犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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この、葛めが!!

2019年09月03日 | イキモノタチ
家を出て、自転車にまたがる。
マウンテンバイクである。
こぎ出して5mほどの所で左足に何かが引っ掛かる。
そのまま進んで振り切れるかと思ったら、
それは強く絡んで私の足を止める。
止まってしまったので左足を下ろそうと思ったが、
足がペダルから離れない。
左側には斜向かいの家の車が駐車してある。
このまま倒れたらマウンテンバイクのハンドルの先端が
車のドアに当たって塗装を傷付けてしまう。

私は左腕を伸ばして車体のどこかにつかまり、
なるべくゆっくり倒れた。

足首に絡んだ何かはなんだか分からないが強いので
足首に食い込むように痛かったので、
私はこの数秒の間ずっと「イデデデイデデデイデデデイデデデ」と
叫び続けた。



外来種はタチが悪い。
まったく、ブルーギルだのブラックバスだの
セアカゴケグモだのセイタカアワダチソウだの
アメリカシロヒトリだのウリミバエだの
アメリカザリガニだのアフリカマイマイだの
サカマキガイだのホテイアオイだのウシガエルだの
ミシシッピアカミミガメだのオオキンケイギクだの、
どうも外来種は強い。
というイメージが有る。

島国育ちの日本の生物は弱くって、
外来の生物にかなわない。
のだと、思っていた。

しかし以前、あることを知って考えが少し変わった。
イギリスで、葛が大繁殖してたいそう困っているというのだ。

たしかに、アレロパシーと言って、周囲の植物が育たなくなるような物質を出す
という植物も有る。
しかし、アレロパシーはいづれ、それを出したその種をも滅ぼす。

単純に、今まで生活していた範囲に、同じ条件を好む生物が来たら競争になる。
必ずしも外来種のほうが強いというわけでもないのかもしれない。
日本の生物だって、外国で猛威を振るっているのだ。
ふと、戦争を連想する。



葛は、たしかに強い。
そっこいらじゅうに生えている。
高速道路の法面、丘陵地の幹線道路の広い中央分離帯、
夏に生い茂る。
蔓が地を這って、どんどん広がる。
秋口に、濃い色の藤のような房の花を付ける。
それが豆になる。
葛粉の原料は、イモと呼ばれるが、太く生長した塊根という根だ。



だから、家の前の狭い砂利道の、斜向かいの部分に葛が生えているのに気付いたとき、
きっと、その家の人がどこか近くの葛の種を付けて帰ってきたか、
車のタイヤかどこかにくっ付いて来たか、
そんなことだろうと思った。

同時に、すぐになんとか引っこ抜いてしまわないと、
こんな狭い砂利道はあっという間に覆い尽くされてしまう、と思った。

のに、ほったらかしていた。
ひとんちの前だからだ。
自分の家の前だったら、すぐに抜いただろう。



それが、結局のところ自分に返ってきた。

蔓性の植物の蔓にもいろいろある。
ヤブカラシの蔓は、まっすぐ引いてもどこかで切れる。
本体は地下茎だから、蔓が切れるほうが身を守れるということだろうか。
マメダオシの蔓は、とても細いけれどやたらに引く力に強くて、引いても切れない。
引けば、絡まれた植物が折れる。だからマメダオシと呼ばれるのだろう。

葛は強い。切れない。
太めの蔓で、毛が生えている。

この蔓が、足に絡まったのだ。



足首に、強く太くて毛の生えた蔓が絡まって食い込んだ。
イデデデデ
前進できなくて自転車が止まったので足を下ろそうとしたが下ろせなかった。
倒れてから見たら、ペダルと足を纏めて蔓が絡んでいた。
ペダルを踏んで回転させてしまったから、
自分で絡めたと言えなくもない。
とは言え、
イデデデデ

斜向かいの住人が、駐車場のわきの雑草を取って、それを山に積んだままにしていた。
その山の端っこに葛の蔓が出ていたのだろう。

まったく、これじゃ罠だ。



今から、鋏で蔓を切ってくる。
通行人が罠にかかってはいけない。
特に、我が家に来るヘルパーさんや看護師さんが毎日通るわけだし。
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