねえ、実際に使うようにしてみなきゃ
ってんで、寝転がってみたりもした。
そうして、自分の体格に合うし、
やたらに柔らか過ぎないし、
角度も適当に調節できることを確認した。
そうして7000円足らずの中古ソファを買うことを
やっと決断した。
※
車に積んで自宅に持ち帰り、部屋に運び込んだ。
新しいものはとりあえずなんでも怖がる
飼い犬ウーゴくんが、オロオロしている。
想定内である。
まあ、ゆっくり慣れてもらおう。
ほくほく。
ゆっくりと腰を下ろし、身を沈める。
む。
むむ。
むううう~ん。
オエエエエ。
におう!
におう!!
芳香剤のおケミカルなかをりが私の嗅脳を撃ち貫いてくる。
※
私はこの手の’良い香り’が非常に苦手なのだ。
「くさい」
のではない。
吐き気がしたり、頭痛がしてくるのだ。
良いにおいか悪いにおいかという、快不快の問題ではないのである。
スーパーやドラッグストアなどでも、
洗剤のコーナーは気持ち悪いので寄り付かない。
ホームセンターの自動車用品コーナーも
芳香剤のニオイがひどい。
デパートの一階、化粧品フロアなんかもってのほかである。
道ですれ違う人のリンスのニオイや
柔軟剤の’香り’で吐き気がすることもしばしばである。
※
大体、こんな作りものの刺激臭を「芳香」と呼ぶ気も知れない。
なんとかしてこのニオイを消したい。
※
店頭で座ったり寝転がったりしてみた時に、なぜ気付かなかったのだろう。
そう思うくらい、においは強い。
町や店の中は様々なにおいで満ちている。
今さらソファだけのにおいを気にするでもないくらい、
さすがの私の鼻も感覚を鈍らせていたのだろう。
※
アルコールをスプレーしてみた。
消えない。
クエン酸か?重曹か?
試してみた。
なんたって紫外線でしょ。
日向に置いた。
途中で、カバーが外せることに気付いた。
カバーを洗濯した。
マシになった…か。
本体に仮にかぶせて横になってみたが、
落ち着くにはほど遠いほどにおう。
※
インターネットで検索してみると、
芳香剤のニオイを消したい人は沢山いるようだ。
芳香剤がどのような仕組みで’香り長もち’させているのか、
そのカプセルを壊してニオイを放散させて消すためにはどうすれば良いか、
情報は有った。
ご推奨の洗剤を買って、洗濯してみた。
夕方、乾いたカバーを物干し竿から取りながら、
もう大丈夫なのが分かった。
すごいわ。
ソファ本体にかぶせて寝転がってみた。
おや?
まだにおう。
うええ。
まだにおう。
仕方ない。
もう一度、洗濯してみよう。
※
といったところで、気付いた。
カバーではない。
本体だ。
本体のウレタンからにおっているのだ。
本体は洗えない。
仕方ないので、アルコールをスプレーしたり、
天日に晒したりした。
何日も日向に置いていて、
これでは芳香が消えるのが先か、ウレタンが劣化するのが先か
分かりゃしないわい。
と思った頃に、
ほぼにおわなくなった。
※
ほっとしたが、
寝転がってみると、なんとなくカビくさい。
このカビ臭さをごまかすための芳香剤だったのではないか。
毒をもって毒を制すだなあ。
いや、隣の部屋からのカビ臭だろうか。
もうなんだか分からない。
※
それから数ヶ月。
気付けばカビ臭さも無くなった。
平和である。
むしろ、私の後頭部からの加齢臭が浸み付かないように…
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