[あらすじ] 新宿二丁目の女性専用バー、鉄板女酒場どろぶねが営業自粛期間を利用して大改装するにあたって、
カウンターを担当することになったよ。
まるでアップライトピアノのような艶黒のカウンターの、縁を削って古い塗装を剥ぎ落とす。
写真が、ディスクグラインダーで古い塗装を剥がしつつ、
縁の材の段差を削り落としている途中の様子である。
マスクも顔も目の周りの小鼻のわきも鼻の穴の中も
おがくずで真っ黄色になった。
ろくすっぽ顔も洗わず、新宿の街を歩いて電車に乗って帰って来たものだが、
かなり小汚かったと思う。
※
オーナーSさんが、「お店の近くに材木店が有るんですよ。」と言う。
4人掛けの席のテーブルは、そこで買った天然木の板で自作したそうだ。
すごいな。
分厚い天然木の板だが、数千円だったと言う。
そりゃ安い。
新宿通りのすぐ裏通り、こんなに地価の高そうな場所に、
在庫豊富な材木店が有るとは、思いも寄らなかった。
カウンターの天板の上に化粧板として貼るだけなので、
薄い板を買ってきた。
※
しかしまず、既存の棚を撤去せねばならない。
近所の酒販店からもらってきたという、ワイン箱を横向きに並べてある。
カウンターに釘で打ち付けてある。
箱と箱とは、ガンタッカーで繋いである。
コの字の形の針を、ホッチキスのデカいので打ち込む工具だ。
ガンタッカーは私にとって長らく憧れの工具だった。
ガンタッカーじゃないとできない事って、そんなに無いので、
ずっと持たずにやってきた。
10年近く前に、椅子の座面のクッションとカバー布を張り替える際に、買った。
布を板に張るのには、ガンタッカーは便利だ。
まあ、細く短い釘でできないこともないが、
ガンタッカーが有れば、片手で布をピンと張りながら
もう一方の手で針を打ち込んで固定していくことができる。
下見をしていて気付いたのだが、
随所にガンタッカーが多用されている。
おすすめメニューを書く黒板も、
棚と棚をちょいと繋ぐのにも、ガンタッカーが使ってある。
色々な工具を持っているわけでもない人が、
なぜガンタッカーを多用しているのか不思議だったが、
ある会話の中でオーナーSさんが美大の油絵科出身だと聞いて腑に落ちた。
キャンバスを張るため、タッカーになじんでいたのだ。
※
ワイン箱を外してみると、カウンターは意外と奥行が有って
広々と気分が良い。
どうせまた箱でバリケード棚を作り付けるのに
カウンター全面を貼り直すのは無駄な気もする。
しかし、天板がツギハギではおかしい。
すっきり一面になっていたほうが、また改装して棚だけ外す、
なんてことになった時にもいい。
※
棚はどれくらいの高さが適当か、既存の箱をぶった切って試しに置いてみた。
ワイン箱は499×329×167㎜というサイズ。
お客さんの顔の前に33㎝の壁が有ったわけだ。
およそ8㎝のところで切ってみたの図。
人物の肩から見えている。
両側の箱が今までの高さである。
店員さんは生首程度にしか見えなかったわけだ。
※
とにかく全部の箱の中身を出して、
カウンターから取り外す。
あまり汚れていなかったり、板が反っていない箱は
次の棚に使うことにする。
汚れのひどいものは、捨てる。
1820×910㎝のサイズの板を、カウンターの幅に切らなければならない。
店内は物が溢れているが、ワイン箱を撤去したおかげで
カウンター上でなんとか作業できる。
台としては高過ぎて作業しづらいが。
4㎜の合板を切る。
店に有った端材を定規の代わりにして、
カッターで何度も何度も切り込んでいく。裏側からも切り込みを入れる。
そして、使う部分に厚い板を乗せて、強く押さえる。
そして、使わない部分の板を曲げ上げる。
切り込みが充分に入っていれば、簡単に折れる。
切り込みがあんまり不充分だと、板が割れがちだ。
今回は、カウンターに貼り付けた後に、
既存の縁の材と合わせて滑らかに削るから、
あまりきれいに折れなくてもまるで問題は無い。
気楽に折る。
※
コーナーの部分は、元の形を透明のシートに書き写し、
そのシートを合板に乗せてカットした。
ここも後でディスクグラインダーを使って削るので、
さほど正確を期するわけではない。
※
板の準備ができたら、貼るべし。
つづく
