近所に、犬と飼い主の社交場がある。
公園で幼児の親たちがおしゃべりするのとちょっと似ている。
犬は群れ社会で暮らす動物であり、その習性は飼い犬になっても変わらない。
毎日顔を合わす仲間がいれば、その中で自ずと順位が決まる。
そんな中でどこへ行っても、気弱な雄犬ジーロは最下位になるわけだ。
別にいじめられたりはしない。
おやつをもらう時になかなか近寄れない、といった事だ。
リーダー犬は、どっしりと落ち着いて、強い。
いざという時に、リーダーがガツンと言えば、みんなそれに従う。
おてんばカバサがまだ1歳の頃のこと。
ジーロと2匹で向こうのほうからキャッキャと走ってきて、
こともあろうにリーダー犬の横っ腹に激突した。
怒られた。
ただ、リーダーは雌犬に対して決して強くは怒らない。
それでも迫力があり、カバサはこのリーダー犬に対してその後、
道で会ったらすぐに耳を垂れ頭を下げひっくり返って腹を見せて
服従を示した。
犬を叱るには、こういう一撃が効く。
※
リーダー犬が年を取ってこの世を去り、
彼と並んでリーダー格だった犬も逝ってしまい、
次第にその社交場は解体した。
が、リーダー格だった犬の家の庭が、新しく代わりの場
とばかりに、みんな犬の散歩の度に寄るようになった。
飼い主さんがよく庭にいることもあるし、
飼い主さんもリーダー格だったこともある。
この方に、孫ができた。
おばあちゃんとして、この方は孫を見て、
「犬も人もおんなじね」と言っては、娘さんを怒らせているそうだ。
親としちゃ、自分の子を「犬みたいなもんね」と言われたような気がするのだろうが、
赤んぼや幼児の反応を見ていると、長年犬を飼ってきた者はどうも共通点を感じがちだったりする。
※
よく「犬のしつけ」というふうに言うが、
犬には犬のルールでしつけるのが効果が高いと思う。
老母などは「ダメよ」なんてやさしい声で言ったりするが、
これでは犬にはダメなことが全く伝わらない。
人間の言葉で言っても犬には分からない。
言葉の調子で、相手が怒っていること、今叱られていることを感じる。
悪さしているのを発見したらすぐに怒鳴れば、伝わる。
ただ、この時に大事なのは、
叱る言葉を決めておくことだ。
「コラ!」でも「ダメ!」でも、
何か一語に決めておくと良い。
犬は言葉の意味は分からないが、音は聞き分けて憶えることができる。
「さんぽ」や「おやつ」や「ボール」といった言葉の意味を分かって喜んでいるのではなく、
その音とそのものが結び付いて記憶されているのだ。
さて、咄嗟に叱る時にこういったふうに決めておいた言葉が出れば良いのだが、
ありがちなのは、名前を言ってしまうことだ。
「カバサ!!!」なんて声が、台所から聞こえてくるということがしばしば有った。
そのたびに飼い主である私は、家の者に頼んだ。
名前で叱らず、「コラ!」や「ダメ!」で叱ってください。
じゃないと、犬にとって自分の名前が叱られる言葉になってしまう。
名前は、犬をかわいがり、呼び寄せるために使う言葉だ。
それが叱られる言葉になってしまうと、
人間がその犬の名前を呼んでも犬はうれしくないし、駆け寄ろうという気持ちにはなれない。
だから、叱る時には犬の名前ではなく、叱責の言葉を使ってください。
※
人間も同じだと思う。
親にやさしく名前を呼ばれてきた人は、自分の名前を呼ばれることが安らぎになる。
名前で怒鳴り付けられてくると、どうも自分の名前を呼ばれるとビクッとする。
誰を叱っているのか明確にしなければならない場だと、
名前で叱ってしまいがちだと思う。
きょうだいが多い場合や、学校がそうだ。
小学校のある同級生の名前を思い出すと、
私は今も「××××!!」と怒られている先生の声がよみがえる。
これじゃあ先生に名前を呼ばれることが嫌いになってもしかたない。
しまいにゃその先生のことも、果ては学校も嫌いになり得る。
子どもが何人もいる場では、これはなかなか難しい問題だ。
「コラ!」と言ってから名指しするということも考えられるが、
第一声でその場の全員がビクッとしそうだ。
※
名前は、やさしく呼び寄せるときに使いたいものだ。
公園で幼児の親たちがおしゃべりするのとちょっと似ている。
