[あらすじ] 同居母87歳パーキンソン病ヤール4要介護5認知症状少々。
段差の有る部屋に入ってはいけないことになっているが、
このところ自由な行動が目立つ。
地下室へも行きたいと言っているが、落下した図が脳裏に映るばかりだ。
[あらすじ] 飼い犬ジーロ去勢オス14歳9ヶ月慢性腎不全。
このところ後肢が弱っている。
加えて、寝付けずに室内を歩き回ることがよく有る。
疲れ切って、ドターッと尻餅をついたり倒れかかったり。
それなのに、振り返る時は半回転ルッツを決める。
後ろも見ずに半回転跳ねるのだ。
※
数日前の夜、9時半頃のことだ。
どこかから、犬の鳴き声が聞こえる。
階下でうちの犬が吠えているにしては、遠くから聞こえる感じだ。
しかし、近所に泣き声の聞こえる犬は、いても秋田犬なので、声質が違う。
わが犬か?
しかし声は遠いし、耳慣れない声だ。
なんにしても、鳴き続けている。
声も遠いようで近いし、おかしい。
とにかく階下の様子を見に行くことにした。
※
私が起き上がった頃には、鳴き声は止んだ。
耳を澄ませながら階段を降りるが、声は聞こえない。
台所に行くと、灯りが点いている。
居間のほうを見ると、やはり明るい。
そして、母の声が小さく聞こえる。
声はするが、姿は見えない。
転倒したのだろうか。
床に倒れているから見えないのか、
部屋の隅にいるから見えないのか。
居間から一段降りたサンルームに灯りが点いている。
先週、降りてはいけないと言ったばかりのサンルームに、夜に降りたのだろうか。
そこで転倒したのだろうか。
声はすれども姿は見えず。
ベッドの向こうで倒れているから見えないのだろうか。
私はひやひやとあれこれ考えながら、声のほうに進んだ。
ベッドの向こうを覗き込んでも、姿は見えない。
犬もいない。
母の声がかすかに聞こえてくる。
※
声のするほうに行く。
サンルームのほうだ。
サンルームにもいない。
地下室へ降りる階段を覗き込んだ。
いた。
階段の底に、母が立って、話している。
その足元に犬がいる。
※
降りてはいけないと言ったのに、なぜ降りているのか。
「聞いたこともないような声で鳴いたから。
そばにいてやりたいと思ったの」
犬に何か有ったら、私をまず呼んでください。
と、何度も言ってある。
母が犬を助けようとしても、助け起こすことができないばかりか、
犬の上に転倒でもしようもんなら、事態は悪化しかねない。
地下室へ降りる階段なら、なおさらのことだ。
「あなたを呼んだけど、わたしの声は小さくて」
都合の良いことを言うのがいつものことなので、呼んだというのが本当か分からない。
しかし少なくとも二階への階段の下へ来て呼んだりはしていない。
声が小さいなら近くへ行って呼ぶ、というような判断はできていない。
「そばにいてやりたくて」
たしかに、母がそばに来たことで犬はなにがしか安心し、
鳴き止んではいる。
しかし。
無事に階段を降りられたから良かったようなものの、
降りる時に転んだら、また戻ろうとして転んだら。
※
私は犬を抱き上げて、階段を昇った。
母は自分で戻った。
動きの良いのは良いことだが、
あぶなっかしい行動が多くなるのが困る。
※
老犬に、ケガは無かった。
ジーロは、段差を恐れてサンルームにも降りない。
しかし、サンルームの中から更に階段に落ちている。
おそらく、居間からサンルームに落ちて、そこから更に階段に落ちて行ったのだろう。
もしかすると、どこかの時点でエイッと半回転ルッツを決めこんだが
それで足を踏み外した、なんてなことも有ったかもしれない。
※
階段の入り口に、先日戸棚から発見したりんご箱を置いた。
これでとりあえず、犬が階段に落ちることは無いだろう。
人間が目的を持って意外な力を発揮してどかしてしまうことは有るかもしれないが。
段差の有る部屋に入ってはいけないことになっているが、
このところ自由な行動が目立つ。
地下室へも行きたいと言っているが、落下した図が脳裏に映るばかりだ。
[あらすじ] 飼い犬ジーロ去勢オス14歳9ヶ月慢性腎不全。
このところ後肢が弱っている。
加えて、寝付けずに室内を歩き回ることがよく有る。
疲れ切って、ドターッと尻餅をついたり倒れかかったり。
それなのに、振り返る時は半回転ルッツを決める。
後ろも見ずに半回転跳ねるのだ。
※
数日前の夜、9時半頃のことだ。
どこかから、犬の鳴き声が聞こえる。
階下でうちの犬が吠えているにしては、遠くから聞こえる感じだ。
しかし、近所に泣き声の聞こえる犬は、いても秋田犬なので、声質が違う。
わが犬か?
