[あらすじ] 飼い犬ジーロ去勢オス14歳9ヶ月慢性腎不全、
左後肢がうまく動かない時が有る。
どのようにうまく動かないかというと、
伸びたままになってしまうのだ。
自分でまったく動かせないわけではないし、
動かしてやると固く突っ張っているわけでもない。
膝関節を曲げる筋肉が弱っているのだろうか。
咄嗟の細かい動きのコントロールもできていないようだ。
だから、左後肢が前に伸びたまま、ぐらりと左によろける。
※
家の中でも同様だ。
何かが気になるのか、どこか痛かったり気分が悪かったりするのか、
寝付けないことが有る。
そういう時は、家の中を歩き回り続ける。
ゆっくり歩いては、よろける。
立ち上がってまた歩いてよろける。
それでも寝ない。
歩いてよろけてドターッというのを、1時間2時間続ける。
疲れきるとやっと眠る。
自分の寝床に戻って寝る時はマシで、
室内のどこかの床で眠っている時も有る。
※
寝付けずに歩き回っている時、なだめてやる。
顎の下に手を入れて、頭の重みを支えてやり、
眉間から撫でる。
疲れていると、すぐに目を閉じる。
頭がだんだん下がってくる。
うなだれていって、鼻先が床に付くこともある。
そんなになっても、伏せの状態になりそうになると、
ハッと目を開いて立ち直る。
そこまで寝たくないのは、なんなのか。
※
私の部屋は二階に有る。
明け方、階下からドターッ、ドターッとよろける音が聞こえてくる。
4時半、明るくなりかけたら散歩に出てやる。
3時くらいから音が聞こえたなら、2時くらいから歩き回っていたのかもしれない。
よろける音が続いた分、疲れているはずだ。
それでも散歩には喜んで出る。
※
いつもより激しいドタドタが聞こえる。
こりゃおかしい、と駆け付けた。
犬の寝床マットを、老母の介護ベッドの横に敷いている。
マットの上で寝ていたが、起きて動いた拍子にベッドの下に入ってしまったらしい。
ベッドの下にはまってバタバタともがいている。
頭の下で犬がバタバタとベッドを蹴り上げているが、
母はいびきをかいて眠っている。
まあ、目を覚ますとそれはそれで騒動が増えるので、これで良い。
※
そういうドタバタ音が毎朝続いたある日、
音が聞こえなかった。
5時。何の音もしない。
どっちだ。
睡眠か、永眠か。
様子を見に行こうかと思ったが、
もしよく眠れているのなら、起こしたくない。
我慢した。
朝6時、母のケアのための介護士さんが来たら、
「ワンワンワンワン!」と力強い吠え声が聞こえた。
よく眠れて、元気なのだろう。
ホッとした。
散歩に出てみると、たいへん歩調が良い。
やはり、よく眠れると動きも良い。
※
調子が良いとよく眠れて、動きも良い。
調子が悪いと寝付くこともできず、よろけてしまう。
悪循環にはまるか、よく眠るか。
見守るにも気力が要るものだ。
左後肢がうまく動かない時が有る。
どのようにうまく動かないかというと、
伸びたままになってしまうのだ。
自分でまったく動かせないわけではないし、
動かしてやると固く突っ張っているわけでもない。
膝関節を曲げる筋肉が弱っているのだろうか。
咄嗟の細かい動きのコントロールもできていないようだ。
だから、左後肢が前に伸びたまま、ぐらりと左によろける。
※
家の中でも同様だ。
何かが気になるのか、どこか痛かったり気分が悪かったりするのか、
寝付けないことが有る。
そういう時は、家の中を歩き回り続ける。
ゆっくり歩いては、よろける。
立ち上がってまた歩いてよろける。
それでも寝ない。
歩いてよろけてドターッというのを、1時間2時間続ける。
疲れきるとやっと眠る。
自分の寝床に戻って寝る時はマシで、
室内のどこかの床で眠っている時も有る。
※
寝付けずに歩き回っている時、なだめてやる。
顎の下に手を入れて、頭の重みを支えてやり、
眉間から撫でる。
疲れていると、すぐに目を閉じる。
頭がだんだん下がってくる。
うなだれていって、鼻先が床に付くこともある。
そんなになっても、伏せの状態になりそうになると、
ハッと目を開いて立ち直る。
そこまで寝たくないのは、なんなのか。
※
私の部屋は二階に有る。
明け方、階下からドターッ、ドターッとよろける音が聞こえてくる。
4時半、明るくなりかけたら散歩に出てやる。
3時くらいから音が聞こえたなら、2時くらいから歩き回っていたのかもしれない。
よろける音が続いた分、疲れているはずだ。
それでも散歩には喜んで出る。
※
いつもより激しいドタドタが聞こえる。
こりゃおかしい、と駆け付けた。
犬の寝床マットを、老母の介護ベッドの横に敷いている。
マットの上で寝ていたが、起きて動いた拍子にベッドの下に入ってしまったらしい。
ベッドの下にはまってバタバタともがいている。
頭の下で犬がバタバタとベッドを蹴り上げているが、
母はいびきをかいて眠っている。
まあ、目を覚ますとそれはそれで騒動が増えるので、これで良い。
※
そういうドタバタ音が毎朝続いたある日、
音が聞こえなかった。
5時。何の音もしない。
どっちだ。
睡眠か、永眠か。
様子を見に行こうかと思ったが、
もしよく眠れているのなら、起こしたくない。
我慢した。
朝6時、母のケアのための介護士さんが来たら、
「ワンワンワンワン!」と力強い吠え声が聞こえた。
よく眠れて、元気なのだろう。
ホッとした。
散歩に出てみると、たいへん歩調が良い。
やはり、よく眠れると動きも良い。
※
調子が良いとよく眠れて、動きも良い。
調子が悪いと寝付くこともできず、よろけてしまう。
悪循環にはまるか、よく眠るか。
見守るにも気力が要るものだ。
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