犬は群れ社会で暮らす動物であり、その習性は飼い犬になっても変わらない。
毎日顔を合わす仲間がいれば、その中で自ずと順位が決まる。
そんな中でどこへ行っても、気弱な雄犬ジーロは最下位になるわけだ。
別にいじめられたりはしない。
おやつをもらう時になかなか近寄れない、といった事だ。
リーダー犬は、どっしりと落ち着いて、強い。
いざという時に、リーダーがガツンと言えば、みんなそれに従う。
おてんばカバサがまだ1歳の頃のこと。
ジーロと2匹で向こうのほうからキャッキャと走ってきて、
こともあろうにリーダー犬の横っ腹に激突した。
怒られた。
ただ、リーダーは雌犬に対して決して強くは怒らない。
それでも迫力があり、カバサはこのリーダー犬に対してその後、
道で会ったらすぐに耳を垂れ頭を下げひっくり返って腹を見せて
服従を示した。
犬を叱るには、こういう一撃が効く。
※
リーダー犬が年を取ってこの世を去り、
彼と並んでリーダー格だった犬も逝ってしまい、
次第にその社交場は解体した。
が、リーダー格だった犬の家の庭が、新しく代わりの場
とばかりに、みんな犬の散歩の度に寄るようになった。
飼い主さんがよく庭にいることもあるし、
飼い主さんもリーダー格だったこともある。
この方に、孫ができた。
おばあちゃんとして、この方は孫を見て、
「犬も人もおんなじね」と言っては、娘さんを怒らせているそうだ。
親としちゃ、自分の子を「犬みたいなもんね」と言われたような気がするのだろうが、
赤んぼや幼児の反応を見ていると、長年犬を飼ってきた者はどうも共通点を感じがちだったりする。
※
よく「犬のしつけ」というふうに言うが、
犬には犬のルールでしつけるのが効果が高いと思う。
老母などは「ダメよ」なんてやさしい声で言ったりするが、
これでは犬にはダメなことが全く伝わらない。
人間の言葉で言っても犬には分からない。
言葉の調子で、相手が怒っていること、今叱られていることを感じる。
悪さしているのを発見したらすぐに怒鳴れば、伝わる。
ただ、この時に大事なのは、
叱る言葉を決めておくことだ。
「コラ!」でも「ダメ!」でも、
何か一語に決めておくと良い。
犬は言葉の意味は分からないが、音は聞き分けて憶えることができる。
「さんぽ」や「おやつ」や「ボール」といった言葉の意味を分かって喜んでいるのではなく、
その音とそのものが結び付いて記憶されているのだ。
さて、咄嗟に叱る時にこういったふうに決めておいた言葉が出れば良いのだが、
ありがちなのは、名前を言ってしまうことだ。
「カバサ!!!」なんて声が、台所から聞こえてくるということがしばしば有った。
そのたびに飼い主である私は、家の者に頼んだ。
名前で叱らず、「コラ!」や「ダメ!」で叱ってください。
じゃないと、犬にとって自分の名前が叱られる言葉になってしまう。
名前は、犬をかわいがり、呼び寄せるために使う言葉だ。
それが叱られる言葉になってしまうと、
人間がその犬の名前を呼んでも犬はうれしくないし、駆け寄ろうという気持ちにはなれない。
だから、叱る時には犬の名前ではなく、叱責の言葉を使ってください。
※
人間も同じだと思う。
親にやさしく名前を呼ばれてきた人は、自分の名前を呼ばれることが安らぎになる。
名前で怒鳴り付けられてくると、どうも自分の名前を呼ばれるとビクッとする。
誰を叱っているのか明確にしなければならない場だと、
名前で叱ってしまいがちだと思う。
きょうだいが多い場合や、学校がそうだ。
小学校のある同級生の名前を思い出すと、
私は今も「××××!!」と怒られている先生の声がよみがえる。
これじゃあ先生に名前を呼ばれることが嫌いになってもしかたない。
しまいにゃその先生のことも、果ては学校も嫌いになり得る。
子どもが何人もいる場では、これはなかなか難しい問題だ。
「コラ!」と言ってから名指しするということも考えられるが、
第一声でその場の全員がビクッとしそうだ。
※
名前は、やさしく呼び寄せるときに使いたいものだ。
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