しかし声は遠いし、耳慣れない声だ。
なんにしても、鳴き続けている。
声も遠いようで近いし、おかしい。
とにかく階下の様子を見に行くことにした。
※
私が起き上がった頃には、鳴き声は止んだ。
耳を澄ませながら階段を降りるが、声は聞こえない。
台所に行くと、灯りが点いている。
居間のほうを見ると、やはり明るい。
そして、母の声が小さく聞こえる。
声はするが、姿は見えない。
転倒したのだろうか。
床に倒れているから見えないのか、
部屋の隅にいるから見えないのか。
居間から一段降りたサンルームに灯りが点いている。
先週、降りてはいけないと言ったばかりのサンルームに、夜に降りたのだろうか。
そこで転倒したのだろうか。
声はすれども姿は見えず。
ベッドの向こうで倒れているから見えないのだろうか。
私はひやひやとあれこれ考えながら、声のほうに進んだ。
ベッドの向こうを覗き込んでも、姿は見えない。
犬もいない。
母の声がかすかに聞こえてくる。
※
声のするほうに行く。
サンルームのほうだ。
サンルームにもいない。
地下室へ降りる階段を覗き込んだ。
いた。
階段の底に、母が立って、話している。
その足元に犬がいる。
※
降りてはいけないと言ったのに、なぜ降りているのか。
「聞いたこともないような声で鳴いたから。
そばにいてやりたいと思ったの」
犬に何か有ったら、私をまず呼んでください。
と、何度も言ってある。
母が犬を助けようとしても、助け起こすことができないばかりか、
犬の上に転倒でもしようもんなら、事態は悪化しかねない。
地下室へ降りる階段なら、なおさらのことだ。
「あなたを呼んだけど、わたしの声は小さくて」
都合の良いことを言うのがいつものことなので、呼んだというのが本当か分からない。
しかし少なくとも二階への階段の下へ来て呼んだりはしていない。
声が小さいなら近くへ行って呼ぶ、というような判断はできていない。
「そばにいてやりたくて」
たしかに、母がそばに来たことで犬はなにがしか安心し、
鳴き止んではいる。
しかし。
無事に階段を降りられたから良かったようなものの、
降りる時に転んだら、また戻ろうとして転んだら。
※
私は犬を抱き上げて、階段を昇った。
母は自分で戻った。
動きの良いのは良いことだが、
あぶなっかしい行動が多くなるのが困る。
※
老犬に、ケガは無かった。
ジーロは、段差を恐れてサンルームにも降りない。
しかし、サンルームの中から更に階段に落ちている。
おそらく、居間からサンルームに落ちて、そこから更に階段に落ちて行ったのだろう。
もしかすると、どこかの時点でエイッと半回転ルッツを決めこんだが
それで足を踏み外した、なんてなことも有ったかもしれない。
※
階段の入り口に、先日戸棚から発見したりんご箱を置いた。
これでとりあえず、犬が階段に落ちることは無いだろう。
人間が目的を持って意外な力を発揮してどかしてしまうことは有るかもしれないが。
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