犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

なまなつまるつる

2016年06月21日 | 日々
「つる」という噺がある。

鶴はムカシ、首長鳥と呼ばれていた。
ある時、白髪の老人が浜辺の岩頭に立っていたところ、
はるか唐土(もろこし)の方から一羽の雄の鶴が
「ツーーーッ」と飛んで来て、松の枝にぽっととまった。
それに続いて雌の鶴が「ルーーーッ」とやって来た。
で、ツルと呼ぶようになったんだよ。

とご隠居さんが教えるのを、八っつぁんだか熊さんだか忘れたが、
長屋のおっちょこちょいが真似して他の人に話すのだがうまくいかない、
という、それだけの噺である。

入門して最初の頃に学ぶらしい。
そういうネタを前座噺なんて言う。

東京では入門して数年間は前座で、それから二ツ目に昇進する。
すると下働きはしなくて済む。
羽織なんか着ちゃって、いかにも立派だ。
けれど芸はまだまだなので、苦労する時期でもある。

とは言え、それから数年してまた真打に昇進したところで、
ここからも限りが無い。
昇進したから安心、というより、新たに先に果てしない道を見せつけられるだけだ。

二ツ目になってもう9年経とうという落語家で、
桂夏丸さんという人がいる。
先日見たら、「つる」をやった。

なんだ前座噺か。
ひねりもくねりも無い「つる」か。
なんて思ってるとそうはいかない。
話はツルから鶴岡雅義と東京ロマンチカなんてことになって
「小樽の女」をワンコーラスたっぷり歌う。

のどがいい。
歌う落語家は他にも幾人かいる。
歌の好きな私としては、こういう人が登場するととても楽しい。
そろそろ真打昇進かねえ。

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