ことり

小鳥が死んだってねえ。コトリ…
なんて小咄（こばなし）がありますが。


この２週間に、鳥の死骸を４回見た。

正確に言うと、一つは死んでいなかった。

犬の散歩中、犬がした糞を拾っていたら、小さくドンと音がして、背後が騒がしい。
鳥がいやに騒ぐな、と思って振り返ると、歩道の端に一羽が胸を上にして落ちており、
荒い呼吸をしている。
丸い胸が大きく上下する。
苦しそうだ。

車にでもぶつかったのだろうか。

その前は道端に若いカラスの死骸。
その前は道に若いスズメの死骸。
その前は道に雛鳥の死骸。

そういう季節だ。

巣立ちの季節なんだ。

まだ社会のルールをよく知らない若鳥たちには
危険がいっぱいだ。


私は小鳥の鳴き声をまだあまり聞き分けられない。
ちょいと特徴のある声でなければ、種類は分からない。
しかし、耳慣れない声がすれば、なんだろうと思う。

昨日も部屋の前の池がピーチクピーチク騒がしい。
シジュウカラにしてもなんだかちょっと違う、と思って見ると、
鉢が灰色だ。

シジュウカラの頭はツヤっと黒い。
これが、若い輩は体色に近い灰色なんだ。
ロマンス・グレーならぬ、アドレッセンス・グレーだ。

若鳥が警戒もせず、部屋に近い池に遊んでいる。
そのうち、他の鳥が来て一緒に飛んで行ってしまった。
親が注意を促したのだろう。