犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

ガネーシャ様の21の名前を唱えよう

2021年02月11日 | 梵語入門
1年あまり前のこと。
亡父の書斎を片付けていたら、
出てきたのが写真の象の像である。
インドの神様、ガネーシャ様だ。
あなた様は日本でもけっこう有名ですよ。
おだててさえいれば啓発してくれる神様ですよね。
実体、古田新太さんですよね。

小さいけれど、ずっしり思い。
鋳造のようで、台座の中はかなり空洞になっている。

磨いてみようかな。
肉体化されても困るけど。飲食費がかなりかさみそうだし。



サンスクリットの韻律についてお勉強していたら、
ガネーシャの21の呼び名の詩がたまたま目に入った。

インドの神様たちはとにかく異名をいっぱい持っている。
知らない言葉が出てきたと思って調べると
なーんだガネーシャか、なーんだシヴァか、なーんだヴィシュヌか
ってことがシヴァシヴァ有る。

神様に限らず、偉大な人物にも、川や太陽や月などにも
別の呼び名がたくさん有る。
日本にも、尊いものは直接その名前を呼んではいけない、
という感覚が有ったわけで、そういうもんなんだろう。

畏れ多いと同時に、敬愛したてまつる気持ち、
親しみなどの気持ちもこめられているのではないか。

というのも、どうやら、
ガネーシャ様には「丸い腹」というあだ名も有るらしい。
布袋さんみたいにポコンと太鼓腹だ。

その名前が入っているかと思ったら、
ここには含まれていない。
異名は21どころじゃないのだ。

とは言え、まず読んでみよう。



待てよ、まずそもそも「ガネーシャ」つまりgaṇeśaって、
gaṇa+īśa=gaṇeśaではないか。
「あ」と「い」が続くと、繋がって発音されて「えー」になる。
「いたい」が「いてー」になるのと同様の現象が起こる。
ただし、サンスクリットではそれが規則なのである。

gaṇaとは、「群」とか「団」とかいった、集まりのことを指す。
īśaとは、「長」とか「主」とかいった、指導者のことを指す。
ガネーシャ様は、団長なのだ。
象なのに団長なのか。

ガネーシャとは群衆を導く者、といった意味なわけだ。
団長と訳しても良さそうだし、族のリーダーと言っても間違ってなさそうだ。
ほんじゃ他の名前も見てみよう。



गणञजयो गणपतिः हेरम्बो धरणीधरः |
gaṇañjayo gaṇapatiḥ herambo dharaṇīdharaḥ |
群団の支配者、群団の主、武勇、地球を支える者、

महागणपतिर्लक्षप्रदः क्षिप्रप्रसादनः ||
mahāgaṇapatirlakṣapradaḥ kṣipraprasādanaḥ ||
偉大なる軍団の長、収穫を授ける者、すばやいご利益、

अमोघसिद्धिरमितः मन्त्रश्चिन्तामणिर्निधिः |
amoghasiddhiramitaḥ mantraścintāmaṇirnidhiḥ |
価値ある恵み、無限、マントラ、賛歌、

सुमङ्गलो बीजम् आशापूरको वरदश्शिवः ||
sumaṅgalo bījam āśāpūlako varadaśśivaḥ ||
吉兆、源、望みをかなえる者、恩恵、創造主シヴァ、

काश्यपो नन्दनो वाचासिद्धः दुण्ढिविनायकः |
kāśyapo nandano vācāsiddhaḥ duṇḍhivināyakaḥ |
カシャパの子、歓喜、言葉を成就させる者、障害を取り除く者。

といった具合に異名が連なる。

さっきも書いたとおり、別名はこれだけではない。
「一本の牙を持つ者」とか「丸い腹の」とか有るようなので、
追々、調べて集めてみたい。

ひとにあだ名を付けるのって楽しいからね。
あ、なんなら私が新しい名前をガネーシャ様に付けて差し上げるとするか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パンツと桃の木 | トップ | サンスクリットの韻律 »

コメントを投稿

梵語入門」カテゴリの最新記事