犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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パンツと桃の木

2021年02月10日 | うつろい
玄関先に、桃の木が生えている。
毎年、春に真っ白な八重の花をふくふくと咲かせる。
家の北西の角で、狭い道を挟んで隣家が迫っていて暗い場所だが、
花の時期だけは明るくなって、とてもいい。

しかし、齢を取って、あちこちガタが来ている。
幹の上のほうが、朽ちてきている。

高く伸び過ぎた部分を伐ったあと、
切り口から朽ちてきたのだろう。
以前、幹の上の部分80㎝くらいがごっそり朽ちた。

桃は、硬い。
朽ちたと言っても、重い。
直径20㎝あまりの幹が3メートルくらいの高さのところで朽ちていたのだ。
たまたま下を通った時に落ちてきたらただでは済まなかっただろう。

梯子を掛けて木に登って、朽ちた部分を伐り落とした。

それから何年経ったか。
その切り口から、また朽ちてきている。
朽ちた幹から横に枝が伸びている。
風が吹いたら幹ごとごっそり折れて落ちるだろう。
危ない。

木の下には私のバイクCD50ベンリィ号が置いてある。
困る。



ドッグランで、我が犬ウーゴが敷地の隅っこに穴を掘りやがる。
私は箒を持って現場へ走る。

走るその一歩ごとに、
パンツがずり落ちる。

ズボンを履いているが、そのズボンはサイズが大きく、ウエストがゆるい。
腰で履いて、ずいぶん股下にずれている。

そのズボンの中で、パンツがずり落ちている。
ハア。

履きこなれたパンツである。
履き心地が良いのである。
けれど、こんなにずり落ちてしまうのなら、もう捨てよう。



そう思うのだが。
脱いだパンツをそのまま捨てる気にはなれない。
だから、洗濯する。
洗って干してきれいになってみると、
もう一回履こうかな、ってことになる。

その繰り返し。

繰り返しながら、パンツのゆるみはどんどんゆるむ。

履くたびに落ちる。
脱ぐたびに捨てようと思う。
洗うたびにまた履く。

嗚呼。



朽ちてしまって危ない桃の木は、もう伐ってしまおうと思う。
数年前に、庭に桃が生えてきた。
鳥が実を運んだものであろう。
三年経ったら花が咲くようになった。
白の八重だ。

家の北西から、家の南東に桃が自分で移動したようなもんだ。
庭に若くて元気な桃の木が有って花が見られるのだから、
朽ちかけの木は伐ろう。

木を伐るのは、冬が良い。
12月はぼやぼや過ごし、1月にやろうと思い、
2月はあっという間に過ぎて、
気付けば花芽が膨らんで、楽しい花の季節がやって来る。

花芽が付いているのを見ると、
もう一年咲かしてやろうか、と思ってしまう。
花が咲けば美しいので伐りたくなくなる。
花が終わりかける頃には葉が出始めて、
あれよあれよと緑が繁る。
こうなると、もう伐るでもない。
葉の付いた木を伐るのは、冬の木を伐るよりずっとたいへんだ。

その繰り返し。
嗚呼。

いや!
もうケリを付けるのだ!

パンツは捨てる!桃の木は伐る!

(画像は桃の木だけにしました。)
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