カウンターを担当することになったよ。
まるでアップライトピアノのような艶黒のカウンターの、縁を削って古い塗装を剥ぎ落とす。
写真が、ディスクグラインダーで古い塗装を剥がしつつ、
縁の材の段差を削り落としている途中の様子である。
マスクも顔も目の周りの小鼻のわきも鼻の穴の中も
おがくずで真っ黄色になった。
ろくすっぽ顔も洗わず、新宿の街を歩いて電車に乗って帰って来たものだが、
かなり小汚かったと思う。
※
オーナーSさんが、「お店の近くに材木店が有るんですよ。」と言う。
4人掛けの席のテーブルは、そこで買った天然木の板で自作したそうだ。
すごいな。
分厚い天然木の板だが、数千円だったと言う。
そりゃ安い。
新宿通りのすぐ裏通り、こんなに地価の高そうな場所に、
在庫豊富な材木店が有るとは、思いも寄らなかった。
カウンターの天板の上に化粧板として貼るだけなので、
薄い板を買ってきた。
※
しかしまず、既存の棚を撤去せねばならない。
近所の酒販店からもらってきたという、ワイン箱を横向きに並べてある。
カウンターに釘で打ち付けてある。
箱と箱とは、ガンタッカーで繋いである。
コの字の形の針を、ホッチキスのデカいので打ち込む工具だ。
ガンタッカーは私にとって長らく憧れの工具だった。
ガンタッカーじゃないとできない事って、そんなに無いので、
ずっと持たずにやってきた。
10年近く前に、椅子の座面のクッションとカバー布を張り替える際に、買った。
布を板に張るのには、ガンタッカーは便利だ。
まあ、細く短い釘でできないこともないが、
ガンタッカーが有れば、片手で布をピンと張りながら
もう一方の手で針を打ち込んで固定していくことができる。
下見をしていて気付いたのだが、
随所にガンタッカーが多用されている。
おすすめメニューを書く黒板も、
棚と棚をちょいと繋ぐのにも、ガンタッカーが使ってある。
色々な工具を持っているわけでもない人が、
なぜガンタッカーを多用しているのか不思議だったが、
ある会話の中でオーナーSさんが美大の油絵科出身だと聞いて腑に落ちた。
キャンバスを張るため、タッカーになじんでいたのだ。
※
ワイン箱を外してみると、カウンターは意外と奥行が有って
広々と気分が良い。
どうせまた箱でバリケード棚を作り付けるのに
カウンター全面を貼り直すのは無駄な気もする。
しかし、天板がツギハギではおかしい。
すっきり一面になっていたほうが、また改装して棚だけ外す、
なんてことになった時にもいい。
※
棚はどれくらいの高さが適当か、既存の箱をぶった切って試しに置いてみた。
ワイン箱は499×329×167㎜というサイズ。
お客さんの顔の前に33㎝の壁が有ったわけだ。
およそ8㎝のところで切ってみたの図。
人物の肩から見えている。
両側の箱が今までの高さである。
店員さんは生首程度にしか見えなかったわけだ。
※
とにかく全部の箱の中身を出して、
カウンターから取り外す。
あまり汚れていなかったり、板が反っていない箱は
次の棚に使うことにする。
汚れのひどいものは、捨てる。
1820×910㎝のサイズの板を、カウンターの幅に切らなければならない。
店内は物が溢れているが、ワイン箱を撤去したおかげで
カウンター上でなんとか作業できる。
台としては高過ぎて作業しづらいが。
4㎜の合板を切る。
店に有った端材を定規の代わりにして、
カッターで何度も何度も切り込んでいく。裏側からも切り込みを入れる。
そして、使う部分に厚い板を乗せて、強く押さえる。
そして、使わない部分の板を曲げ上げる。
切り込みが充分に入っていれば、簡単に折れる。
切り込みがあんまり不充分だと、板が割れがちだ。
今回は、カウンターに貼り付けた後に、
既存の縁の材と合わせて滑らかに削るから、
あまりきれいに折れなくてもまるで問題は無い。
気楽に折る。
※
コーナーの部分は、元の形を透明のシートに書き写し、
そのシートを合板に乗せてカットした。
ここも後でディスクグラインダーを使って削るので、
さほど正確を期するわけではない。
※
板の準備ができたら、貼るべし。
つづく
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